私には最後に1つだけやらないといけないことがあった。
パリにいるベナン人の友人に
渡すものを預かっているのだ。
その友人とは、半年前にフランス人女性と結婚して
フランスに移り住んだ人。
※参考記事 『突然の別れ』 http://ameblo.jp/mymogmog/entry-10425586434.html
彼がベナンを出発する日、
「半年後にパリで会おう」
と約束していた。
そのついでに彼の友人から
物を預かったというわけである。
パリでの待ち時間は6時間。

パリの空港から、
結婚相手のフランス人女性に電話をかけてみる。
「エミリー? 私、今E2の出発ゲートにいるんだけど・・」
「私もう空港着いてるよ。E2にいるよ。」
「本当?E2って出発ゲートと到着ゲートがあるんだけど、
どっち??」
「え、何??全然聞こえない。」
「だから、出発ゲートと到着ゲート2つあって・・」
「公衆電話がよく聞こえないのよ。」
そんなやり取りを何度も繰り返した。
フランス人の警備員に代わって話してもらっても、通じない。
ただっ広い空港内を走り回った。
・・会えないかもしれない。

時間はすでに10時半。

出発は13時。
到着ゲートの方に行ってみると・・・
いた!!

「あ~~!!よかった!!!」
と2人で喜びあう。
空港内のカフェで過ごしていると、
ベナン人の彼も遅れて到着した。
車の免許手続きがあったらしい。
手続きに半年もかかるのだとか。
私は約束とおり、預かっていた
カシューナッツととうもろこしの粉 3キロ分
を渡した。
彼らには言わなかったけど、
ベナンの空港で手荷物がちょうど
3キロオーバーでひっかかって大変だったのだ。
このカシューナッツと
とうもろこしの粉のせいで


よかったよ、本当。
これらを日本に持って帰ることにならなくて・・。
彼は 「これでパッド (ベナンの主食) を作るんだ」
ととても嬉しそうだった。
よかった、よかった。
2人は今でもラブラブ

彼は水道やさんの仕事を見つけて
仕事も順調らしい。
フランスでも今は仕事を見つけるのが大変なので
本当に運がよかったのだとか。
話しているとあっという間に時は過ぎ・・
出発の時間が来てしまった。
最後に 本場ボルドー産のワイン をもらった。
「ありがとう。でも液体って持ち込み禁止されてるんじゃ・・。」
「大丈夫よ、中身はただのワインって言えば。問題なし。」
そ、そうだっけ・・?
またいつか再会できる日を信じて、
私たちは別れた。
・・そして、出国ゲートにて。
「バックの中身を見せろ。
・・これはボルドー産のいいワインだね。残念でした。」
とあっけなく取り上げられてしまった

そりゃ、そうだ。
気持ちだけ受け取っておくね。


パリで過ごした数時間、
2人の優しさと幸せな姿に
私も幸せな気持ちになった。
2人に会えて本当によかったよ、ありがとう。