「結婚について発表がある」
と、思わせぶりなことを言い
1ヶ月以上待たせられた。
賢くて優しく、ある程度のお金がある彼は
結構もてるらしい。

そろそろ結婚したいと言っており、
実際結婚を申し込んできた女性が何人かいる
と前に言っていた。
それでとうとう、誰と結婚するか決めたのかな
と思っていた。
すると・・・
「お店 (携帯の修理やさん) にいつもいる
妊娠した女性がいるだろう、・・・実は僕の子供なんだ」
「・・え?・・何それ」
さぁ~っと気持ちがひいた。

「おめでとう」 と言いたかったのに
素直にその言葉が口から出てこなかった

1ヶ月以内にはもう産まれるらしい。
しかも、その女性とは3年間つきあい、
その間他に4年つきあった彼女がいたらしい。
つまりフタマタ。
「2人の女性を一度に好きになることはできるものなの?」
と聞いてみると、
「男ならできるよ」
と、当たり前のように言い切った。
そこで、またさぁ~っと気持ちがひいた。

彼は真面目で優しくて、基本的にうそをつかない人で
心から信頼できる友人の1人。
そんな彼でさえ、彼女に嘘をついてフタマタはする。
一夫多妻制が深く根付くベナンでは
どうやらそれが当たり前らしい。
文化の違い、と分かっていても
やっぱりどうしても受け入れられない><

「1人しか彼女がいなくて、
もしその彼女とダメになったら、
結婚するためにまた1から他の女の人と知り合って
友達になってつきあって・・と何年もかかるだろう?」
つまり、同時に2人以上とつきあってた方が
結婚までに効率がいい、というか合理的らしい。
まぁ、そりゃそうなんだけど。
彼の場合は、たまたまもう1人の彼女とダメになり、
そのタイミングでもう1人の彼女が妊娠したから
結果オーライだったけど、
普通はそんなにうまくいくかなぁ?
「妊娠したその彼女ともちろん結婚するんでしょう?」
と聞くと、
「たぶんすると思うけど、まだ分からない」 だって。
またまた、さぁ~っと気持ちがひいた。

よくよく聞けば、ベナンでは 「結婚」 という形態を
取ってない人が大多数らしい。
結婚しなくても一緒に住めるし
家族のように暮らせる。
結婚するとなると、彼女側の親戚にお金を払わなくちゃいけない。
また、市役所に手続きをすれば、
離婚したときに賠償問題が出てくるだけで
はっきり言ってメリットがないのだ。
正式な結婚の手続きは1人までしか認められてないが、
いわゆる非公式な結婚はいくらでもできる。
だから未だに一夫多妻制が根付いているのか・・。
じゃあ、子供ができても結婚という縛りが無ければ、
責任を放棄して逃げる男もいるのでは、
と聞くと、そこは信用問題で
たしかにそういう男の人も少なくはないらしい。
この話を聞いて、今までの色んなことに納得がいった。
軽いのか自由なのか縛られてるのか・・
それとも日本人が深刻に考えすぎるのか・・
結婚と恋愛観は国によって千差万別である。