アブランクーという人口8万人の町にも
20以上のNGOがあって、
「何て意識が高いんだ」
と最初は驚いて感心した。
だけど、NGOのやっている活動に一貫性が無いことも多く、
「女性のために」 「子供のために」 「環境のために」
と言っているけれど、理由が後付けで表面的だなと
心のどこかで何となく感じていた。
その理由が最近ようやく分かり始めた。

それだけだ。
NGOというだけで、省庁や他の機関から援助が入りやすく、
自分で商売するよりは労力をかけることなく、
お金が手に入りやすい仕組みになっているらしい。
会議や研修もしょっちゅうやっているので、
参加するだけでも参加手当てをもらうことができる。
NGOの活動は、
「より援助が受けやすい活動」 に流れやすい。
だから活動の理由は後付けになるし、
理由も薄っぺらくなる。
例えば、エイズ啓発活動。
感染率がベナンではまだ5%以下と言われているにもかかわらず、
こんなに活発に行われているのは、
政府が力を入れており、
活動資金が得られやすいから、のようである。
活動資金を得た後はレポートを書くだけでよい。
資金を出した機関が活動を見にくるわけでもないから、
嘘をいくらでも書くことができる。
余った資金の中から自分の生活費をもらうことだってできる。
だから活動の 「費用対効果」 の意識はほとんど無く、
予算をできる限り多く見積もって
1フランでも多くもらおうと試みる。
例えばエイズの啓発活動 (住民200~300人対象) に
なぜか300万フラン (約60万円)
という突拍子も無い予算をつける。
これくらいの活動だったら、
協力隊員が現地のお金を使わずにタダで啓発できる範囲である。
そして 「お金をもらって活動すること」 が目的なので
活動をやりっぱなしで終わってしまいがちである。
(下手したら活動しないところもある)
活動後の成果を意識しないので、
活動自体良くならないし、
効率も良くならないまま、のようである。
「お金のために活動している」 なんて
彼らは死んでも言わない。
意識を高く持って
きちんと活動している人も、もちろんいる。
いったいそんな人たちは全体の中の
どれくらいの割合なんだろうか。
