死と向き合った1日 | アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

旧『ベナンで活動する舞のもぐもぐブログ』 

2008年6月~2010年6月の2年間、青年海外協力隊として西アフリカのベナンという国で活動しました。

2012年8月から2014年5月まで、アメリカのブランダイス大学院(Brandeis University)で国際開発学を勉強しました。

九死に一生を得た。

途中から嫌な予感はしてたんだ。

パラクーからサバルーという町にタクシーで向かう途中、
私が疲れてぼーっとしていると、
一緒に乗っている同期の協力隊員達が、
突然 「きゃ~!!」 と大声で叫びだした。

はっ 目 として前を見たが、
状況がイマイチよく分からない。

タクシーが急カーブをして
向かってくる大型トラックの横をすれすれで通り抜けたとき、
ようやく全てを理解した。

タクシーの前には大きな木が横倒しになっており、
反対車線からは大型トラックが走ってきていた。
私たちが乗っているタクシーは猛スピードで運転中。

木に乗り上げるか、トラックに正面衝突するか
というとき、トラックが外側によけ
木とトラックの間に一瞬できたすき間を
タクシーは何とかくぐりぬけたのだった。

1秒でも遅かったらダメだった。

もしかして、今のかなりヤバかったんじゃ・・。

みんなすごい剣幕で怒り、
その場でタクシーを乗り捨てた。

私は後ろの座席だったけれど、
前の座席に座っていた同期隊員が
正気を失ってガタガタ震えだしたのを見て
事の重大さが後から身にしみ呆然とした。

話を聞いてみると、
他の人たちは 「トラックとの正面衝突を覚悟した」 らしく
目をつぶって覚悟を決めていたらしい。

何だか自分の反応の鈍さが嫌になる><

とにかく、無事でよかった。
本当にそれだけ。

ところでいったいあのタクシーに対して
私たちはどうすればよかったんだろう??

出発するとき、ガソリン代を先に払えと嘘を言われたとき、
借り切ったはずなのに運転席に運転手の上司が
無理やり乗り込んできたとき、(運転席に2人座ることになった)
スピードを落とせと何度言ってもまたすぐにスピードが上がったとき、
無理にでも先に払ったお金を気にせず
乗り捨てればよかったのだろうか。

町も何もないところで?
他のタクシーが全然見つからなさそうなところで?


・・そしてこの日、もう1つ小さな事件が起きた。

その後無事にサバルーという町について、
同期の協力隊員の家にみんなで泊まった。

夜、ベランダの隅から、子猫にゃー の鳴き声が聞こえていた。
「もしかして出られないんじゃ」 と心配になった私達は
気にして子猫を探していた。

それを手伝った警備員。

やっと子猫を見つけ助け出せた、と思った瞬間
警備員がその子猫を思いっきり振り上げて
コンクリートに叩きつけた。

!?

ものすごい音がした。

声を失い、呆然とする私達。
(ゴメンナサイ、こんな記事を書いて・・><あせる

「何で?!今何をしたの!?」
とみんなで叫んだ。

その剣幕にびっくりする警備員。
「だって自分の手をかんだから・・」
と言い訳をしひざまずいて謝ってくる。

警備員にしてみたら親切心だったのかもしれない。
私達がうるさがって迷惑がっていると思っていたのだと思う。

ベナンにはペットという感覚が無いから、
ねずみやコウモリを殺すのは問題なくて
何で猫はだめなんだ、という感覚なのかもしれない。

かわいい小さな子猫はほどなく息をひきとり、
みんなで土に埋めてお祈りをした。

せっかく元気になりかけていたのに、
またみんなどよ~んと気分が沈んだ。

「何だか今日は死と向き合う1日だね」
と誰かがぽつりと言った。

いったい今日は何だったんだろう?