足りない何か | アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

旧『ベナンで活動する舞のもぐもぐブログ』 

2008年6月~2010年6月の2年間、青年海外協力隊として西アフリカのベナンという国で活動しました。

2012年8月から2014年5月まで、アメリカのブランダイス大学院(Brandeis University)で国際開発学を勉強しました。

本当はず~っと気になっていたことがあった。(またかい!)

ベナンには何かが足りない、と思っていた。
それが何かがずっと分からなかった。

帰国が近づくにつれてその思いは一層強くなった。

なぜかと言うと、
帰国が近づいたら自分は、
「日本に帰りたくない、ずっとベナンに住んでいたい」
ともっと思うと思っていた。
だけど2年以上ベナンに住みたいと
心から思うことができない自分がいる。

何かが違う・・。

それだけではない、他にも気になることが2つあった。

帰国する先輩隊員を見ていると、
ベナンのことを心から大好きになって帰る人が意外と少ないこと。
私の感覚では、3分の1以下。
「やっと日本に帰れる」 という感じで帰る人が多い印象がある。

他の国では結構あるのに、ベナンでは
協力隊員とベナン人が付き合った話を聞いたことが無いし、
恋愛対象にはならないこと。
(残念ながら私もまだ・・><汗


他の国の話を聞くと、何か違うようだ。
いったい他の国とベナンの違いは何なのだろう・・?

ベナンには何かが足りない気がする、きっと何かが・・。

何度も、同期の協力隊員と議論をして答えを探そうとした。
それを見つけるのは、
雲をつかむように意外に難しかった。

それでは、その模様をどうぞダウン

おやしらず---------------------------------------------

※ 以下、あくまでも1部の協力隊員の
個人的な意見 (ベナン人に対しての一般的な印象)
として聞いてください。


「ベナン人と日本人は性根のところで似てるところがあるよね。
特に悪いところ・・例えば、 『腹の底は分からない』 っていうか・・」

「うん、それはあると思う。はっきり本音を言わないところがある。」

「で、程度は日本人よりもベナン人の方がより悪い気がする。」

自分の嫌な部分が似ているから、
心からベナン人を好きになれないのか・・?
いや、それだけではない気がする。

「心から尊敬できる人がいない気がする。」

「う~ん、そういえば私もいないかもしれない。
でも、信用できる友達はいるよ。
見返りを求めず親切にしてくれるし。」

「でもその程度の人は日本にざらにいるでしょ。」

「う・・・まぁそうなんだけど。
日本の基準を求めたらそれは難しいよ。」

「尊敬できなければ、恋愛にはなかなか発展しないよね。
恋愛は相手に尊敬できる部分があって
始まるところがあるから。」

「そうだね、お互い尊敬できる部分があって
対等に付き合えるというか。」

「文明の発達や教育レベルじゃない。
世の中には貧しくても尊敬できる人はたくさんいる。
例えば・・そうだなぁ・・・」

「旅と住むは違うと思うけど、でも私が他の国を旅したとき、
初対面なのに家族同然のように受入れてくれて、
親切にしてもらったとき、うれしかったなぁ。
心から私との出会いを喜んでくれてるっていうのが自然と伝わってきて・・
その人は貧しかったけど、
愛情深くってすごいなって思った。」

「・・!それ、それだよ!」

「え、何?!」

ようやく辿り着いた結論。

それは・・・・


「愛だよ、愛!」



あ、あい・・?!目

意外な答えにびっくりした。

ベナン人はみんなフレンドリーで
おせっかいというほど親切。
だけど、それがどこか表面的で
心の奥底の愛情みたいなのがあまり感じられない気がする。

もちろん親切な人はたくさんいるし、
好きな人もたくさんいる。
でも、何ていうか・・もっと根本的な心の奥底の・・
人と人とのつながりというか・・。
思いやり に近いかもしれない。

「日本人に対してだけじゃないよ、
ベナン人同士でもそれは感じる。
他の国と比べて、お互いを尊敬したり、
心から愛情を持って接してる印象をなぜか受けない。」

「う~ん、確かに・・もしそこに愛と尊敬があれば、
他人の幸せを妬んで焼きもちを焼いたり、
グリグリ (アフリカ独特の呪い) なんてかけないはずだしね。
それに嘘をつかずもっとお互いを信頼し合えると思う。」

----------------------------------------------おやしらず

マザーテレサはかつて
「貧しい人たちはピュアな心を持っている、
貧しいということはすばらしいことでもある」
と言った。

私たちは 「途上国のような貧しい人たちは、
お金は無くてもピュアな心と豊かな愛情がある」
という先入観みたいなものは無かったか。

見返りを求めないのが真実の愛、
見返りを求めないのがボランティアだけど、
協力隊に来るにあたって
無意識の内に期待してしまっていたのだと思う。

自分が期待するくらいの愛情を
現地で感じることができる、ということを。

自分が期待するくらい、
現地の人たちに歓迎され、
受け入れられる、ということを。

もしかしてこの国には愛が足りないんじゃないか。
私は愛に飢えてしまっているんじゃないか。

そんな新たな疑問が頭に浮かんでは消え、
今日出た結論に何だかとても悲しい気分になった。

答えがはっきりと言葉になった瞬間
心にぽっかりと穴が開き、
行き場の無い感情がふわふわといつまでも空を漂っていた。くもり