携帯のメールが送れなくなり、
10月3日(金)、首都ポルトノボにある
携帯会社へ行くことになった。
道に迷った私は、美容室で道を尋ねた。
その時、突然の大雨。
「雨がやむまで、休んでいきなさい」
と言われ、言葉に甘えて休むことにした。
そのうち近くで雷が落ち、停電になった。
薄暗い部屋の中、
お客さんの髪をセットする姿が
シルエットにうつっていた。
雨は全くやみそうになく、
そのうち私はうたた寝をした。
すると
「横になりなさい」
と言われ、言葉に甘えて長椅子に横になった。
眠りに落ちるとき、
誰かがそっと布をかけてくれた。
激しい雨音の中、
誰かのかすかな歌声を聞きながら
心地よい眠りについた。
ずうずうしくも、
1時間半以上もそこで昼寝をしてしまったが、
突然来て眠る外人を
誰も何も気にしていないようだった。
美容室を訪ねて2時間後、
ようやく雨があがり
御礼を言って出た。
何か特別なことがあったわけではない。
ただ不思議な体験として私の中に残った。
今でもあれは夢だったのではないかと思う。
・・・そして不思議なことに、
その日以来、私の中にあった寂しさと不安が
すっかり無くなったのだった。