年度末です。
来ている子どもの数も少なかったので、新年度準備をするために
1くみで合同保育となりました。
5年生Kくん。
仲のいい4年生Sくんが来てましたが、Sくんがマンガを読むので
手持無沙汰になってしまったようです。
誰もいない、2くみ3くみにふらふらと行ってしまっているのをB先生が注意していました。
朝からKくんが落ち着かないことは聞いていて、何かな~?と
思って見ていました。
「そっち行かんといてって言ってるやろ?
戻ってきて、Kくん!!」
「いやだ~」
そんなやり取りが続いていました。
Kくんにとって制止はあまり効果的ではなく、ちょっと視点を
変えて違うことに誘ってみる~など、コツがいります。
このままやり取りが続くと煮詰まって行って、どっちにも
よくないなぁと思い、Kくんのところに行きました。
「Kくん、いつものアルバイトしてよ~。
こっちの部屋でやろ~?」
みんなが使う人生ゲームのお札を破れにくくするために
ラミネート、切って角を綺麗にする~という作業を
やっていて、その角を「角丸くん」という機械で取ります。
その作業を、Kくんは手伝ってくれたことがあるのです。
楽しそうに友だちとやるので、いけるかな?と思って
誘ってみました。
「アルバイト~、なにくれんの~?」
「なにがいいかな~?今度フルーツキャンディーが出たとき、
Kくんが好きなパイナップル味を渡すっていうのはどう?
早いもん勝ちで取りに来れるから、Kくんはもらえると思う
けど・・」
「やる~」
「分かった!じゃあ、早く食べて取りに来てや~。
さぁ、向こうの部屋行こうか~」
Kくんがパイナップル味の飴が大好きで、それを選ぶためにいち早く食べ終わってもらいにきたことがありました。
そのときのことを思い出し、いけるかな?と思って声をかけたら
うまく乗って来てくれました。
「なんで2くみにいたん?」と聞いたところ、
「あそぶ人いいひんし~」と言っていました。
1くみに戻って、角丸くんで作業をしていると、
Kくんが前のクラスで一緒だった2年生Mくんに
声をかけに行きました。
「M~、角取るやつやろ~。手伝って~」
「え~、おれ、やるやる!」
Mくんも一緒にやり始めました。
それにつられて、2年生Rくんもやってきました。
仲間が集まり、Kくんの意識がそちらに向いたので、
「Kくん、そのビー玉転がしやってていいよ~」と、
Kくんが2くみから持ってきていた遊具で遊ぶことを
勧めると、3人で遊び始めました。
Kくんは時間いっぱいビー玉転がしを楽しんでいました。
高学年になるにつれて、どんどん仲間がいなくなります。
「やめたい!」と言っても、家庭の事情でやめられない
高学年たちの生活をどう作る?が、私の課題です。
Kくんだけに限らず、一緒に遊ぶ友だちがいない~と、支援員の
ところにやってくる高学年は多いです。
その子たちを、いかに他の子とつなぐかかな?と思います。
無理強いしてもダメなので、一緒にお喋りをしているうちに
顔見知りになって、一緒に遊ぶようになった~の関係作りを
目指していきたいと思います。
子ども一人ひとりを大切に保育をするというのは、
一見特別扱いに見えてしまうのかもしれません。
けれども、目の前の子どもにとって、「少しの特別が」必要なら
それはそれでいいと思います。
学童に来ている100人以上の子どもたちの「少しの特別」が
あればいいことです。
そこを納得してもらうのは、なかなか難しいところもあるけれど
子どもにとっての最善を考えて、その理由を伝えて理解して
もらえるように話をしていきたいと思います。