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結構ボリュームがあるのでがんばってください。



なぜ小麦を食べちゃいけないか? 序章に続きまして、小麦粉シリーズです。

数年前に参加したWellness SummitでCyndi O'mearaがノーベル平和賞受賞者のノーマン・ボーローグと小麦の半矮性種について触れていました。

1960年代に生まれたCyndiが小学生だった頃、学校帰りにキャンディーショップに行ったり、お母さんが作ってくれたエクレアを食べたり、フィッシュ&チップスを食べたりと、今問題と言われるものと同じものを食べていたけれども、1学年には300人ほどいた生徒の中には発達障害児はいなかったし、肥満の子も1人くらいだったと。

ところが今は幼児の肥満は大問題。発達障害は爆発的に増えている。

じゃあこの50年で何が変わったのか

最近のエクレアを一つにしても、エクレアを作るのに50の原材料リストがある、と。

昔のエクレアは、本物の小麦粉と、本物のバターと、本物の砂糖と、本物のチョコレートで作られていたのに対して、今のエクレアは化学添加物だらけのエクレアに似たエクレアでないものになってしまったということ。

夏場は1日で腐っていた昔のエクレア。今スーパーで簡単に買えるエクレアは7日間過ぎても腐りもしないし、カビも生えないし、姿形も変わらないという事です。

それって日本のコンビニおにぎりにも言える事ですよね。

昔のおにぎりは米と塩と焼き鮭もしくは梅干しと海苔だけで作られていたのが、今はそれ以外に調味料(アミノ酸)、グリシン、カラメル、増粘多糖類、ソルビット、ポリリジン、乳化剤、食物油等々と、キャリーオーバーの添加物も入れたら、それはすごい数の添加物が加えられている訳です。

皆さんも一度コンビニのおにぎりの裏ラベルを見てみて下さい。

ぎょぎょぎょっとなる事間違いなしです。

コンビニのおにぎりを食うな、と言っている訳ではありませんが、毎日食うのは問題かもしれませんよね。

で、話は戻しまして、今ものすごくセリアック病という自己免疫疾患が増えています。

セリアック病とは、

『小麦・大麦・ライ麦などに含まれるタンパク質の一種であるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる自己免疫疾患』

By Wikipedia

アメリカで増加を続けるセリアック病 By National Geographic News

欧州のセリアック病患者は250万人と推定、決して少なくない By 日経メディカルオンライン

元々欧米で多かったセリアック病。

日本には患者がいないのではなんて言われていた時期もありましたが、今では日本人の0.7%程(約87.5万人)がこの病気を持っている事が信州大学教授らの疫学調査で分かっています。

ただこの0.7%というのも、氷山の一角ではと言われております。

セリアック病の検査は結構めんどいです。

まずは血液検査で抗体があるかどうかを調べ、セリアック病の予備軍であるかどうかを見極めます。

その後、小腸の細胞を採取して検査する生検をして、正しい診断が下されるという形です。

元々セリアック病は遺伝的なもので、幼少期に発症すると考えられていたのですが、この説の信頼性は揺らいでいるそうです。近年になって大人になってから発症するケースが増えているからです。

あ、ちなみにセリアック病というのは自己免疫疾患ですが、セリアック病の検査で陰性であったからといって、グルテンに対する不耐性や過敏症がないとは言えません。

そういった場合はIgG抗体遅延性フードアレルギー検査等を受けてもらうんですが、明らかに小麦粉に対して過敏性を持っていそうなのに、それでも小麦に陽性と出ない場合もあります。

それが今まで私には謎だったんです。

だって明らかに小麦粉の過敏症によると思われる症状を発症しているのに、検査を受けてもらっても陰性なんですから。

小麦をやめて欲しいのに、その『やめてほしい』という裏付けがない訳です。

でその謎に対するヒントをCyndiからもらいました。

そのヒントとはノーマン・ボーローグと半矮性種の小麦と緑の革命だったのです。

今私たちが普段口にする小麦粉製品は半矮性種という、品種改良という名のもとに行われた遺伝子操作された小麦なんです。

意識の高い人であれば当然避けているであろう、遺伝子組換え食品。

遺伝子組換えという言葉が一般消費者に根付く前から、もうすでに小麦は遺伝子操作がされてしまっていたのです。

あ、でも一般的には『品種改良』と呼ばれます。響きが悪いから遺伝子操作とは言いません。

で、その半矮性種には元々の古代小麦にはなかった(もしくは少なかった)グリアジンというたんぱく質が含まれているのです。

この半矮性種の小麦が開発された背景には、世界の飢餓を救うという大命がありました。

緑の革命なんていうと聞こえはいいのですがね。

緑の革命とは農業革命の一つであり、

『1940年代から1960年代にかけて高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などにより穀物の生産性が向上し、穀物の大量増産を達成したことを指す。』

By Wikipedia

在来品種といって1960年代以前に食されていた小麦は背が高く、生産量をあげるために肥料を沢山あげても、倒伏(要するに倒れて伏せちゃうってことなんでしょうね)という状態になってしまい、逆に生産量が下がってしまうそうです。
そこでボーローグらによって開発され導入されたのが、高収量品種という、人工交配や遺伝子操作を繰り返して作られた、古代小麦よりも背が低いため穂に影響が出ないという半矮性種の小麦だったのです。

この小麦の導入によりどんな環境にあろうとも常に高収量を実現できる、小麦の安定生産が実現しました。

これを後押ししたのは、ロックフェラー財団。

緑の革命によって救われた命は数億人とも言われます。
それだけの偉大な功績を残した緑の革命。

ただどうして、品種改良された小麦を全世界にばらまかなきゃいけなかったのか

現在古代小麦、1960年以前に食されていた小麦は、現在全世界の小麦生産料の2%以下しか作られていません。

たったの50年で、私たちの主食は劇的に変わってしまった。
何も変わったのは小麦だけではありません。
緑の革命によって品種改良をされたのは米、トウモロコシも一緒です。

でもこの50年で変わったものは何も私たちの主食だけではありません。

50年前プラスチックの容器に入ったコンビニ弁当なんかなかったし、あんなにペットボトルまみれじゃなかったし、おにぎりはお母さんが作ってくれるお米と梅干しと海苔のおにぎりだった。

私たちが口にするものはこの50年で全てが変わってしまったのです。

そりゃあアレルギーも増えるし、自己免疫疾患も増えるし、がんも増えるし、難病も増える訳だ。

『大正生まれは強い』って聞きません

大正生まれは、関東大震災も大洪水も戦争もそれに伴う飢餓も経験しているのに強い。

逆にアレルギーや、難病、がん、精神系の疾患、自己免疫疾患にかかるのは、若い人、30代、40代、50代、60代に多いような気がします。

70代や80代でアトピーの人知っています

私は個人的には知りません。

大正生まれの人ってたぶん、お母さんのお腹にいる時からそういうものに対する曝露が少なかったと思うんです。

そして生まれてからもそういったものに対する曝露が少なかった。

胎児期や幼少期にそういったものに対する曝露(触れる機会)が増えると、感受性の高さから大人よりも影響が出やすい。

大人になってからそういったものに触れるのと、子供のとき、赤ちゃんのとき、またはその赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時に、お母さんがそういったものに触れるのでは全然結果が違ってきます。

だから大正生まれって強いんじゃないかなあって私は思うんです。

で話を戻して小麦です。

元々の古代小麦にはなかった(もしくは少なかった)と言われる、グリアジンというたんぱく質。

そのグリアジンの問題を訴え始めたのは、Wheat Bellyというベストセラー本の著書、循環器専門医のウィリアム・デービス医師です。

Modern wheat a "perfect, chronic poison," doctor says

このグリアジンを多く含む小麦は精製された砂糖よりも血糖値を急激に上げ、その代謝物が血液脳関門をすり抜け、モルヒネ受容体にくっつき、麻薬と同じ反応を起こす事が研究の結果分かっているそうです。

さらにグリアジンには、腸内粘膜細胞の破壊、免疫刺激、腸管壁の浸透性の悪化(リーキーガットを促進)、炎症促進という作用もあるそうです(これに関してもデービス医師以外の文献を見つけてないので、リサーチ中)。

デービス医師は(現代の)小麦粉を『中毒性のある毒物だ』と言い切ります。
彼自身が患者2000人に「小麦抜き生活」を実践させたところ、病気、疾患の全快など、著しい改善をみられたという事。

デービス医師のブログWheat Belly 。まだ全部読んでいないけれども面白い情報が満載です。

デービス医師のWheat Bellyですが、日本語の翻訳本が先月販売されたそうです。

小麦は食べるな!


とりあえず小麦粉について色々とネガティブな事を書いてみましたが、小麦粉って美味しいですよね。
(そりゃあ中毒性があるからそう感じるのは当たり前なんだけど。笑)

ラーメン美味しいし、パスタも美味しい、クロワッサンも美味しいです。

私も大好き

でも一定期間小麦粉を抜くと(もしくは減らすと)体は軽くなるし、頭もすっきりします。

一度試してみる分かりますのでオススメです☆

さてまだまだ続きます、この小麦シリーズ。