■2015/08/30 タバック第2回収録総評 | SFラジオアニメ ラジオドラマ 音声ドラマ

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■2015/08/30 タバック第2回収録総評

2015年08月30日(日)

13時~18時

タバック第1スタジオ

カリフォルニアの風へミリアム2 第8話


この収録が無事終了しました。

タバックでの収録はこれで2回目。

1回目の時にあった「雰囲気にのまれた」「空気にのまれた」…

という感覚は少なかった様に思います。

収録/演技、そちらに意識が向いた割合も多かったと思います。

その意識が時間内に終わらせた、録り直しさえ出来た事に繋がったと感じています。


演者の皆さんも気付いていると思いますが、今回第8話の台本は非常に難解なものでした。

キャラ設定から発生する個々の違った感情表現の安堵と緊迫、その確実な差が求められる、表情が両面の話数でした。

それもあって「#8台本読力解析書」という物を用意しました。

A4で4ページ。あれが、作者が期待する台本の読解量です。

各シーン毎、その方向性と連鎖を書きましたが、セリフ毎に解析をしたら2倍になったでしょう。

音響と演出も言っていました。

今回の台本は難しい。それを考えたら今回のテスト時の指示出しは少なく済んだ/解析書が無く、いつものスタジオで録ってたら、今回の時間数では済まなかった

全てが良い方向に向いた本番だったと感じています。

タバックが無くなる前に、とても良い収録が出来たと思っています。

お疲れ様でした。


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さて、そんな中であえて書きたいと思います。

今回に満足せず、それ以上に高い場所に登る為です。


○修正の指示出し量/箇所がいつもと同じ

○肝心な一文字が声にならない


各自がいつも言われている事をここでもやっている。

タバックは2回目、「緊張したんだろう」は的確ではない…

作品も4話目「馴染んでないんだろう」とは言えない…

では、この現象は何で起こっているのか?それは、


「講習で出来た事を再現していない」


覚える、理解する、そして再現する、練習を切り離さず本番に繋げていません。

人によっては、日常の生活から直さなければ肝心な時に出来ません。


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○台詞がこっちの身体に沁みない


代表的原因は早口。

では日常会話も早口か? と言えばそうでもない。

これは読む作業をしている証拠で、台詞を自分の物にしていません。

早口だから遅くと言っても直らない。

日常での会話の不足、または伝える(教える)会話をしていない可能性があります。


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○解析書があっても、書かれている内容を表現しきれない


台詞に感情が乗っていない。よそでもよく聞く言葉です。

この現象は、抑揚の音階が行くべき音に行かないからで、原因は発声不足です。

出る音域は日々狭まる、声は消耗品だからです。

だから、出ない音を鍛えなければなりません。

出る音だけで演技や発声をしている為に、感情の抑揚音階に届かないのです。



全体的に見て思う事は、表現する事の意識はしても、送る/届ける事をしているのか? という点です。

この番組も、当然プロの世界でも、お客様が居るからアフレコという作業があります。

お客様に向かって演技を送って、それが届いてこそ完結。

そこまで注意を払う必要があるでしょう。


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■この番組/団体は特殊で、向かう目的が2つあります。


認識し易い「演技の向上」と、注意しないと認識できない「放送」

解っているようで、でも複雑なんです。

ここには番組があります。

どんな放送局でも、マイクの向こうにはリスナー(お客様)がいます。

だから電波に乗る番組は、お客様を不快にさせない気遣った番組でなければなりません。

演者も制作も音響も、目に見えないお客様を気にして気遣って前を向く


そういう作品を共に作り上げる…


★制作

お客様に聴いて貰える方法を考えて、無意味な作品を作らない事

その為に作品にテーマを込めて、セリフを使ってメッセージを送っています。

そして演者の出来高を考え、作品(登場人物)を制御する

★演者

昨日より今日、聴いて貰える技術を上げる事

お客様への商品基準を理解して目指す、それが講習

そして演者も制作も、お客様の審判(放送)に恐怖して取り組む

それを収録で完結させる

★音響

制作と演者の成果を高品質の音響演出と、送り手の演者意識で作品音楽も作る


しかし他所の多くの演者には「放送(商品含)」と言う行為がありません。

放送というハードルが設定出来ないから、ゆるい意識になるのかも知れません。

越えようにも超える物が無い中で求める演技の向上、

そしてひたすら上手くなれないと悩み、このままでは無意味と結論付けて他の場所に籍を移す。

でもやる自分は前と同じ意識の自分、だから同じ事を繰り返す。


本当に必要なのは、自分の身体の中に持つ武器。

技術/知識/個性/コネ/意識/心、そして誰にも一度は廻る運を掴む。

他人が用意した武器(場所/肩書)は、無くなれば自分に何も残らない

どこに居ても、何をやっていても、自分の中の武器を養う事が第一。


そして運を掴む最善策は、意識して注意して手を伸ばして奪取する事。

回りを良く見て流れに沿って動く

成功した者と同じ手段を知る・取る

影に入れる者を見つけたら、独り立ちできるまで影に身を隠す

ある種、泥棒的感覚でなければ無い物は手に入れられません。


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■この番組/団体は特殊で、全ての仕組みが逆です。

プロの世界と逆、養成所と逆です


プロの世界はオファーを待つ

ココは自分でオファーする


養成所は用意された科目を熟す

ココは自分で自主的に取り組む


・講習を選んで毎月自ら申込む

 →スケジュール調整

・参加費を毎月収納する

 →支払いの対価と重み

・審査でキャラを自分で選ぶ

 →武器を見つける(アピールポイント)

番組の団体活動で「逆」をする事で、自然と大切な事をやっているんです。


それより、最も基本的で最も大切な事。

サービス業の基本、提供するという精神を日常養っているのか。

・普段から周囲を気付けるか、

・予測行動まで出来るか、

・実行しているか


普段出来なければ業務での動きには無理が出ます。

・挨拶をする

・メリハリ/集中する

・聴く/話す

・言われた事を実装する

・感謝を言う


番組が望む物…「一人前」と言う事かも知れません。

・人に頼らず生活が出来る

・人の前に立てる様な人格

・頼られる信頼

・求められる技術


その為に色んな事を教え、また違う方法でも教えます。

色んな場所を見せて、そしてやらせたりもします。

話しをして話をさせ、違えば正しい道に促す。

番組/団体は商店と同じ、人と言う商品に、この業界に合う品質管理をしているつもりです。


『水と肥料をやって、育ちがわるいものは振るい落とされる?』


上にも書きましたが、ココは自分でオファーする所。

振るい落とされる事は無いんです。

もし育ちがわるい人が居たら、その人は人のせいにして、自分でふるいから出て行くと思います。


でも大層な事は言いません

気遣いが出来て、思いやりがあって、優しくて、先に動ける事

自分に厳しいから、人に優しく出来る余裕があると思います。

であれば何にでも目が向けられる、気付ける、感謝が言える、応えられる。演技が送れる役者とは、そういう人だと思います。


でも、もしこんな人が居たら…

話しを聞かない、話しをしない、言われた事をしない、動かない

人の想いを受け止めない、正しく返せない、

自分を優先し、人の為に動かない


「仕事には呼んで欲しいけど、それ以外は行かない」

実績あるプロじゃないんだから、待っても何も来ません。

まずは自分から動かないと始まりません。


「行ったら何かあるの?」

自分で聴いて手に入れる/自分で探すしかありません。

学生じゃないんだから


「行くお金が無くって」

自己投資をケチるなら、ケチな物しか廻って来ない

無駄遣いをするのではなく、自分に返ってくる先行投資をする事。

そんな日々の繰り返しです。


やるべき事は自分から出す(動く/送る)という気持ちと行動。

この業界は提供するサービス業ですから。


2015/09/02