沢尻エリカが麻薬で捕まったのを切欠に依存症で思い出した事を書きたいと思う。

 

 もう17年も前だろうか。篠原涼子主演の単発のドラマでアルコール依存症をやっていた。朝刊のテレビ欄を読むと、そこには今夜のお勧め番組のトップ記事であり、テレビ局の力の入れようがあからさまに解った。

 その今夜のお勧めの記事のなかに、アル中診断なるものがあった。よく覚えていないが10個くらいの項目があり、それにYES、NOをチェックする事によって読み手がアル中かどうか診断できるというものだった。よくある、週に何日か休肝日を設けているか?などもあり、最後のチェック項目は

 

 

10.あなたはアルコール依存症ですか? YES NO

 

 

 だったのだが、これに、NOをチェックすると、今までの回答がどうあろうが、なんと自動的にアル中とされてしまうというものだった。

 いやいや、オレ、アル中じゃないし(笑)って、アホかこの診断と思いながらも帰宅後、夜のドラマを鑑賞した。

 このドラマの内容は皆さんどこかで探してみてください。ここでは内容は書きませんが、鑑賞した当時は「へー。」程度だったものの、自分が抱いた感想は、キッチンで料理しながらちょっと一杯のつもりが、日に日にエスカレートしていって歯止めが効かなくなるんだな。程度だった。

 

 素面で帰宅した場合に晩酌を欠かさなくなっていた自分も、このドラマの特集を参考にチェック項目にあった休肝日を設けてみようと一日くらい飲まない日を作ろうと、翌日はお酒を飲まずに夕食を摂ろうと決めその通りにしようと思ったのだが、なんとその日はどうしてもお酒が飲みたくなり、「う~ん、まあ、休肝日は明日にしよう」と自分に甘い心に負け、飲んでしまったのだ。

 するとその翌日もやはりダメで、更にその翌日も、また更にその翌々日もお酒を止める事ができなかったのだ!

 酒を止められない都度、あのチェック項目が頭をよぎったのだが、

 

 

実はあのチェック項目をやっている事自体、もうアル中の仲間入りしているようなものなのではないか?

 

 と考えるようになった。

 流石に焦り、休肝日を設けようと決心してから1週間経過してやっと1日だけ、休肝日を設ける事だできたが、それは「苦行」に近い物があった。相当自分を奮い立たせたのだ。

 お酒を飲まない人には解らないと思うが、例えるなら食事時にアルコールが無いという事は、お酒を飲まな人にとっては、食事時に炭水化物が無いも同然くらいのものだと思う。一食アルコールが欠けるという事は、毎食パスタ、パン、ごはん。のない食事。これを3日続けるくらいのものかもしれない。

 

 まだマシだったのは平日の朝食、昼食時にお酒を飲みたくなるような事は無かった事なのだが、ここまで来ると、もう障害という事になり、晴れてアル中の仲間入りになるらしい。

 かつて運送業の人に聞いた事があるのだが、帰社すると毎日毎日アルコールの匂いがする社員が居たらしく、アルコールチェッカーでアルコールを検出し証拠として見せてどんなに問い詰めても飲んでいないと言い張ったらしい。口内や体内で食べ物が腐ってアルコール臭をさせる病気もあると聞くが(昔、スーパードクターKで読んだ)この運送業の人が言うにはコイツは絶対に配送中に飲んでいると言い切っていた。当時は、仕事中に飲むようなヤツおらへんやろ、チッチキチーやがな、と思ったが、その後、様々な本を読んで学んだ事と、色々な人を見てきたり自分の体験から本当にこういう人間がいるのだと実感する事になったのだが、話を戻すに、この話は「運送業」である。仕事で車を運転するのだ。社会的に許される事ではない。つまり、仕事で車を運転するという自覚に欠ける。社会生活に支障が出ているという事、これすなわち「障害」なのだ。アルコールが原因だからアルコール障害。そして、そのアルコールを止められないのだからアルコール中毒という事だ。

 

 幸い私は、その後何とか休肝日を自主的に設けられるようになり今に至るのだが、あの時はアル中の門を叩き半歩踏み入れていたのだ今でも思いかえす事がある。

 当時はアル中に何の知識もなく、ただの危機感からお酒を控えるようになり自制出来てきたのだが、その後の今から10年くらい前に、漫画家、吾妻ひでお先生の「失踪日記」なる漫画を偶然手にする事があり、この中にアル中の記述もあり本物のアル中の壮絶さを読み、まあ、ワシはまだまだやな。と、でも気を付けなアカンな。と思ったものだった。(この頃の私のγーgtpは90くらいだった。人生最高値は203。今は・・・?)

 

この本にはパート2になる、「アル中病棟」なる本もあり、アルコールに悩む人にはお勧めである。是非ご覧あれ。

 

 先月、吾妻ひでお先生が亡くなられたという事でもアル中の事を書きたかったのだが、とりあえず、ここまで詳しく描いてくれた我妻ひでお先生の冥福に献杯したく思う。

 

 皆さん、アルコールにはくれぐれもご注意を。

 この数年間外で酩酊し終電を逃しタクシー帰宅するくらい飲み、毎晩家でも飲んだり、休日には「(* ̄▽ ̄)フフフッ~ン♪」と、鼻歌歌いながら酒の肴をキッチンで自作しながら酒を飲み、その肴で昼間から飲んでいた私は、今は家ではほとんど飲まず、外でも大体22時には引き上げられるようになりました。

 当時は禁酒法なんか出来たら亡命するくらい思ってましたが、今は・・・まあやっぱり、亡命するかな(笑)

 

 とにもかくにも、我妻ひでお先生のご冥福をお祈り申し上げます。