こんにちは。訪問介護サービス提供責任者のスタッフkです。

 

もうすぐ7月。そろそろ本格的な夏がやってきます。

 

 

  テレビの影響?熱中症=水分補給で予防、という勘違い

まずは「熱中症」について、改めて確認したいと思います。

 

厚生労働省のホームページに熱中症についての詳しい情報がありました。

 

これによると、熱中症とは

 

高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節 機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指す。

(厚生労働省ホームページより)

となっています。

 

文字通り、体内に「熱」が多すぎることで起こる症状で、「水分が不足する」とは書かれていません。

 

もちろん、熱中症と脱水が同時に怒ることもあるとは思います。

 

ですが、予防するためにも、まずは別物であることを認識する必要があるのではないでしょうか。

 

そして在宅介護では、以下の点も認識しておく必要があります。

 

屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、 救急搬送されたり、場合によっては死亡することもあります。

(厚生労働省ホームページより)

「室内で」「何もしていなくても」発症する、つまり、寝たきりの方でも熱中症になるリスクがあるのです。

 

熱中症が「熱」によって起こるものだと認識できていれば、たとえ寝たきりの方で、水分補給量をきちんとコントロールされていてもリスクがあることは分かると思います。

 

また、上記のホームページでは「熱中症患者のおよそ半数は、65歳以上の高齢者」ともありました。

 

梅雨頃から秋にかけて、高齢者介護の現場では、熱中症予防に気を使います。

 

ですが、世代に関係なく、暑くて湿度が高い日本の夏を、安全に健康に過ごす意識は必要だと思います。

 

  介護の実話:灼熱の室内で「水は飲んどうから大丈夫」

これまでの夏、冷房を使っていない利用者様をたくさん見てきました。

 

その理由は様々ですが

 

・操作を誤って暖房をつけている

・電気代がもったいない

・クーラーが嫌い

 

といったものに加えて、最近は「水分補給さえしていれば熱中症にならない」と考えている方も見かけます。

 

訪問すると、ドアを開けた途端に熱気が吹き出してくるようなお家で、クーラーもつけずに、顔を真っ赤にして、座っていらっしゃったこともあります。

 

体温を測ると普段より高く、熱中症になりかかっている状態でした。

ご本人に体調に変化はないかを尋ねると「暑いけど、大丈夫」と言われます。

 

クーラーをつけていない理由を尋ねると

 

「扇風機はつけとうよニコニコ

 

「これ(よくCMで見かけるペットボトル飲料を見せながら)飲んどうから、つけんでも大丈夫!

 

と話されました。

 

ですが、窓から入ってくる風も熱風ですし、扇風機も熱をかき回しているだけで、室内の温度を下げることは出来ていません。

 

どう見ても「熱中症になりやすい環境」になっっていました。

 

認知症のない、ご自分で判断できる方がなぜこんな環境で過ごしていらっしゃるのでしょうか。

 

「昔はクーラーなんか無かった」という感覚も一因かもしれません。

 

ですがおそらく1番の原因は、テレビのCMで「熱中症予防に(商品名)!」というのを見て、その商品を飲んで切れば、熱中症にならないと受け止められたことだと思います。

 

その時はお家にあった温度計を見ていただき(危険な温度でした)、窓から入ってくる風や扇風機では足りないことをご説明し、鏡で真っ赤になっている顔も確認していただくことで、室内が暑くなりすぎていることに納得していただくことが出来ました。

 

クーラーをつけ、保冷剤で体を冷やすとすぐに顔色も体温も元に戻ったので、本当に良かったです。

 

  熱中症予防には、何をおいても「涼しいこと」が優先

厚生労働省のホームページにもある通り、熱中症の原因は「体内の多すぎる熱」です。

 

ですから、体内に熱がこもらなければ予防できることになります。

 

・とにかく涼しい場所にいること

・通気性の良い衣服を着ること

・しっかり睡眠をとり体調を整えておくこと(正常な体温調節のため)

 

そしてやっぱり「適切に冷房を使う」ことが要になります。

 

体感温度での室温コントロールが難しかったり、「昔はクーラーなんか無かったから大丈夫」というタイプの方には、温度計で室温が目に見えるようにすることもおすすめです。

 

昔とは温度が違うこと、夏の危険度が上がっていることも繰り返しご説明しています。

 

冷房が苦手な方もいらっしゃるとは思います。

ですが「命を守る」ことを最優先に、温度に気をつけていただきたいです。

 

  意外な盲点。湿度にもご用心

普段から室温を気にかけている方でも、湿度は意識されていないこともあります。

 

ですが湿度が高いと体に負担がかかるため、なんとなくしんどいとか、認知症の周辺症状が悪化するとかいった悪影響も出やすいです。

 

その上、湿度が高いと汗をかきにくくなってしまいます。

 

汗をかきにくくなると、体内にはより熱がこもってしまうことになり、熱中症のリスクも上がるはずです。

 

ですから、夏を快適に過ごしためにも、熱中症を予防するためにも、温度と湿度は両方を見ていただきたいと思います。

 

まずは冷やして、水分補給はその後で

水分補給は「熱中症予防」ではなく、「汗で失った水分を補給する」ことが目的です。

 

汗をかくことは体温調整のためにも、とても大切なことです。

 

汗をかいたら水分を補給する(飲み過ぎないよう注意)必要があります。

 

ですが、「水分補給をしていれば、熱中症にならない」わけではありません。

 

熱中症予防には、まずは「涼しい環境」で「体内に熱がこもり過ぎないようにする」ことが必要です。

 

この夏を安全に、健康に、楽しく過ごすためにも、「涼しい環境」をしっかり確保したいと思います。

 

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

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