こんにちは。訪問介護サービス提供責任者のスタッフkです。
突然ですが、皆様、ご自分の遺影は決めていらっしゃいますか?
昨年、祖母が亡くなったのですが、その時の遺影がすごくいい表情だったんです。
遺影をゆっくり選んでいる時間はない
人が亡くなると、多少の前後はあるかもしれませんが、
・死亡診断(書類ももらう)
・葬儀屋さんへ連絡
・火葬場を予約
・お通夜・お葬式の準備
・身内への連絡
・自分の身支度も整えて、お通夜へ
短時間で決めて、進めなければならないことがたくさんあります。
お通夜や葬儀は大きなお金が動くものですが、タイムリミットがあるためゆっくり比較・検討することが難しい状況で色々なことを決めなければなりません。
お金のことはしっかり予算を伝えるべきですし、故人が積み立てている互助会のようなものも確認する必要があります。
こんななか遺影を「一番綺麗な写真を」とか「一番思い入れのある写真を」とゆっくり選ぶのは難しいと思います。
故人の写真が1箇所にたくさんあれば選べるかもしれませんが、きちんと整理されているとは限りません。
まさに元気な時の「明るくて優しいおばあちゃん」だった
祖母は元気な頃から、葬儀屋さんの互助会に入っていたらしく、遺影も事前に撮影してありました。
私はどちらかと言うと「囲い込み商法」に良いイメージを持っていません。
でも、この「元気なうちに」「自分の好きな服を着て」遺影を撮影しておくことは、お通夜や葬儀を準備する家族にとっても、また参列する方にとっても、メリットがあると感じました。
家族にとってのメリット
何を置いても「本人が好きな写真」を遺影に使えること、です。
お通夜までの時間が迫るなか、
・写真を探す
・選ぶ
という時間を減らすことができますし、何よりも「この写真でいいんかな」と故人の個性を表す写真を選べているかを迷わなくて済みます。
お気に入りの服で、綺麗にお化粧して、にっこり微笑んでいる写真を、本人が用意しているのですから、「参列者に見ていただきたい姿」であるはずです。
亡くなる前には病気だったり、認知症だったりと、本来のその方らしい表情が失われていることもあります。
デイサービスなどでは、写真をたくさん撮って渡してくださる事業所もあります。
でもその写真は、いくら笑顔でも「介護が必要になった人」の表情なんです。
(手間暇かけて笑顔の写真を撮り、現像して渡してくださる事業所さんには感謝しています。)
その点、元気な頃に自分で選んだ写真は、まさに「その方の人柄を表している」と思います。
参列者のメリット
棺の中のお顔は、やっぱり生きている時とは異なります。
でも「元気な頃の写真」を見られることで思い出も蘇ってきます。
祖母のお葬式では、綺麗な写真を囲みながら、みんなでご飯を食べ、
「おばあちゃんは毎日、絶対お化粧しとったよね」
「カネボウの化粧品を市場で買うのに一緒に行ったわ」
「震災前に裏にあったお風呂屋さん、覚えとう?」
「おばあちゃんのサンドイッチ、美味しかったなぁ」
と話が弾みました。
そしてそこから、普段はあまり会えない遠くの親戚から、祖母の若い頃の話なども聞くことができ、とても話が盛り上がりました。
人が好きで、ものすごくおしゃべりだった祖母です。
美味しいものもたくさん作ってくれました。
みんなが自分の写真の元で、ご飯を食べて、楽しそうに会話をしているのを見れば、きっと喜んでくれたと思います。
祖母が遺影を準備してくれていたおかげで、お通夜やお葬式という悲しい場面でも、明るくて楽しい祖母を思い浮かべることができました。
もしかしてコレも事前撮影のメリットかも
亡くなった方のお顔は、当たり前かもしれませんが、元気だった頃とは別物です。
これまで何人かの葬儀に出席してきましたが、お化粧などで出来る限りは整えてくださっていますが「生きている頃のお顔」を彷彿とさせるほどではありませんでした。
でも、今回の祖母は違いました。
髪がふんわりとかき上げたようにカールされ、色白で肌が綺麗だった祖母のチャームポイントがすごく活かされた身支度をしてくださっていたんです
私が子供の頃、高齢とはいえまだ若くて元気だった祖母が、鏡台の前で自分でお化粧をしていた頃の姿を思い出しました。
もしかしたら、棺に入れるための身支度をしてくださった方が、事前撮影していた遺影を確認して、お化粧や髪のセットをしてくださったのかもしれません。
遺影を確認してくださったにせよ、確認せずとも個性を引き出す能力がある方が担当してくださったにせよ、心から感謝しています。
お通夜や葬儀は、どうしても接客担当の方以外とお話しする機会はありません。
でも見えないところで心を配ってくださっているおかげで、綺麗な祖母のお顔を見ながら、お見送りすることができました。
本当にありがとうございます。
お洒落した写真を時々撮り直すのも楽しそう
「遺影のため」と決めなくても、お気に入りの写真を持っておくのは楽しそうです。
1年に1回とか、3年に1回、とか期間を決めて、お洒落をしてプロの方に写真を撮っていただくのもいいかもしれません。
遺影に限らず、介護の仕事を通して、または身内として看取りを行なって、「もっと一般的になったらいいのに」と思うことはたくさんあります。
冷蔵庫の管理から始まって、資産や、命に対する意思表示まで本当に色々です。
「死」を身近に感じにくい世の中だからこそ、自分の最期について考える機会が必要だとも常々思っています。
もっと命を輝かせるために明るく楽しい
終活セミナーとか、やってみたいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
『神戸|介護事業所のまいらいふ』
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