こんにちは。訪問介護サービス提供責任者のスタッフkです。
弊社は大倉山の事業所ですが、神戸三宮エリアにもケアに伺うことがあります。
三宮は神戸市の中心部で、お店なども多い賑やかなところです。
いつも通り、利用者様宅に訪問すると
利用者様宅のドアを開けた途端、利用者様から
「ベランダに猿がおる!捕まえて!」
と頼まれました。
ですがここは三宮の中心地。猿が出るような地域ではありません。
正直、利用者様が90代なこともあって、
ついに認知症が始まったかも・・・
しかも幻覚があるならレビー小体かな・・・。
と思ってしまいました。
90歳を超えても矍鑠としていて、自分のことは自分でして当たり前!みたいな、穏やかで優しいけどしっかり自分を持っているタイプの利用者様です。
認知症の兆候はそれまで全くなかったのですが、いきなり症状が出てきたのかと疑ってしまったんです。
それでもベランダを確認
三宮の中心地に猿が出るなんて、普通は考えられないことです。
実際、弊社のある大倉山地区は三宮よりは山が近いのですが、街中で猿を見かけたことはありません。
でも、私の判断で勝手に「認知症っぽいから・・・」と、「ベランダを見てほしい」という利用者様の思いを無下にすることはできません。
「どんな猿ですか?」とかお話ししながら、ベランダを見に行きました。
すると、本当に猿がいたんです
一瞬、自分の目を疑いました。
でも何度見ても、どう見ても、「小さい猿」がベランダにいます。
マンションの8階のベランダ、しかも三宮のど真ん中。
なんで猿??どこから来たん??
頭の中は疑問だらけで混乱しました。
そこへ利用者様が
「ベランダから出られへんようになったんやろ。
私ではできひんから、捕まえたって」
と言われます。
「私、猿は捕まえたことないですよ!?どうやって捕まえるんですか」
とお答えしつつも、本当に小さい、おしゃれな感じの猿(あんまり器用ではなさそう)なので、ベランダから落ちてしまわないかハラハラしてました。
利用者様が思い出した!
そんなふうに二人でベランダの猿をどうするか考えていると、利用者様が
「多分、上の階の人のとこの子やわ」
とマンション内に猿を飼っている方がいることを思い出されました。
いくら小さくても、猿を捕まえる自信がないので、利用者様と一緒に飼い主さんを呼びに行くことになりました。
歩行器で介助をしながらの移動なので、ゆっくりエレベーターに向かいます。
その途中、エレベーターから出てきた方に利用者様が
「猿、うちにおるよ!」
と声をかけられ、その方が飼い主さんだとわかりました。
私だけだと、面識がなく見逃していたと思うので利用者様と一緒に動いていて良かったです。
飼い主さん宅のベランダから猿が出てしまい、探していたところだったようです。
多分、マンションの外側を伝って、利用者様宅のベランダまで来たものの、迷子になって?家に帰れなくなったのだと思います。
飼い主さんがベランダへ行くと、小さい猿も顔がわかったようで、自分から抱っこされて大人しく帰って行きました。
どんなことでも確認が大事!
結局、この利用者様は最後まで認知症にならず、自分らしい暮らしを続けることを貫かれました。
多趣味で、努力家な尊敬すべき人生の先輩です。
ですが私は職業病で、一瞬とはいえ「ありえないことを言っている」「認知症かもしれない」と疑ってしまったのです。
反省しています。
それでもきちんと利用者様の言葉を確認し、実際に猿がいたので、一緒に対応することもできたので良かったです。
今となってはびっくりした思い出ですが、どんな「想定外」のことでも、本当に起こっているかもしれないと思って対応しようと心に刻んでいます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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