こんにちは。訪問介護サービス提供責任者のスタッフkです。

 

「寝たきりの人を着替えって、どうしたらいいですか?」

とご質問をいただくことがあります。

 

更衣介助の方法はいろいろありますが、まずその前に、今の衣服が「着替えやすい服」かを確認してみてください。

 

「どうしても上手くできないアセアセ」とおっしゃるご家族様、介助方法は問題ないのに、お洋服が攻略不可レベルの難易度のものだったことがあります。

 

 

  基本は好きな服を着ていただく

介護の基本は「自己決定」「自己実現」です。

 

そのため、基本的には介護士が衣服を指定することはありません。

 

ご本人が好きな服、これまで着ておられた服を着ていただけるように介護方法を工夫します。

 

ですが、お身体の状態や認知機能によっては、安全のためにどうしても「介護しやすい服」が必要になってくることがあるんです。

 

例えば、麻痺や拘縮があり可動域が狭い場合。

 

皮膚が弱くなっており、できるかぎり摩擦を少なくしたい場合。

 

こんな状態のときには、好きな衣服を着ていただくのが難しくなってしまいます。

 

特に介護を始めたばかりのご家族が更衣介助を行うときなど、「介護しやすい服」が荒れば、介護する方とされる方、両方の負担軽減にもつながります。

 

  介護しやすい4つのポイント

介護が必要な方は、お身体や皮膚状態も認知機能もそれぞれ異なります。

 

そのため全ての方に当てはまるわけではありませんが、多くの方にとって介護しやすい服を選ぶポイントを4つご紹介します。

 

①前開き

寝たきりの方の場合、ボタンやマジックテープなどで前側を止める形の衣服がおすすめです。

 

麻痺や拘縮がある方で、座ることができ、ご自分で着替えられるなら、かぶり(Tシャツのような頭を通して着替える服のこと)のほうが向いている場合もあります。

 

でも、寝たきりの方にかぶりの服を着たり脱いだりしていただくのは、かなり難しいと思います。

 

どうしてもこれが着たい!という場合以外は、前開きの服のほうがご本人も楽に、着替えていただくことができます。

 

②柔らかい

洋服でもパジャマでも、介護に使うなら、できる限り柔らかいものを選ぶと負担が少なくなります。

 

皮膚が弱くなっている方も多いので、柔らかい生地で摩擦を減らすことも大切です。

 

また、寝たきりの方の更衣介助では、あらかじめ裾を丸めて置いたり、斜めにして背中の下を通したり、といったことも行います。

 

その際に素材が柔らかいと、動かしやすくて便利です。

 

③伸びる

普段は意識していませんが、衣服にはほとんど伸縮性がないものがあります。

 

カッターシャツや長袖Tシャツは伸びないものが多く、身幅も狭く、生地が硬いものが多いので、寝たきりの方にきていただくには技術も必要ですし、リスクも伴います。

 

できる限り介護では選ばないほうが無難です。

 

④太い

更衣介助を行うときには、自分が着替えるのとは異なる動作があります。

 

そのため、身幅や袖幅はもちろん、襟や袖など頭や手を出す部分にもゆとりが必要です。

 

洋服が細身のものは、本当に介護が難しくなってしまいます。

 

前述した、介護技術はあるのに更衣に困っていらっしゃるご家族様が選んでいる衣服がこのタイプでした。

 

可能な範囲で、ゆったり、太めの作りの衣服を試してみてはいかがでしょうか。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

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