こんにちは。訪問介護サービス提供責任者のスタッフkです。

 

室内が使いにくそうだったり、危険だったりする場合、ケアマネさんをはじめ私たちケアチームは「安全な動線の確保」をご提案します。

 

そんなとき「子供の物やから動かされへんショボーン」とお聞きすることが多いんです。

 

 

  物があるから歩きにくそう

高齢者はたとえ2階建ての一軒家でも、1階部分だけで暮らしている方が多いです。

 

そのため、どうしても1階部分にベッドやテーブル、着替えなど、生活に必要なものを集めておくことになります。

 

ご本人が必要な物だけでもある程度のスペースが埋まってしまいますが、さらに動線を塞ぐ物があるととても歩きにくそうです。

 

例えば、廊下にある造花。

埃が被っていて、掃除したり動かしたりした形跡がありません。

「子供が買ってきたからそのままにしてある」そうです。

 

手すりを伝って歩く途中にあるので、足がぶつかって歩行が不安定になるリスクになります。

 

例えば、窓枠や襖の上にかかっている洋服。

たくさん収納があるお宅でも、ハンガーが窓枠や部屋の出入り口にかけてあることがあります。

 

加齢の影響で収納まで持っていくことが大変になっている場合もあるとは思います。

 

でも、収納の中に、何十年も前に独り立ちした子供の、全く着ていない(おそらくご本人は存在も忘れている)洋服があって、今、暮らしている方の洋服が収まりきらなくなっていることもあります。

 

窓枠に服がかかっていると空気の入れ替えがしにくいですし、出入り口の服は通る度に歩行の妨げになります。

 

他にも玄関や子供部屋だった場所、押入れなどに独立した子供の不用品があり、スペースを圧迫していることは多いんです。

 

もちろん、そのご家庭により事情は様々だと思います。

 

暮らしている方の安全や動きやすさの邪魔にならなければ、何を置いていてもいいのかもしれません。

 

でもそれは、「今」暮らしている方が困らないのであれば、ではないでしょうか。

 

  何十年経っても、子供の物は捨てられない

何十年も前に子供が独立していても、小さい頃に読んでいた本や学生時代の教科書を保管してあったり、たまに里帰りした子供が買ってきた物など、どんな物でも子供の物は捨てられないと考える方もいらっしゃいます。

 

私たち介護士は、介護保険のルールによって「断捨離」や「大掃除」をお手伝いすることはできません。

 

(弊社では片付けなどに対応できる「ちょこっとらいふ」という介護保険を使わない自費サービスのご用意もございます)

 

そのため、「どうしても危険な小物を動かして動線を確保する」くらいが精一杯です。

 

もしご実家に不用品を置きっ放しにしている、もしくは送って保管してもらっている、というのであれば、それが親御さんの生活を圧迫していないか、危険の要因になっていないかを確認していただければと思います。

 

「あんたのゴミ、置いとく場所ないでニヤリ

 

とはっきり言えるタイプの頼もしい親御さんばかりではありません。

 

良かれと思って、自分の生活が圧迫されるのに、子供のために不用品を引き受けてしまう方もいらっしゃいます。

 

親御さんが安全に暮らせることは、結局、介護が必要な時期を先送りすることにつながります。

 

それは好きなように自分のペースで暮らせる親御さんにとっても、安心して遠くで働ける子供さんにとっても、どちらにとってもいいこと尽くしだと思います。

 

安全な暮らしのために

子供の物だから捨てられない、という理由以外にも片付けられない理由はあります。

 

高齢になって判断すること自体が負担になっている可能性もありますし、「捨てる」と決めていても体力が追いつかない場合もあります。

 

もし自分の不用品が実家のスペースを圧迫しているなら、親御さんの安全な暮らしのために片付けたり、処分したりする。

 

その上で親御さんの持ち物の片付けや処分も、手助けを申し出てみて、依頼されれば手伝うことから始めてみてはいかがでしょうか。

 

私も実家にピアノを置きっぱなしにしています。

この記事を書きながら、近いうちに必ず処分しようと決めました。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

『神戸|介護事業所のまいらいふ』

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