こんにちは。訪問介護サービス提供責任者のスタッフkです。

 

先日、介護報酬改定に関する発表がありました。

 

ほとんどのサービスで基本報酬が引き上げられるようですが、訪問介護サービスは「引き下げ」られます。

 

介護保険制度の原資が税金であることを念頭に本当に必要なサービスだけを提供し、質の高い介護を目指してきただけに本当に残念です。

 

 

  もし訪問介護サービスがなかったら

実際に在宅介護を経験したことがなければイメージしにくいかもしれませんが、社会には皆様が思うよりもたくさんの認知症高齢者がいらっしゃいます。

 

他にもさまざまな理由で、生活上の困難を抱える方が訪問介護サービスを利用されています。

 

もし、訪問介護サービスがなかったら、こんなことが起こるかもしれません。

 

タラー便失禁・尿失禁したまま買い物へ出かける方が増えます。

 

訪問介護サービスでは、排泄介助を行います。

 

寝たきりの方のオムツ交換だけではなく、歩くことができるけれども便や尿失禁があり後始末が難しい方の支援もしています。

 

そういった方々は、もし訪問介護のケアがなければ、手や服に便がついたまま出かけてしまうと思います。

 

便がついた手で商品を選んだり支払いをしたりするので、スーパーやコンビニではあちこちに便が付着しているはずです。

 

デイサービス等の利用では、身支度も洗濯もできず、送迎車には失禁したまま乗り込むことになるでしょう。

 

貴方の親御さんがデイを利用するとき、便汚染された車に乗り込むので他人の便が付着する可能性もあります。

 

病院の椅子には安易に腰掛けられません。

 

衣服から染み出した尿や便で汚染されている可能性があります。

 

今は通院前に訪問介護サービスで排泄や更衣介助を行うことによって、最低限の清潔保持をおこなっていますが、それがなくなるからです。

 

タラー適切なケアを受けられないことにより不安定な認知症患者が町に増えます。

 

病気の症状の表れ方によっては、「他害」と言って他人を害するような攻撃をしてしまうことがあります。

 

訪問介護サービスがないことによって、服薬介助や通院介助を受けられない、必要な食事の確保ができないなどの理由で、より不安定な精神状態で外出する方も出てくるでしょう。

 

その場合は、街中で大きな声を出されたり、暴力を振るわれたりするリスクもあるかもしれません。

 

タラー在宅での療養が難しくなります。

 

訪問診療などの在宅医療を受けている方も、一人暮らしであれば、オムツ交換や食事介助などの生活面は訪問介護サービスが担っています。

 

いくら手厚い医療を施していただいても、それだけでは生活できません。

 

看取りの時期でも、水分補給、定期的なオムツ交換、清拭、シーツ交換、褥瘡予防のためのポジショニング、バイタルチェック等は訪問介護サービスが担っています。

 

これらがなければ「この家で最期まで」という希望は叶わなくなります。

 

タラー介護離職が増加し、人手不足になります。

 

訪問介護サービスを利用することで、なんとか仕事を続けている方も多いと思います。

 

ですが在宅でのケアを全てご家族が行うとなると、仕事を続けることは難しくなるでしょう。

 

仕事を辞める人が増えれば、さまざまな会社で人手不足になります。

 

訪問介護サービスを利用されている利用者様の「ご家族様」は多種多様な分野で活躍されています。

 

もしドライバーさんの介護離職が相次げば、バスや電車の本数は減るでしょう。

 

物流を担う方だった場合は、今まで通りの便利は暮らしはできなくなるでしょう。

 

水道や電気、ガスなどのライフラインに関わる方だったら?

 

ちょっとした不具合で何日も水が出ない、スマホが使えない、という日常になるかも知れません。

 

スーパーの店員さんだったら?

 

品出しが間に合わずに購入できないかも知れませんし、レジの稼働台数が減って長い時間並ぶようになるかもしれません。

 

農畜産酪農関係の方だったら?工事関係の方だったら?消防の方だったら?

 

  訪問介護サービスは不要ですか?

ときどき「生産性がない」とすら言われる訪問介護サービスですが、上記のように

 

桜社会で活躍する方々が仕事を続けられるように

 

桜地域での生活が円滑に回るように

 

社会の土台を、ごくごく一部かも知れませんが支えていると思っています。

 

今回の介護報酬改定では「訪問介護サービスの利益率が他と比較して高いから」という理由で、基本報酬が下げられる予定だそうです。

 

利益率が高いのなら、倒産件数が増えている理由はなんでしょうか?

 

利益率が高いのは、住居に訪問介護がついているタイプの事業所だけではないでしょうか(一見施設に見えますが介護サービスは別枠で請求するタイプや、サービス付高齢者住宅などがあります)。

 

介護分野の中では、もっとも高齢化が進んでおり、もっとも人手不足が深刻な訪問介護サービスですが、残念ながら、基本報酬引き下げ案が撤回されることはないでしょう。

 

国としては、訪問介護サービスをなくして、全ての介護が必要な高齢者には施設で生活していただく方針なのでしょうか?

 

税金を有効利用するためには、どこかを削る必要があり、それが訪問介護サービスだったのだと思います。

 

本当に残念です。

現場の意見も知ってほしい

訪問介護のお仕事は利用者様から学ぶことも多く、他の職種ではできないような経験もできます。

 

人生の最晩年の方々と接することは本当に勉強になりますし、少しでも質の高い介護を提供して、その人らしい暮らしを支えたいと考えています。

 

でも、この物価が上がり続ける世の中で基本報酬を引き下げられるのは、正直かなり厳しいです。

 

何も全てのサービス内容で報酬を引き上げてほしいと言っている訳ではありません。

 

認知症介護をはじめとした、身体介護やターミナル(看取り)ケアなど、知識や経験が必要なケアだけでも正当に評価して報酬を決めていただけるとありがたいです。

 

今回は感情強めな内容になってしまいましたが、ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。

 

社会を支える全ての方々が豊かで穏やかに働けますように。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

『神戸|介護事業所のまいらいふ』

・YouTube「まいらいふ介護チャンネル」

・会社様向け介護離職防止セミナーも開催