こんにちは。訪問介護サービス提供責任者のスタッフkです。

 

介護ベッドをレンタルするとき、サイドテーブル(病院などにある、ベッドをまたぐように置ける動かせる机)も一緒にレンタルすることがあります。

 

 

  「便利」が曲者

自力で座位を保つことができない方を介護するとき、介護ベッドとサイドテーブルの組み合わせはとても便利です。

 

食事介助では嚥下しやすい、正しい姿勢を保つことができますし

ベッドの高さを変えられることで介助者の負担を減らすこともできます。

 

一人でリモコン操作が出来る方なら、介助者がいない時間にも自分で水分補給をしたり、必要はものをサイドテーブルに置くこともできます。

 

ただ、この「便利」が曲者なんです。

 

介護ベッドを使っている方の中には、

・しっかり背上げをせずに

・ほとんど寝た状態のまま

ちょっと頭を浮かせて、サイドテーブルに手を伸ばして、菓子パンなどを食べてしまう方もいらっしゃいます。

 

ベッドから自力で動けなくても、出来る限り自分ことは自分でする。

 

介護度を進ませないためにも、必要なことです。

 

でも、

「食べる姿勢にならずに」

「横になったまま食べる」

なんてことは介護ベッドもサイドテーブルも想定していません。

 

手が届く範囲に必要なものが置けて、介護ベッドが動かせるからといって

寝た姿勢のまま何かを食べるのは危険です。

 

例えパンなど手づかみで食べられるものでも、しっかり座った姿勢で食べていただきたい。「便利」だからと言って「安全」を蔑ろにしないでほしいです。

 

  声かけでの改善は難しい・・・

寝たままの姿勢で何か食べようとしている方を見つけたら、もちろんすぐに声かけをします。

 

いったん食べ物を置いていただき

背上げして姿勢を整えるか、介助を受けて端座位になるか、椅子へ移乗するか、ご希望をお聞きします。

 

でも大抵は

「このままでいいねん。大丈夫やから」

とそのままの状態で再度食べ物に手を伸ばそうとされます。

 

今までなんとも無かったから

大丈夫だったから

 

という負の成功体験が影響しているためです。

 

認知症を発症しているなど、ご本人への声かけだけでは対策をすることが難しい場合には、介護をされているご家族にも寝たまま食べないでほしいことをご説明します。

 

そもそもベッドからご自分で動けない方の場合、サイドテーブルに食べ物を置かなければ、寝たまま食べる、という危険をおかさずに済むからです。

 

ですが認知症の方の場合は

・食べ物がないと不穏になる

・食べ物がないとご家族を呼び続ける

などの理由で、常に食べ物が手元にある状態にしておきたいと考えるご家族もいらっしゃいます。

 

その上、老老介護で、介護をする側のご家族も体調不良だったり、認知機能に不安を抱えていらっしゃることも多いです。

 

そのため、「大人しくしてくれるんやったら・・・」と食べ物を置いておきがちになってしまいます。

 

私たち訪問介護職員がケアできるのは、ほんの短時間の間だけ。

 

お一人で過ごす時間やご家族が介護する時間にも、できる限り安全に暮らしていただきたい。

 

そのためには、「食べる」ことが「命」に直結することだという認識がもっと広まってほしいと思います。

 

飲み込むことを失敗すれば、喉が詰まります。

 

喉が詰まれば呼吸もできず、窒息します。

 

どんな頑丈な人間でも、呼吸ができなければ生きていられません。

 

他の何を置いても「安全に呼吸ができること」を優先する必要があるはずです。

 

座って食べよう!

出来るだけ長く、出来るだけ快適な暮らしを続けてほしい。

 

そのためには普段から、出来るだけ正しい姿勢で、出来るだけ安全に食事をする習慣を身につける必要があると思います。

 

座れる方なら食卓や車椅子に座る。

ベッドで食べる場合は背上げ機能等を使って姿勢を保つ。

そして、認知機能の低下が見られるなら、テレビなどは消して食事に集中できるようにする。

 

食事の工夫は他にもいろいろあると思いますが、とにかく安全第一!

安全に穏やかに、今日も明日も、美味しく食べられることを願っています。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

 

『神戸|介護事業所のまいらいふ』

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