3月29日に亡くなったコメディアンの志村けんさんが、50代の時に書いた「志村流」という著書を書店で見つけ、買って読んでみました。そこには、志村さんの芸論をはじめ、プライベートや人生観などが綴られており、改めて「志村けん」という人物を見直す機会になったのです。
まずは、芸論の部分から見ていきたいと思います。志村けんといえば、「バカ殿さま」「変なおじさん」といった強烈かつ個性的ななキャラクターの人物を演じるコントが代名詞です。著書の中では、「素の志村、芸人の志村、キャラの志村の3人いる」と語っています。
芸人とキャラを使い分けているのが、志村さんの特徴と言えます。「キャラの志村」はどうすれば面白くなるのか、それを「芸人の志村」がコントの中で組み立てていく、そんな感じでしょうか。キャラを生かす場が「コント」であり、その準備は入念に行っていたそうです。
志村さんは「偉大なるマンネリはスタンダード」とも書いています。例えばバカ殿さまは同じキャラで、コントの背景はほぼ変わりません。それでも面白いというのは、実はスゴイことなのです。また、小さな子供からお年寄りまで、誰もが笑えるコントを意識してきたそうです。
志村さんの人物像について、(その2)に続きます。