モヤモヤしたこと | 児童養護施設で働いて思うこと

児童養護施設で働いて思うこと

元会社員で、転職し、児童養護施設と一時保護施設で働いていました。
そこで考えたこと、思ったこと、願ったこと、綴っています。

施設の子どもにも、

一時保護される子どもにも、

外国籍であったり、本人の籍は日本だけれど、両親は外国籍、両親が国籍が違うという子は一定数いる。

 

国籍は関係なく、同じように接して受け入れていたけれど、

事情を知ると、たまに、何とも言えない感情を感じることがあった。

違和感を感じるとき、とても自分が嫌な人間に思えて苦しかった。

 

 

 

 

全員外国籍の、ある家族。

父親は日本で仕事をし、家も買って一軒家に住んでいた。

父、母、子ども2人。4人暮らし。

ある日、父が国へ帰ると言い出した。

家族は大反対。子どもは日本で育ち、友達もいて、学校へ通いたいし、日本にいたかった。

父は強引だった。

家を売った。

子どもを退学させた。

生活品も処分した。

妻は怒って、夫婦は離婚。

父と子供2人。

さ、国へ帰るぞ、という時、父は突然気が変わって、国へ帰るのをやめた。

日本にいると言い出した。

自分の子どもは、母国語がうまくない。頭もいいわけではない。

良い学校へは進学できず、学歴が低くなるだろう。

国立大学へ行けない。そうなるとお金がかかる。

国へ帰るのはやめだ、やめだ。

 

といっても、もう、住むところがない。

子どもの学用品もない。

それで、一時保護からの施設入所。

父は格安の市営住宅にはいることができたが、

子供達は施設からの家庭復帰はしないまま。

父が子供に手をあげてしまうという理由だ。

そんな話、始めはなかった・・・。

 

子ども達は成長して高校に進学したので、学費は施設が払っている。

子ども達の衣食住、学用品や学費は施設が面倒をみて。

土日は親子交流ということで、家に泊まりに帰る。

 

振り回された子ども達には同情する。

最初はたくさん泣いていた。

 

でも、なんというか・・・・・・

こんなに家庭復帰の条件がそろっているのに施設にいる必要はあるだろうか。

土日のたびに家に帰って、欲しいもの買ってもらえて、高校生になって門限がなくなったら、許可なく学校帰りに家に行っていた。どれだけ話しても「わかりました」と言って、勝手にまた家に帰る。

なんのために施設にいるんだろう。

養育費とか、毎日の生活とか、大変な部分だけ施設にお世話になっているように見えてしまう。

2人が家庭復帰すれば、施設に空きができ、新しい子どもを2人受け入れることができるのだ。

本当に施設が必要な子供は他にいるように思えた。

 

 

色々考えだすと、もやもやしてしまう。

もともとは、子どもに罪はないとも思うけれど、

最後は「家に帰りたくない」と言って、家庭復帰を拒んでいた。

でも毎週末、時には黙って平日も、家に帰っていた。