『改めまして、私こういう者です』
と出された名刺には、何やら偉そうな“統括事業本部 部長”という肩書がありました。
『正直に話しますとね、ここが売れ残ってるんで僕が派遣されたんですよ。
何がなんでもここ、売りきらんとあかんのですわ』
はぁ…
『だから値段もだいぶ下げたんです。
なかなかないですよ、こんな価格で分譲マンションに住めるなんて。
今なら付いてるカーテンと照明も差し上げますわ』
え、いらない…
リビングに付いてたのは、エプロンか?ってくらい薄いカーテンと(しかも黄色)無地の味気の無いシーリングライトでした。
こんなやつ。
それでも渋る私に営業さんは。
『分かりました、あと30万引きましょう!
今なら出産にも間に合うし、上のお兄ちゃんの入学にも間に合うでしょ?ね、そうでしょ?!』
もう今しかないのかな…
夫は転職して間もないので、ローンが組めません。
なのでこの決断にも弱腰で、
『お前が決めたならいいよ』
と言っていて、もう半ばヤケクソで手付金の10万を振り込んでしまいました
…にしても、なんであのマンション売れ残ってたんだろう??
確かに内装はイマイチと言っても、あれだけ安かったら買い手はつきそうなもんです。
立地もいいし、学校も近い。
唯一難点なのは、接する道路が4mってことくらいでしょうか。
そこだけがモヤモヤしていたのですが、振り込んだ直後に営業さんからこんな話を聞いてしまいました。
1フロアに4室あるこのマンション。
私が申し込んだのは11階の角部屋だったのですが、なんとそこから上の3フロア12部屋のすべてを、アジア系外国人が買い占めたんだそうです。
偏見と思われるかもしれませんが…やはりいい気はしないです。
売れ残ってるのも、納得。
営業さんは
『大丈夫大丈夫、事務所で使うか人に貸すかだと思いますよ』
と言っていました。
なんとなく不特定多数の人が出入りするのは私は嫌だな…。
改めてマンションに行き、そーっとゴミステーションを見ると、あらゆる国の言葉で
“ルールを守ってゴミを出してください”と貼り紙があり、よく見るとエントランスのポストの横にあるゴミ箱もぐちゃぐちゃ、駐輪場も本来置く所じゃないところに自転車が突っ込まれたりしていました。
もちろんこれがすべて外国人がやったわけではないと思います。
日本人だって、こんな事よくするでしょうしね。
でも確かなのは、このマンションの住人は
モラルが欠けてる人がいるという事。
ここに一生住みたいか?と聞かれると、自信がなくなってきました…。
またここも頭を下げてキャンセルし、10万円は諦めました
結局そのマンション、完売までそこから2年くらいかかっていました




