都内に買った狭小、変形、傾斜の三拍子そろった悪条件の土地に、工藤建設の注文住宅を建てるブログです
前回、天井の高い家がうらやましいという話をしました。
写真は最大天井高2,700mmのローレルアイ恵比寿ピアース。
ブログを見ていても、天井の高さ2600~2700くらいの家はもはや珍しくないです。
ところで前回お話した通り、我が家の天井高は
地下1階:2316mm(玄関、水回り、納戸など)
1階:2424mm(リビング、ダイニング、キッチンなど)
2階:2300mm(寝室、子供部屋など)
と、特に地階と2階は標準より低くなっています。
本音を言えば天井を低くしなければいけなかったことは残念なポイントなのかもしれませんが、おかげで絶対的によかったことが一つあります。
それは、
天井が低いと階段がのぼりやすくなり、さらには階段室も省スペースになる、ということです。
具体的に説明する前に、一般的な住宅の階段は1段当たりどれくらいのサイズになっているのかをお話しておきます。
(敷島住宅 Reco. BLOG より)
階段はいちおう建築基準法でサイズが決められており
踏板(1段あたりの奥行):15cm以上
蹴上(1段あたりの高さ):23cm以下
という決まりになっています。しかし、現実的にこの最低限のレベルで階段を作ると、かなり急で危険なものになります。
(画像:cozy life より)
ですので現実的には、踏板は(設計のモジュールである)91cmあたり4段分の大きさ、つまり1段当たり22.75cmほど、蹴上は1フロア分2800mmを14段で上がる、つまり1段あたり20cmほど昇るような家が多いかなと思います。
これだとちょうどコーナーを入れて4マス(2畳分)に収まるので設計もしやすくなります。
ところで。
考えるまでもなく、天井が高くなればその分階段の段数を増やさなければいけません。
たとえば天井の高さを2m70cmにする(標準より+30cmにする)場合、1段当たりの高さを変えないなら2段くらい段数を増やさなければいけなくなります。つまり階段を45cmほど長く、その分だけ階段室を広くする必要が出てくるのです。
ただでさえ狭い土地にギリギリまで建てる狭小住宅では、階段にスペースを割くのは最小限にしたいと考えるのが自然でしょう。天井を高くすると階段に余計に場所をとられるというデメリットをあわせ持つことを忘れてはいけません。
逆に天井を低くすれば、段数を減らすか、一段あたりの高さを低くして上りやすい階段にすることができるのです。これは天井の低い家ならではのメリットです。
我が家は地階の天井が低いので、地階から1階に上る階段は13段と段数を減らしています。それでも蹴上は20cm弱くらいに抑えられています。
天井の高い1階から2階に上る階段は14段ありますが、そのかわり蹴上は19cmちょっとです。一般的な階段より低め、比較的上りやすい階段になっています。
天井の高さにこだわる人は多いかもしれませんが、天井の高さを変えると階段に影響が出ることは覚えておくといいかもしれません。特に狭小住宅ならなおさらです。そして家の図面を見るときには、この階段はどのくらいの蹴上、踏面なのか、どのくらいの広さの段を何段くらいで上るのかを確認しておくのがよいでしょう。