都内に買った狭小、変形、傾斜の三拍子そろった悪条件の土地に、工藤建設の注文住宅を建てるブログです

 

前回、床暖房オススメ!うちも導入したよ!っていう記事を書いたのですが、決して安いものではないですし、本当にいいものなのか心配、やっぱりデメリットが気になる、という方も多いと思います。

 

そこで自分でも調べてみたのですが、ネットの床暖房に関する記事って、デメリットについてかなり乱暴な書き方をしているような気がしたのです。

 

そこで、床暖房に関するデメリットについてまとめてみました。考察記事なので文章ばかりでしかも長いのですが、悪質なネット記事にダマされないよう、読者のみなさんにはぜひ客観的な視点で読んでもらいたいと思います。

 

【床暖房に関するネット記事】

① 床暖房は体に悪い?

② 床暖房はメンテナンスコストが高い?

③ 床暖房なんて、なくても寒くない?

④ 床暖房なんて、どうせ使わない?

⑤ 床暖房はお金がかかる?

① 床暖房は体に悪い?

床暖房は体に悪い、という記事を読んでみると、

・床暖房から電磁波が出る

・床暖房をつけるとフローリングからホルムアルデヒドが出る

というのです。この理論、どう思います??

 

まず、いま私がおすすめしている「温水式床暖房」は、床下に張り巡らせたパイプに、湯沸かし器で温めたお湯(といってもぬるま湯くらいの温度)を流して、床を温めるというものです。

・・・で、お湯しか流れていないのにどこから電磁波が出るんでしょうか??

 

次に、いま新築住宅などで用いられるフローリングなどの建材は、以前のものと比べかなり、ホルムアルデヒドなどのシックハウスの原因となる化学物質に関する基準が厳しくなっています。

(大坂や商店 F★★★★ってなに?? より)

 

ですから以前の建材とは比べ物にならないくらいホルムアルデヒドの放出は抑えられているはずです(例えば朝日ウッドテックのライブナチュラルは規制対象外のF★★★★)。

 

少なくなったとしても微量の放出はあるんじゃないかって?床暖房はそれを促進させるんじゃないかって?

 

しかし普通に考えれば、床暖房の熱(40~60度程度のお湯)で問題になるくらいホルムアルデヒドが放出されるなら、夏の日射の方がよほど放出量は多くなるのではないですか??

 

熱が問題になるならホットカーペットは大丈夫ですか?石油ストーブや暖炉などもっと高熱になる暖房器具もあると思いますがこれらは問題にならないんですか?

 

ちなみにホルムアルデヒドの基準はフローリングに限らず壁紙なども同じなので、「床暖房ホルムアルデヒド放出理論」が成立するなら、もう夏の日差しが差し込む壁はクロスを張らずにすべて漆喰などにしなければいけないと思います。

 

 

② 床暖房はメンテナンスコストが高い?

基本的にお湯を流す配管は30年ほどの耐用年数があり、メンテナンスフリーとされています。寒冷地の場合、お湯の代わりに不凍液を用いるので交換にお金がかかりますが、関東地方のレベルであれば不要でしょう。

 

お金がかかるポイントに、ガス湯沸かし器の寿命があります。湯沸かし器の標準使用期間は10年とされており、交換すると15万くらいの費用は発生します。しかし、床暖房を入れなくてもガスで給湯するのであれば湯沸かし器の交換はいずれにせよ必要になるはずです。

 

配管が破損するような事態が起これば確かに高額の費用が掛かりますが、凍結や工事による破損を除けば、そんな頻繁に生じるものではないと思います。それが気になるというなら、第1種換気のダクトやエアコンの隠ぺい配管なども採用できないのでは?と思います。

 

 

③ 床暖房なんてなくても寒くない?

これは無垢のフローリングによくある宣伝文句ですが、

「なくても寒くない」のと

「暖かい」のは違うのです。

床暖房はあると暖かいのです。クレヨンしんちゃんだって床暖房の魔力で動けなくなるくらい快適なのです。

 

無垢のフローリングでは床暖房を採用しにくい(床暖房と競合する)ためこのような言い回しになっているのだと思いますが、無垢のフローリングには別に多くの良さがあるわけなので、あえてこういう売り方をしなくてもいいのでは?と思います。

(アニメ クレヨンしんちゃん 2019年1月18日OAより)


④ 床暖房なんて、どうせ使わない?

どうせ使わないの根拠として出されていたのがこちらの資料です。

(スマイラボ 冬の暖房について のアンケート報告 より)

この500件程度のサイズのネット上のアンケートをもとに、床暖房なんて問題があるからどうせ使わないと言い切っているわけです。

 

理系の人間に言わせれば「正気ですか?」の一言です。

何の解析も根拠もなし!

 

まず、築年数10年以下の住宅では約8割近くの人が床暖房を使っているのです。この時点で、どうせ使わないというのは暴論です。

 

残りの2割の人が使わない理由について考えると

  • 後述するようなコストの問題(ガス代が高くなった、とか)
  • 全館空調など床暖がなくても家が十分暖かかった(床暖の追加はオーバースペックだった)
  • 家を空けている時間が長く日中電源を落とすため、帰宅後すぐに部屋が温まらない床暖がライフスタイルに合わなかった

などがパッと思い浮かびました。この仮説で言えば、自分の家のスペックやライフスタイルにより床暖を導入するかどうかを考えればいいだけの話です。

 

そして築20年以降の家で急激に使わない派が多数になるのは

  • 古い家は低断熱・低気密であることが多く床暖程度では暖かさを実感できないから
  • 耐用年数を超え給湯などの交換が必要になったが、コスト面で見合わないと考えたから

などの理由があるのかもしれません。しかし、それにもかかわらず築30年以上の家の方が半数近く床暖を使い続けているのは、やはり一度使ったら使い続けたいと考える床暖の根強いファンが多いからなんだと思います。

 

 

⑤ 床暖房はお金がかかる

これは本当だと思います。

導入にもお金がかかりますし、ガス代もかかります。

 

我が家はリビング、ダイニング、キッチンの計3か所に導入し、湯沸かし器と合わせてですが67万円の見積もりでした。全部屋にエアコンを導入できるくらいの金額がかかりました。

 

そして冬場にきちんと毎日使えば、さらにガス代がおそらく月1~2万円かかります。ヒートポンプ方式のエアコンと比較すれば、温めるのにかかるコストがやや割高ということは間違いありません。

 

 

読者のみなさんはどう思いましたか?もちろん、僕が個人的にまとめただけなのですべてが真実かどうかはわかりません。しかし、ネットの記事がさほど根拠に基づくものでないことは伝わったのではないかと思います。

 

 

個人的な感想としては、

床暖房には、お金以外には言うほどのデメリットはなく、

快適さに対してどれだけお金をかけてもいいと思えるか?

という話なんだと思っています。

 

あとは、無垢のフローリングの方が好みかとか、熱に弱い電化製品や楽器が多いかとかですかね・・・趣味や嗜好に勝るほどの設備ではないとは思います・・・

 

高額なオプションなので採用したい、したくないというのは人それぞれかと思いますが、業者さんはウソ、大げさ、まぎらわしい床暖のディスリはやめてほしいなと思います。