都内に買った狭小、変形、傾斜の三拍子そろった悪条件の土地に、工藤建設の注文住宅を建てるブログです

 

家まわりの配管の位置を決める、という、なかなかマニアックな話題の続きです。


建売の場合はもちろん、注文住宅でも雨どいやエアコンの室外機の位置を細かく指定する方はあまりいないんじゃないか?とも思います。


実際、普通の家、特に住宅が密集する地域の狭小住宅では、これらの場所は気にしなくてもそれほど問題にならないことが多いです。

それは、狭小住宅では周囲を家に囲まれていることが多いため、隣の家との距離がさほど離れていなければ、道路に面する側以外(例えば上の図の☆の面)に配管が来ても外からはほとんど見えないからです。

 

問題となるのは、角地だったり、我が家のように道路に囲まれるような土地の場合です。


すべての道路側から家の外壁が丸見えになってしまうため、例えば上の図のような家で配管を隠そうとすると、☆のついている側にすべての雨どいや配管を配置しなければいけなくなります。

 

 

しかし一面にすべての設備を集められるかというと、現実にはそう簡単にはいきません。

 

まず、「屋根一枚に雨どい1か所以上」という原則があります。

例えば、上の簡単な切妻屋根の家ですと、屋根は2枚、とカウントするので、最低でも2か所の雨どいを付けることになります。場所もそれぞれの屋根の一番低くなるところに付けなければいけません。

 

真四角の家でなければ、何枚か向きの違う屋根が組み合わされていることがほとんどなので、異なる方向に複数個所の雨どいが必要になり、一面に雨どいを集めることが難しくなる、というわけです。

 

さらに外壁には、雨どい以外にもエアコンの室外機や換気扇、トイレの排水管など、設置しなければいけないものも多いのです。セントラル空調隠蔽配管を採用しない限りは、部屋の数と同じくらいの設備を必要とします。

 

そう、特に角地や接道面が広い土地の家では、すべての配管、室外機を見えない場所に配置しようとするのはかなり無理がある話なのです。

 

 

ちなみに我が家の場合は・・・

 

屋上、それと北側にフラットルーフ(平坦な屋根)があり、東側と南側に片流れ屋根(矢印の方に向かって低くなる)があります。屋根1枚に雨どい1つとすれば、最低でも4か所は雨どいを作らなければいけません。

 

我が家の土地は西、北西、北東に道路が走り、東側は傾斜により低くなる側(つまり、道から建物が見えやすい側)となります。一方、すぐ南側には家が建っており、こちら側はさほど見栄えを気にする必要がありません。

ということで、南、東側の片流れ屋根の雨どいは素直に南側に流しました(上図③④)。雨どいに近接してエアコンの配管も走らせ、図の赤枠内に室外機を設置することにしました。

 

しかし、北西側にあるフラットルーフや屋上の排水は、どうしても南側まで持っていくことができません。そこでやむなく・・・

 

図中①:フラットルーフの雨どい(竪樋)はバルコニーの角(入隅)を通して、室外機はバルコニー柵に隠れる位置に設置する

 

図中②:西側の配管は冷蔵庫を置くために奥行を増やした部分の角に隠れるように配置する

 

これで、メインの通路となる北東、北西の道路からできる限り配管を目立たせないようにしました。

 

 

・・・いや、そうはいっても完全には隠しきれていませんし、2階ウォークインクローゼットの吸気口などはもはやどこにも逃がしようがなく、完全に見える部分の壁面をフラットにはできませんでした。デザインにこだわるの家づくりはなかなか難しいのだと実感します。