洋楽の歌い方 講座編その3 ~「イット」か「イッ」か~
例題1の3番の答えあわせに入る前に、少し補足的な内容について話したいと思います。
「it」という単語があります。これをなんと読むかですが、カタカナ読みでは「イット」となります。
しかし実際には、これの「ト」の音をそこまではっきり読まず、「イッ」という感じで読みます。では「t」はどこへ行ったのかということになるわけですが、実は「t」はほとんど読みませんが口の中では「t」が発音できる状態になっています。つまり、「イッ」と読んだあと次の「t」を発音できる状態にあるんだけど、最初の「i」を発音するために大半のエネルギーを使ったために、「t」はほとんど読まない。読んだとしても「ト」と言いかけてやめた程度の息漏れのような音になるわけです。
こういう現象は「out」にも見られます。「アウト」じゃなくて「アゥ」という感じになって、「o」を読むためにほとんどのエネルギーを費やしたため、「t」は口では読む準備をしているけれどエネルギー切れ、と言った感じです。
単語一文字だとそうなのですが、ここに「音のつながり」を作る文字が来ると、話が変わってきます。
例えば「It is」。音のつながりによって「イティイズ」と発音されます。「it」だけなら「t」は発射準備Ok.だけど燃料切れ、と言う感じだったのですが、「is」がくることによって、「t」の音を出せる状態から「is」を読まなければならないため、必然的に「t」も読まれ、「ティ」となります。
英語で音を出さないとき、口では読める形はしているけど読まないことがありますので覚えておいてください。