用語解説 ~ライヴ・エイド~ | INTERNATIONAL MUSIC FOR BIGINNER~初めての洋楽~

用語解説 ~ライヴ・エイド~

今年の7月にスコットランドで開かれるG8サミットにあわせ、てミュージシャンたちがアフリカの飢餓救済を各国首脳陣に訴えるチャリティーコンサート「ライヴ・8」が開催されます。妙な名前は「G8サミット」にちなんだものですが、これは初めての試みではなく、実は2回目です。始めて行われたのは1985年に「ライヴ・エイド」と名づけられた、「アフリカ難民救済」を目的としたチャリティーコンサートでした。今日はその歴史に残る一大イベントの「ライヴ・エイド」について見ていきましょう。


ライブエイドは

●ボブ・ゲルドフ(ブームタウン・ラッツ)が中心となり、当時のイギリスのミュージック・シーンのトップ・アーティストを集結させ、飢餓で苦しむエチオピアへのチャリティ・シングル「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」をバンド・エイド名義でリリースしたのが1984年12月のことでした。瞬く間に全英チャートで首位を獲得、英国でのシングル・セールスの記録を樹立すると共に、世界各地でも大反響を呼び起こしました。
●ブリティッシュ勢のバンド・エイドに続き、アメリカではライオネル・リッチーとマイケル・ジャクソンが作曲した「ウィ・アー・ザ・ワールド」がUSA for AFRICA名義で1985年3月にリリースされました。(USA=United Support of Artists) 当時全米ヒット・チャートを賑わせていたアーティストからベテラン・大御所を含め46人が参加したこの曲も発表直後から大反響を呼び、ヒット・チャートの首位を独走しました。この曲もアフリカやアメリカでの貧困に苦しむ人々へのチャリティを目的としたものです。
●この2つの代表的なチャリティ・プロジェクトの反響を受けて1985年7月に開催されたのが、『ライヴ・エイド』でした。全世界で15億人もがテレビ中継を見たというこのコンサートはロンドンのウェンブリー・アリーナで開幕、追ってフィラデルフィアのJFKスタジアムのステージもスタートしました。両会場は衛生中継でリンクされており、英国側と米国側でやりとりをしながら、ステージは進行していきました。一足先にフィナーレを迎えたロンドンでは「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」で、フィラデルフィアの方では「ウィ・アー・ザ・ワールド」で締めくくられるまで、両会場ともにジャンルを超えたトップ・スターたちが勢揃いし熱いパフォーマンスが繰りひろげられました。特に、当時「世界一多忙なアーティスト」との称号を得ていたフィル・コリンズは、コンコルド移動により大西洋をひとっ飛び。両方の会場でパフォーマンスを行っています。この公演を通じ、壊滅的な飢饉で苦しむアフリカに1億4000万ドル以上の基金が届けられました。



補足 今年ライヴ・エイド20周年を記念し、バンド・エイドの21世紀版といえる「バンド・エイド20」を結成し、     

    「Do they know it's Christmas?」を発売しました。(昔のものと比べて少しアレンジされています)

    「彼らは今日がクリスマスだと知っているのだろうか?」というタイトルのこの歌は今やクリスマスソン

    グの定番となっています。         



アーティスト: バンド・エイド20
タイトル: ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?

明日は、ライヴ・エイドについてもう少し詳しく見ていきます。