俺は常に覚せい剤を打ち続けていた。

シャブの世界にどっぷり浸かる前、誰かが言っていたセリフを思い出す。

 

シャブなんかいつでもやめられる。

シャブなんかより、よっぽどタバコのほうが依存が強い。

 

常に覚せい剤を打ち続け、一定量を超えると頭の中はシャブを打つこと以外考えられなくなる。

常に打ち続ける。永遠に打ち続ける。

 

いつ寝ていたのか、いつ飯を食っていたのかもよく覚えていない。

 

 

シャブが切れてくると、覚せい剤を腕に注射すること以外考えられなくなる。

 

どんどん量が増え、血管にシャブを打ち終えるとやっと他のことができる。

 

 

タバコのほうが依存が強い?

 

考えられないセリフだった。

 

 

行くところまで行くとシャブを打つのを止めることなど不可能に思えた。

 

それはタバコの比ではなかった。

 

 

鳴りやまない幻聴

 

 

もうその頃には幻聴が心の拠り所にもなっていた。

 

俺は常に孤独だった。

 

 

その頃には現実の世界と妄想の世界の区別がつかなくなっていた。

 

出口が見えない迷路の中でもがいていた。

 

 

シャブをやめることなど想像することもできない。

 

自分を止めることなんてできやしない。

 

 

そして麻取りによって窓ガラスが割られた。