前回のドラマで、「法定後見人」という言葉と
「成年後見人」という言葉が出て来ましたね

初めて聞く(見る)方も多いと思うので、簡単に
説明しましょう。

まず、成年後見制度というのは、成人で判断能力が
低下していると判断された方々を守るために行われ
ています。

たとえば、認知症で判断能力が低くなっている高齢者が、
詐欺にあって、老後の資金や年金を騙し取られたり、
高額な羽根布団や不必要な家電製品等を売りつけ
られたりする被害が多くあります。

そんな時、「後見人等」を定めておくと、本人の行った
契約を解除できたり、財産の管理を任せることが出来たり
する制度です

特に、遺産分割協議など、本人の意思表示をしっかりしないと
いけない場面では、判断能力に欠ける人の場合は、本人に
代わって、本人が不利にならないようにしっかりと判断してくれる
人が必要となります

そこで、弁護士から「法定後見人を立てないと遺産分割協議
ができませんよ」と言われたわけです。

では、法定後見人と成年後見人とは、どう違うのかというと、
成年後見人には、「任意後見人」と「法定後見人」があります。

任意後見人は、本人がまだ判断能力のあるうちに、「自分の
後見人はこの人に頼みます」と指定して、公正証書を作成して
登記する制度です

ただ、今回の場合は、すでにお母さんの判断能力が低下して
いるので、お母さん自身が決めることはできません

その場合は、親族の申し立てで家庭裁判所に決めてもらう
ことになります。これが「法定後見人」です。

成年後見制度については、詳しく話しだすとキリがないので、
興味のある方は、ご自分で調べてみて下さいね

今回のドラマの場合、これから法定後見人を申し立てて、
決めてもらうということですが、まず申し立てをするまでに、
様々な書類を準備しなければなりません

その上で、申し立てをしてから、実際に法定後見人が
決まるまでには、おおよそ3ヶ月ぐらいはかかります

ですから、遺産分割協議に入るのは、4ヶ月ぐらい
後になってしまう可能性があります。

これを防ぐには、あらかじめ法定後見人を立てておく
方法もありますが、もう一つ、遺言を書いておくことも
有効です

なぜ、遺言を書いておくと良いのかという詳しいお話は、
また次にゆっくりすることにしましょう