先日、全国を転勤して回る職業の方と
お話する機会がありました

その方は、福島県のご出身で、今回の転勤で
岡崎にいらっしゃいました。

「いやあ~岡崎でよかったですよ」とおっしゃるので
理由を聞いてみました。

「以前、鹿児島市に転勤した時は本当に大変でした
とお話が始まりました。

「営業に行く先々で、福島県の出身だと言うと皆さんに
言われるんですよ。」

私は何を言われるのか興味津津です。

「鹿児島の人間を恨んでいるでしょう

ここまでの話でピンと来た人は、なかなかの歴史マニア
です。

「葵の御紋の所に転勤できて、ホッとしましたよ

さあ、皆さんわかりましたか

では、ここから解説です。試験に出ますからよ~く
覚えておくように

現在放映中のNHK大河ドラマ「八重の桜」でも
御存知の通り、福島県の会津藩は最後まで
明治政府に抵抗しました。

会津藩の殿様は、代々松平氏、つまり徳川家の
血縁関係のお殿様なのです。

ですから、徳川幕府への忠誠心がとても強くて、
「白虎隊」で有名な戊辰戦争では、新政府軍と
死闘を繰り広げたのです

そして、その戦った相手の新政府軍は、鹿児島の
島津藩や山口県の長州藩、高知県の土佐藩等
でした。

ですから、いまだに島津藩の皆さんは、会津藩の
末裔は恨みに思っていると信じているらしいのです

と言っても、明治になったのは1869年、今からもう
140年近く前のお話ですよ

それでも、営業に行くと必ず言われたそうで、
普通に「人と人」との信頼関係を築くまでに、
他の地域よりもずっと時間がかかったそうです。

1年ぐらいしてやっと、心を開いてくれるように
なるのだそうです。

それと比べれば、「岡崎」は、徳川家康公生誕の地。
言ってみれば「葵の御紋」の本拠地ですから、とっても
気が楽なんだそうです

平成の世になっても、明治維新の頃の話が息づいて
いるなんて、何だかとっても面白いなあと思いました

岡崎生まれ、岡崎育ちの私はそういう経験をしたことが
ありません。

遠くの大学や就職先に行った人や、転勤の多い方は、
私の知らない様々な経験をなさっているのだろうなあと、
ちょっぴりうらやましく思いました