さて、前回は公正証書遺言のメリットについて
お話しました。

そこで、今回はデメリットについてお話しましょう

まずは、何と言っても費用がかかることです。

自筆証書遺言の時は、費用がかからないことが
メリットの一つでしたよね。

じゃあ、いくらぐらいかかるのかというお話ですが、
これは一言では説明しにくいのです。

「どんな内容の遺言を書きたいか」
によって、費用が異なるからです

また、費用にも2種類あります。

一つは、「公証人手数料」と言って、公証役場の
公証人さんに支払う費用です。

これは、全国一律で決っているので、どこの公証役場
で作成しても同じ金額です。

一覧表も「公証役場」等で検索すれば出てくると
思います

ただ、表を見ただけではわかりにくいので、公証役場か
専門家に相談したほうが良いと思いますよ

もう一つは、その「専門家の報酬」です。

公正証書遺言は、別に専門家の助けを借りなくても
公証役場にいけば自分で作成することはできます。

ただ、何度も公証役場に出かけたり、専門用語の多い
書類を集めたりするのが大変ですから、専門家を頼む
人が多いです。

で、この「報酬」は、自由市場ですから、頼まれる専門家に
よって金額が異なります

ですから、車を買う時のように見積書を取るのが
良いと思いますよ

次なるデメリットは、証人2人に遺言内容を知られると
いうことです。

公正証書遺言の作成には、2人の証人の立会いが
必要ですってお話しましたよね。

この証人のお陰で、「遺言能力」が保証される
わけですが、逆に言うとこの2人の前で遺言の全文を
読み上げますから、中身がわかってしまいます

ですから、「一人でこっそり秘密にしたい」という事は
出来ません。

3つ目のデメリットは、公証役場に行かないと作成
出来ないことです

でも、これについては、公証人さんが出張していただ
けるので、相談してみてくださいね。ただし、費用は
別にかかります。

とまあ、こんなふうにデメリットもありますが、私自身は
公正証書遺言をお勧めします

本来「遺された家族がもめないように」と書かれるはずの
遺言が、かえってもめ事の火種になっては意味がありません。

その点では、遺言能力や、本人の意思の堅固さをしっかり
保証できる「公正証書遺言」が良いでしょう。

さらに、遺されたご家族も、家庭裁判所に行ったり、戸籍書類
を集めたりなどの煩わしさを味あわずに済みますから、本当に
助かりますよね

ただ、費用が万単位でかかりますから、じっくり検討して下さい

では、次回からは、プロから見た「遺言でもめそうなケース」
を解説して行きましょう。