前に、内縁の妻には相続権がありません、という
お話をしました。

では、絶対にもらえないのかというと、そうでは
ありません。極々特殊なケースの場合は、
貰える可能性があります

皆さんは、全く相続人の存在しない人の財産は、
最終的にはお国が貰うということを御存知ですか

そうなんです。お国が持って行ってしまうんですよ

ただ、これには様々な手続きが必要です。

まず、お亡くなりになった方の相続人が見当たらない場合、
家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。普通は、
弁護士さんがなるようです。

管理人になった弁護士さんは、お亡くなりになった方に
金銭上の貸借があった方をまず探して、精算をします

次に、本当に相続人がいないのかを調べます。

そして、最後の最後に「特別縁故者」というのを調べます。
この「特別縁故者」に内縁の妻がなれる可能性があります

「特別縁故者」というのは、相続人である必要もなければ、
血縁関係がある必要もありません。

生前、亡くなった方のお世話を献身的にしていた方や、
経済的に援助していた方があたります

例えば、お隣に住んでいた親切なご夫婦とか、遠縁の親戚
が、ちょくちょく世話に来ていたとかです。

これに、内縁の妻も該当する可能性があるのです。ただし、
絶対とは言い切れません

なぜなら、家庭裁判所が判断するからです。それに、この
「特別縁故者」の申し立ての時期になるまでに、お亡くなりに
なってからおおよそ半年ほどかかるようです。

あなたの彼が、身寄りも誰もいなくて、半年以上待って、
「特別縁故者」を申し立てて、家庭裁判所が認めてくれたら、
あなたは、彼の財産を貰うことが出来るかもしれない。

内縁の妻というのは、これほど相続に関しては、非情な
立場に立たされるということを、覚悟しておいてください

そして、その危うい立場を救う唯一の方法は「遺言」です

人の「死」は、いつ訪れるか誰にもわかりません。
早めに準備なさることをお勧めします。

前にもお話したかもしれませんが、「遺言」は気が変わったら
いつでも書き直すことができます

「まだ、いいや」「今じゃなくても」

その前に、今、あなたの大切な人を本当に守ることを、
真剣に考えてみてください