最近、入籍をせずに同棲しているカップルが
多いとテレビで報じていました。

結婚は、両性の合意のみで成立するもので
ありますから、二人がそれで良ければ、
他人が口出しすることでもありません。

ただ、日本の法律は、戸籍中心で全て
考えられています。

入籍しないことは、メリットもありデメリットも
あるということを、きちんと二人で話し合った上で
決めて欲しいと思います。

未入籍のカップルが、日常生活上で受けるデメリット
には、次のようなものがまず、考えられます。

扶養家族に入れられないので、税制的には
扶養控除が受けられませんし、給料の面では
扶養手当がもらえません。

でも、まあ、二人共働いていて、それなりに収入が
あれば、いちいち職場に報告する煩わしさのほうが、
大きいかもしれません。

では、一番のデメリットは何かと考えた時、
それは相続ではないかと私は思います。

「内縁の妻または夫」なんて言うと、昭和のにおいが
すると言われそうですが、事実婚の場合、妻または
夫には、相続権は全くありません。

例えば、あなたの彼がマンションを所有していて、
あなたはそのマンションに同居していたとしましょう。

もし、急に彼が亡くなった場合、あなたはそのマンションでの
生活を継続できない可能性が高いです

マンションの所有権は、遺産相続の対象になり、あなたには
一切の権利はありません。

もし万一、彼の相続人(例えばご両親や兄弟姉妹)が、
あなたにすぐに出ていくよう迫ったとしたら、あなたは
どうしますか?

彼の相続人が、善意の人で、しばらくは住んで良いよと
言ってくれたとしても、マンションがあなたのものになる
訳ではありません。

「内縁関係には、相続権は無い」
この事実をしっかり胸に刻んでおいてください。

10年暮らそうが20年一緒にいようが同じです。

そして、万が一、彼に別れていない(離婚していない)
妻がいたり、前妻との間に子供がいたらどうなるでしょうか。

もちろん、どれだけ別居期間が長くても、戸籍上の妻に
勝る相続人はいません

例え離婚していても、子供がいれば、実の子に勝る
相続人はいません

あなたは、彼との思い出の詰まったマンションを追い出され、
生活の基盤をすべて失う可能性があります。

それでは、いったいどうすれば良いのか

その話は、またゆっくり、お話しましょう。