日本を、取り戻す。J-ファイル2012(Ⅴ) | 宮川典子オフィシャルブログ「きょうの典気」Powered by Ameba

日本を、取り戻す。J-ファイル2012(Ⅴ)

 
「日本再起動!」宮川典子です。

この3連休、後半は晴天に恵まれて関東B-1グランプリが盛況の
山梨でした。

日本再起動!宮川典子

 
21日、自由民主党の政権公約「J-ファイル2012」が発表されました。
2009年の政権交代を経て、3年と4か月。
政治の役割は何なのか、そして政策は誰のために、何のためにあるのか。
私たち自由民主党は真摯に皆様の声に耳を傾け、そして反省し、このたびの
公約に日本の「あるべき姿」を掲げました。

「日本を、取り戻す。」

J-ファイル2012には、私たち自由民主党の決意と覚悟が込められています。

山梨県第一選挙区支部長としても皆様と共有したく、全12章を順次転載します。
今回はその5「社会保障・財政」です。

日本を、取り戻す。


J - ファイル2012
 Ⅰ.復興と防災
 Ⅱ.経済成長
 Ⅲ.教育・人材育成、科学技術、文化・スポーツ
 Ⅳ.外交・安全保障
 Ⅴ.社会保障・財政
 Ⅵ.消費者、生活安全、法務
 Ⅶ.エネルギー
 Ⅷ.環境
 Ⅸ.地方の重視・地域の再生
 Ⅹ.農林水産業
 Ⅺ.政治・行政・党改革
 Ⅻ.憲法・国のかたち


Ⅴ.社会保障・財政

社会保障は、経済を成長させ雇用を確保する中で、納税し、社会保険料を負担する者があってはじめて成り立つものです。
わが党は、「自助」、「自立」を第一に、「共助」、「公助」を組み合わせ、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度を目指します。
消費税は、全額、社会保障に使います。


1.社会保障制度

134 妊娠から子育てまで切れ目のない家族支援

・特定不妊治療に要する費用の助成の充実
・妊婦健診費用の公費負担の継続、出産一時金の充実
・妊娠中から出産・子育てを通して利用できる公的な相談窓口の整備
・居住地域で出産できるよう産科医療機関の開業を支援し、周産期医療ネットワークを整備・充実するなど出産環境の整備
・産後ママ検診など産後の母親に対するケア体制の整備拡充や、新生児から3歳まで発達段階に応じた訪問育児支援の充実
・3歳から小学校就学までの国公私立すべての保育料・幼稚園費の無償化に向けた施策の推進
・病児・病後児保育や一時預かり保育、地域子育支援センター・ファミリーサポートセンターなどの保育メニューが利用したい時に利用できる体制整備への支援
・感染症の拡大防止システム構築や小児医療の充実など乳幼児の命を守る仕組みの構築
・5歳児検診の実施など、乳幼児健診を充実し、発達障害などを早期に発見できる体制の整備
・子どもの医療費無料化を検討
・小学校給食の無償化など小・中学生の子どものいる家庭への支援への推進
・放課後子ども教室を活かした補習支援への推進

など上記の子育て支援サービスの一部については、自民党が修正した「子ども・子育て支援法」を更に一歩進め、各自治体において、地域の実情に合わせ、親・保育関係者・地域住民・行政の協議に基づき事業が実施できるようにします。そのため子育て交付金創設などを検討します。
その他にも、

・パパママ教室を充実し、出産前に命の大切さや成長発達を学ぶ機会の提供
・父親の産休・育休取得のための環境整備(8819運動)をはじめ、父母ともに育休をとりやすい、育休をとることが不利にならない環境の整備などでゼロ歳児
に親が寄り添って育てることができる社会の推進・母子家庭及び父子家庭が子育てと就業の両立ができるよう環境整備の充実
・祖父母などの子育て経験者が子育て家族を支える制度の整備
・多世代同居の促進
・仕事と生活の調和(ワークライフバランス)の推進

などにより子育て環境の整備を図ります。
また、保育に関しては、児童福祉としての現行保育制度の改善・拡充を思いきってすすめることにより、子どもの健やかな成長と安心・安全な保育を保障するとともに、子育て家庭の支援を積極的かつ大胆に行います。
さらに、保育を必要とする全ての子どもたちが質の高い保育を受けられるよう、

・保育所施設基準の維持・改善、保育士配置基準の改善、保育士等の処遇改善及び人員の確保や保育士等の研修時間を確保する仕組みとキャリアアップ制度の創設
・待機児童の解消と、質の高い保育施設整備の同時推進
・地方における保育所の定員割れ対策
・親の働き方等の如何によらず、子どもの生活及び教育の観点からの適切な保育時間の確保

などの実現を図ります。
また、民間保育所運営費については、児童福祉法第24条に基づき市町村の保育の実施義務を堅持するとともに、国庫補助を守ります。
・放課後児童クラブについて、既設の小学校施設の活用などにより全ての小学校区での設置と全学年での利用促進、その規模の適正化や指導員の増員・処遇改善などによる質の確保、「公的責任」や「最低基準」などの法的根拠の明確化などにより、公的支援の充実を図ります。
「子ども手当」に関しては平成24年度より廃止し、「児童手当」を復活させ、その内容を拡充しました。
所得制限を設けることで、子育て支援がより必要な世帯へ重点配分されるとともに、「子どもは社会が育てる」との民主党の誤った政策を撤回させ、第一義的には子どもは家庭が育て、足らざる部分を社会が支援するというわが党の主張が実現しました。社会の基本は「自助」にあり、家族の助け合いの役割も正しく評価されなければならないとの観点から、児童手当との関係を整理した上で年少扶養控除を復活します。


135 児童虐待の早期発見のため、地域や社会による取り組みを加速化

児童虐待専門のホットラインを設け、適切な担当者を確保することを義務付けるとともに、要保護児童対策地域協議会が有効に機能するよう、医療機関や警察が連携して取り組む仕組みを作ります。また、子どもたちを取り巻く医療職を対象に、早期発見のための研修を実施するほか、児童虐待の実態をより正確に把握し、解決に向けて必要な法整備を積極的に進めます。さらに子どもの虐待を防ぐための啓蒙活動を、積極的に展開します。


136 虐待された子どもたちに笑顔を

児童養護施設等で育った子どもたちの自立を可能にするために、18歳以降の就業や生活支援の制度を充実させるとともに、子どもたちが家庭的な雰囲気の中で生活し、多世代間の交流や地域交流ができるよう児童相談所や児童養護施設などの機能を拡充し、必要な法整備を進めます。また、グループホームや里親制度を推進するなど、虐待した親や虐待された子どもたちが再び笑顔を取り戻せるよう支援策を拡充します。


137 若者も高齢者も安心できる年金制度の確立

年金保険料率の上昇を抑制するため、消費税を中心に所要の財源を確保した上で、基礎年金国庫負担割合を二分の一へ恒久的に引き上げます。
無年金者対策として、年金の受給資格要件の期間を25年から10年に短縮するとともに、低年金者対策として、年金制度とは別途に、福祉的給付などの対策を実施します。
高齢者の方々の働く力や意欲を生かせるように、働き方等人生設計に合わせて年金の受給時期や受給額を弾力的に選択できるように、給与に応じて年金受給額が減少する現行の在職老齢年金制度をはじめ制度の見直しを行います。
パート等非正規雇用者への被用者保険(医療、介護を含む)の対象拡大については、今次の法改正において実現しましたが、今後とも雇用や経営に対する影響を踏まえつつ検討します。
年金記録問題の早急な解明と迅速な救済により、年金への信頼を取り戻します。
社会保障番号制度を早期に導入し、年金をはじめ社会保障サービスの信頼性と透明性、さらには効率性を向上させます。
今後の年金制度については、現行の年金制度を基本としつつ、社会保障制度改革推進法に則り、社会保障制度改革国民会議での審議結果を踏まえ、必要な見直しを行います。


138 国民が安心できる持続可能な医療の実現

国民が必要な時に質の高い医療が受けられるように、次の施策を実施し、地域において必要な医療を確保します。
・医師の科目別、地域別偏在を是正するとともに、必要な医学部定員の確保
・臨床研修医制度の見直し
・勤務医の処遇改善
・女性医師の働きやすい環境の整備
・有床診療所をはじめ診療所の機能の強化・充実
・地域の医療の必要性の調査などに基づく、診療科目ごとの診療所数や病床数、及び高度医療機器等の適正配置、医療機関の連携体制の充実
・総合診療医の育成とかかりつけ医の導入
・救急医療機関の機能充実
・かかりつけ薬局の充実・強化
・医療人材を活用したチーム医療の推進
・産業医と精神科医等との連携を含め地域産業保健センター事業の充実・強化 等

人間としての尊厳が守られ、人生の最終段階を穏やかに過ごせるように、終末期医療をはじめ医療のあり方を患者の意思がより尊重され得る方向で見直すとともに、看取りのための施設整備や在宅サービスの提供など、そのための環境を整備します。
予防医療総合プログラムの策定や、検診を定期的に受診した場合に医療費の自己負担を軽減するなどの誘導策の導入等により、健康の維持増進、疾病の予防及び早期発見等を積極的に促進するとともに、後発医薬品の使用拡大、二重診療(過剰投与)の抑制、さらには給食給付(医療上必要なものは除く)の原則自己負担化など保険給付の対象となる療養範囲の適正化を図り、保険料負担をはじめ国民負担の増大を抑制します。
国民健康保険の運営の安定化、保険者機能の強化を図るため、徴収事務の執行体制などを整理したうえで、運営単位を市町村単位から都道府単位に広域化します。また、官民格差を是正する観点からも、共済健康保険と協会けんぽの統合を進めるとともに、保険者機能を維持しつつ被用者保険の料率の平準化を図ります。
「現行の高額療養費の限度額は高い」との声に応え、誰でも安心して医療が受けられるように高額療養費の限度額を引き下げるとともに、社会保障番号の導入に合わせて医療と介護の総合合算制度を創設します。さらに、被用者保険の標準報酬月額の上限の引き上げ、市町村毎にばらばらで、また、同じ市町村内の資産だけに着目した資産割のように負担能力に応じているとは必ずしも言い難い国民健康保険の算定方式の見直しなどを目指します。
高齢者医療制度は現行制度を基本としつつ、消費税を中心に所要の財源確保を前提に長寿医療制度に対する公費負担の増加等、高齢者医療制度への支援の増大に伴う国民健康保険、協会けんぽ、組合健保などの保険料率の上昇を抑制するなどにより、国民皆保険制度を守ります。
患者の利益に適う最先端の医薬品、医療機器等が一日も早く使用できるように、現行の保険外併用療養費制度(評価療養)を積極的に活用し、保険収載されていない医薬品等をより使用され易くするとともに、審査手続きや体制の整備等を進め、海外で使用されている医薬品等が日本で使用できない状態の解消、さらには日本人により適した医療機器等の開発と迅速な導入を図ります。
サービスを利用する高齢者の立場に立って、年金、医療、介護などのサービスを自らの状況に応じて適宜組み合わせ、総合的に利用できるように検討します。
医療に対する消費税の課税のあり方については、医療機関、薬局の税負担の検証を行い、引き続き検討を行います。
地域医療の中核的な役割を担う公立病院は、全国に883ありますが、約5割が赤字決算となるなど、極めて厳しい経営状況にあります。過疎地や産科、小児科、救急部門における医療などを中心に、地域の民間医療体制の状況も踏まえつつ、公立病院の経営効率化等を進めるとともに、地方交付税などによる適切な財政支援を行い、経営健全化と地域医療の充実に努めます。
全国どこでも救急患者が医療機関に確実に受け入れられる救急医療体制づくりや夜間も含めて全国でドクター・ヘリコプターの運用が行えるよう、体制の整備を行い、救命率の向上を目指します。


139 がん対策の充実

がんや心疾患など、専門医療に対する国民のニーズに応えるために、地域が求める医療機能や施設・病院の整備(ブロックごとの地域がんセンター、リハビリセンターなど)を緊急かつ集中的に行います。
「がんによる死亡者数の減少」、「すべてのがん患者及び家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の向上」を目指し、がん検診の充実、医療機関の整備によるがん医療の均てん化、専門医の育成、粒子線治療への支援を含めた放射線療法及び化学療法の推進、治療の早期段階からの緩和ケアの推進、がんに関する相談支援及び情報提供体制の整備、がん登録の推進、がん研究、就労支援など患者・国民の立場に立って、がん対策を総合的かつ計画的に推進します。女性特有のがん対策として、子宮頸がん、乳がんの早期検診を促進するとともに、成年男子の前立腺がんの早期検診も促進します。


140 ワクチン施策の推進

わが国はワクチン後進国と言われており、ワクチンの一層の活用を図るため、ワクチンで防げる病気はワクチンで積極的に対応するとの方針の下、健康安全保障の観点に立って、ワクチンの研究開発の促進と供給体制の整備、充実等を図ります。併せて、現在、任意接種となっている子宮頸がん予防ワクチン、肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン、おたふくかぜワクチン、水痘ワクチンの定期接種化も含め感染症予防を促進するなど、新たなワクチン政策の確立と推進体制を構築します。
新たな脅威に備えて、新型インフルエンザ等対策特別措置法に則り、新型インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ等)が発生した場合、全ての行政機関・地方自治体・各企業・全国民が一体となった国民保護のための体制を整備します。


141 医療安全の確保に資する死因究明制度の検討

患者にとって安全・安心な医療の確保や不幸な事故の再発防止に資するために、医療事故による死亡を含む死因究明のための制度のあり方について検討を進めるとともに、死亡時画像診断システム整備事業の推進等、必要な財政支援についても検討します。


142 精神保健医療福祉の推進

精神疾患が医療計画における五疾患の一つとして位置づけられたことを踏まえ、国民の精神保健福祉医療に貢献するために、精神科医療の一層の推進と質の向上を推進します。
特に精神科救急医療、自殺、うつ病、身体合併症、児童思春期、認知症など精神科医療に対する新たな社会的ニーズの広がりと深刻化に対応して、精神科医療への適切な評価、精神科疾患に対する正しい知識の普及や早期発見・早期治療の促進を図るための啓発運動、児童や職場などにおけるメンタルヘルス教育、診断法・治療法等に関する研究の推進を支援します。
また、地域社会において障害があっても安定した生活を営むことのできる共生社会の実現を目指し、障害者の自立及び社会参加の支援等を促進します。
さらに、長期在院者対策として、地域生活をサポートするサービスの提供や受け皿の整備のため、地域での住居の確保や介護精神型老人保健施設等により精神科病床の適切な機能分化等による精神科医療福祉の効率化と質の向上を図るために努力します。


143 認知症対策の推進

認知症対策としては、認知症の早期診断、鑑別診断とともに、身体合併症、精神症状と問題行動、認知症終末期医療などあらゆる病態に機能分化して対応可能な適切な精神科医療を充実し、地域での生活を継続するための地域ケアと施設ケアを統合した医療介護総合モデルの体制の確立を目指します。また、かかりつけ医が中心となり、他職種と連携して高齢者や家族の相談等に応じる体制の整備を検討します。


144 看護職の処遇改善の推進

看護職の不足対策を推進し、看護職が働き続けられるよう労働環境を充実し、処遇を改善します。在宅医療・介護の充実の必要性を鑑み、介護保険施設や訪問看護に従事する看護職を確保し処遇を改善します。また、看護職(助産師・保健師含む)の更なる能力の向上、役割の拡大を支援するとともに、その専門能力を保健医療現場でより活用できる環境を整備します。看護職の養成所等に対する支援を推進し、看護職を志す人を支援します。


145 国民歯科医療の充実・発展

国民の生涯を通じた切れ目のない歯科口腔保健や歯科医療を推進し、生活の基盤となる「食」を支えます。
特定健診(メタボリック・シンドローム対策)に歯科健診を導入し、8020運動を促進します。
労働者の一般健診に歯科健診を導入し、産業歯科医の役割を明確化することを目指します。
また、要支援・要介護者を含めた高齢者に対する在宅歯科医療を充実させます。


146 B型・C型肝炎対策の推進

B型・C型肝炎対策は各々の和解に則り、更に完全解決に向け努力します。また、肝炎全体への一般対策の充実を図ります。


147 ヒトT細胞白血病ウイルス・難病・結核・腎疾患対策の推進

ヒトT細胞白血病ウイルスについて、全国一律の妊婦健診での抗体検査実施により母子感染を予防します。難病の診断・治療方法の研究開発を進めるための難病研究拡充等、難病対策を充実します。成人T細胞白血病、HAMの感染者・患者に対する診療体制の整備等とともに、難病の方々の医療費負担を軽減するため、助成の対象疾患を増やすよう努めます。難病患者の方々や家族の方々のご負担を軽減するために、治療法の早期確立・普及を図るとともに、相談支援や療育環境の整備、就労支援等に努めます。
結核は年間約2万3千人の新規患者が発生するなど、依然としてわが国の主要な感染症であり、確実な治療の実施等、総合的な結核対策を推進します。腎臓病、糖尿病性腎症の予防対策と腎不全・透析治療に移行しないための啓発活動を促進し、腎臓病の原因究明の研究を推進します。また、透析患者が安心して治療を受け生活できる環境及び体制の整備に努めます。
糖尿病等の生活習慣病対策、慢性閉塞性肺疾患(COPD)診療、リウマチ・アレルギー疾患対策及び、慢性腎臓病(CKD)研究事業を推進します。


148 薬局・医療機関の薬剤師の機能、役割の拡充と積極的活用

国民医療の向上とセルフメディケーション(自己健康管理)普及のため、医薬分業の一層の推進と地域の薬局(全国に約54,000軒)・薬剤師の積極的活用を図ります。医薬安全対策強化の一環としてチーム医療における薬剤師の業務の拡充と医療機関における薬剤師配置を推進します。 薬剤師の卒後研修の制度化を検討します。更に安全優先の観点から医薬品のネット販売の安易な規制緩和は行わず、スイッチOTCの推進など、一般用医薬品の拡充を図ります。


149 薬物の乱用防止の総合的推進

薬物乱用防止については、薬物の種類ごとの取り締まり法規や複数の規制当局による対応がなされていますが、啓発、取り締まり、薬物依存者の治療・社会復帰の支援など薬物乱用防止対策を総合的かつ有機的に推進し、乱用防止対策を一層効果的に実施できるよう、総合法規としての基本法の策定を図ります。また、いわゆる脱法ハーブの使用による健康被害が増加していることに鑑み、指定薬物の包括的指定、麻薬取締官(員)への取り締まり権限の付与などを検討し、所要の制度改正を行うことにより、薬物乱用のない健全な社会を構築します。


150 製薬産業に係る成長戦略推進と国民医療、健康への貢献施策の展開

製薬産業がイノベーションを通じて付加価値のある薬剤の創造力を強化し、国民医療へ更に貢献していくため、研究開発減税の拡充、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度の恒久化を図るとともに、基礎的医薬品の安定供給に資する措置を行います。また、先発品と後発品の役割が適正に反映された市場実勢価格主義に基づく透明性の高い薬価制度を堅持します。さらに、医療の効率化や国民の健康維持の観点から、後発品の普及を図るとともにセルフメディケーションを推進します。


151 医薬品の流通体制の充実

安全・安心・信頼の医薬品流通を確立するため、医薬品のトレーサビリティの確立、新型インフルエンザ・パンデミック対策の推進をするとともに、災害時のガソリン・電力確保等の危機管理体制を充実します。また、医療保険制度の円滑な運営を図るため、医薬品流通のあり方を改善します。


152 リハビリテーションの提供体制強化

誰もが安心し生き生きと生活できる社会を実現するため、リハビリテーション提供体制を強化し、医療と介護で切れ目のない相互連携のあるチーム医療を推進します。老人保健施設の在宅復帰機能の強化・在宅支援の強化を図ります。


153 漢方医学の推進

日本の伝統医学である漢方医学について、指導者・臨床医の教育・研修、科学的根拠確立のための研究を推進します。漢方医学を支える漢方製剤の安定供給が可能となる環境を整備します。


154 再生医療を国民が迅速かつ安全に受けるための総合的施策の推進

再生医療の研究開発から実用化までの施策を世界に先駆けて総合的に推進し、国民が受ける医療の質及び保健衛生の向上を図ります。すでに党の部会で了承された議員立法の「再生医療を国民が迅速かつ安全に受けるための総合的施策の推進に関する法律案」を通常国会に提出し成立を目指します。


155 生活の質(QOL)を高める統合医療の推進

統合医療は、現代西洋医学に伝統医療や各種健康法を組み合わせることで、より効果的で安全性が高く、心のケアにも重点を置いた患者中心の医療を目ざしています。
厚生労働省に統合医療の研究機関を設置し、各種健康法の安全性と有効性の調査・研究を推進し、その情報を公開します。
また、統合医療のための教育、人材育成、実践のための環境整備や心身医学的なアプローチの普及などに取り組みます。


156 健康で質の高い生活をめざすまちづくりの推進

地域住民が直面する健康課題には、一人ひとりの「心や身体の健康」のみならず、社会や文化、都市整備など住民を取り巻く多岐にわたる要因があります。その有効な包括的まちづくりとして、WHOが提唱する「健康都市プロジェクト」に参加する自治体を支援するなど、個人から家庭、そして地域へと拡がる健康づくりを積極的に推進します。


157 財政の安定化を図り、介護保険サービスの充実と保険料の抑制

高齢化の進展により、増大が予想される介護保険料の上昇を抑制します。そのために、介護保険の保険給付の対象となる介護サービスの範囲の適正化等による介護サービスの効率化、重点化を図るとともに、公費負担の増加などを行い、持続可能な介護保険制度を堅持します。併せて必要な介護報酬を確保等により介護従事者の一層の処遇改善等を図り、質が高く、必要な介護が行われ得る体制を整備します。
また、特養の待機者をはじめ、要介護者が安心して介護を受けられる居場所の整備を行うために、特養・老健をはじめ、特定施設やグループホーム、サービス付き高齢者住宅などの整備を進めます。
住民や自治体のニーズに応え、間仕切り等の工夫によってプライバシーの保護に配慮した上で、高齢者が適正な負担で必要な介護を受けられるよう、「多床室特養」の整備を進めます。
同時に、地域の高齢者が満足できる介護サービスを受け、安心して暮らせるよう、特養・老健などの介護施設の活用などによる在宅サービスの強化、24時間型の訪問介護や訪問看護、訪問診療の整備等により地域の高齢者が満足でき、安心して暮らせる介護サービス体系を推進します。併せて、家族介護者の精神的等負担の軽減のための施策を進めます。
介護保険法改正により平成30年まで延長となった介護型療養施設のあり方に関しては、同施設の必要性を重視し、見直しを行います。
大災害時において、被災した介護や支援が必要な方々を支えるため、支援チームの創設、他の施設等での受入れ等の仕組みづくりを推進します。


158 介護支援専門員の積極的活用

医療・介護・福祉サービスを必要とする人が過不足のないサービスを受けて、住み慣れた地域で自立した生活を営むためには、介護支援専門員(ケアマネジャー)による適正なケアマネジメントが必要です。そのため、居宅介護支援事業所の経営の独立性・中立性の推進を図るとともに、特養・老健などの「介護保険施設」において介護支援専門員の専従化を進め、自立支援や在宅復帰に向けた施設機能の強化と活性化を図り、高品質な介護サービスを提供できるシステムをつくります。また、それらを促進するため、社会保障制度において重責を担う介護支援専門員の国家資格化を目指します。居宅介護支援費に関しては、誰でも公平にケアマネジメントが受けられるように、介護保険制度で全額を賄う現行制度を堅持します。


159 在宅介護の支援

地域で多様な質の高い在宅介護サービスが提供できるよう、事業者の創造性と自律性が発揮できる環境を整えるための法令基準等を見直します。


160 運動器リハビリテーションの充実とロコモティブシンドローム(運動器症候群)の早期発見

運動器の衰えにより、要支援・要介護となることを予防するため、医療における運動器リハビリテーションの充実を図ります。また、転倒・骨折・寝たきりのリスクが高くなるロコモティブシンドローム(ロコモ 運動器症候群)該当者(予備軍を含め全国で推定4700万人)を早期に発見し、リハビリテーションを指導することができるよう、運動器健診事業の導入を推進します。


161 障害者の方への施策の推進

障害者自立支援法については、応益負担から応能負担に改めるとともに、知的障害、発達障害、精神障害のある人に対して、自民党が障害程度区分から障害支援区分に修正した上で、障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いがわかるような形に法改正を行いました。
今後は、障害者総合支援法を着実に推進し、国と地方の適切な役割分担の下、地域の実情を踏まえながら、計画的なサービスの基盤整備を図ります。また、障害者に対する福祉的な給付を着実に実行するとともに、自民党が主導した障害者優先調達推進法(ハート購入法)を着実に実施する等雇用の促進に努めます。また、精神障害のある人が地域で安心して暮らすことができるよう、精神保健医療福祉施策の改革に取り組むとともに、障害福祉サービスの利用の観点から、成年後見制度の活用を更に進めます。さらに、障害の有無にかかわらず、国民の誰もが相互に人格と個性を尊重し支えあう「共生社会」を実現するため、幅広い国民の共感と理解を得ながら、「障害者虐待防止法」を着実に実施するとともに、障害のある人の自立と社会参加のための施策を着実に推進します。


162 生活に困窮している世帯の生活支援の拡充

若年者を中心に就労可能な者については、仕事へ就くよう促すため、求職者支援制度の活用等により就労を促進します。
生活に困窮している低所得高齢者等に対して、その実態に即した生活支援を的確に行うため、生活に困窮している方々の支援に精通したNPO等の活用を図るとともに、福祉的給付などの低所得者対策を実施します。また、単身高齢者や老々介護の増大などに対応するため、高齢者の生活の場となる養護老人ホーム、グループホームや特定施設などの整備を進めます。
契約を前提する社会において、判断能力が不十分なことによって不利益を被ったり、人間としての尊厳が損なわれることがないように、成年後見制度を充実させます。


163 生活保護制度について

生活保護制度については、真に必要な人に生活保護が行きわたるとともに、納税者の理解の得られる公正な制度に改善し、国民の信頼と安心感を取り戻します。
そのため、自助努力による生計の維持ができない者に対する措置ということを原点に、不正受給への厳格な対処とともに、生活保護水準や医療費扶助の適正化、自治体における現金給付と現物給付の選択的実施、自立や就労の促進など必要な見直しを早急に実施します。生活保護水準については、勤労者の所得水準、物価、年金とのバランスを踏まえ、生活保護の給付水準を10%引き下げます。ジェネリック薬の使用義務化やレセプトの電子化によるチェック機能の強化等により医療費扶助の抑制・適正化を推進します。
また、不安定な家庭環境等にいる子供たちへのセーフティーネットの確立、教育の提供体制の整備などにより世代間の貧困連鎖を防止するとともに、高齢者、障害者等の就労不可能者と就労可能者とに制度を二分し、就労可能者を対象に、就職斡旋を断った場合の給付の減額・停止の仕組みや有期制の導入などを検討します。
ケースワーカーの民間委託の推進や成功報酬制の導入等により、ケースワーカーのマンパワーを拡充します。稼働層の自立を促進するため生活保護卒業時の自立資金に充てる「凍結貯蓄」を制度化します。


164 原爆被害者への支援

人類唯一の被爆国であることを踏まえ、被爆者の方々への支援策を推進します。


165 中国残留邦人への支援

中国残留邦人の方々のための生活支援をはじめとした抜本的な支援策を講じましたが、今後さらに帰ってきて良かったと思えるような、きめ細かい対策を推進します。


166 さらなる国民の負託に応えられる「社会保険労務士法改正」の推進

社会保険労務士が、国民の利便性の向上とさらなる負託に応えられるよう、個別労働紛争について未然防止から解決まで一貫して関与できるようにすることや一人法人制度の導入等が可能となるよう、社会保険労務士法の改正を推進します。


167 生活衛生サービスの安全・安心の推進

生活衛生サービスが、安全・安心に提供されるよう、生活衛生営業指導センター、生活衛生同業組合の活性化を図ります。また、建築物の衛生環境・日本政策金融公庫の融資等の充実を図ります。


168 柔道整復師の活動の支援

柔道整復療養費の適正な見直しと卒後臨床研修の制度化を目指します。柔道整復師の業務に関して算定基準の明確化と法整備等に努めます。


169 鍼、灸、あん摩・マッサージ・指圧治療の充実

国民が鍼、灸、あん摩・マッサージ・指圧治療を身近な治療法として、介護分野を含め更に利用できるように、制度の整備に努めます。また、専門性と更なる技術の向上を積極的に支援します。


170 管理栄養士の積極的活用

今後、増加が想定される在宅療養者や高齢者に対して適切な栄養管理を提供できる体制を構築し、安心した生活を過ごせるよう、管理栄養士の積極的活用を進めます。


171 心理職の国家資格化を実現します

複雑化する現代の日本社会において、国民のこころの問題や、発達・健康上の問題は、ますます増大し、これらに対する心理的な対応のための専門的人材育成は急務となっています。こうした国民的ニーズの高まりに対応するために、先進諸国と同様に、心理職の国家資格化の実現を目指します。


172 一人ひとりの状況に応じた就労支援と労働環境の整備

ハローワークの機能強化等により、若者、女性、高齢者など一人ひとりの状況に応じた就労支援を積極的に進めます。
また、産・育休の取得範囲の拡大などによる子育てと仕事の両立など頑張る個人を支援し、経済のグローバル化や活力ある社会に対応した労働環境の整備を進めます。


173 就職、転職をしやすい環境の整備

職能別検定制度の充実とジョブカードの円滑な活用を通じ、職業訓練や職業能力開発などを活かし、就業につながるマッチングシステムを確立します。
また、労働者派遣制度の活用によるスキルアップやキャリア形成を行うなど再就職、転職支援の制度や仕組みを設けることにより、再チャレンジや成長産業への円滑な人材シフトを促進し、正規雇用の維持、拡大を図ります。
同一価値労働・同一賃金を前提に均衡待遇を目指し、非正規労働者の処遇を改善します。


174 新卒者就職対策の実施など若者の雇用対策の推進

新卒者の就職状況の厳しさが続く中、100%就職を目指して、トライアル雇用する企業へ3年間補助金を支給する制度など新卒者の雇用の受け皿の整備を促進し、若者の雇用対策を強力に進めます。


175 アスベスト対策

総合的なアスベスト対策を早急に図ります。すでに、わが党主導で被害者救済のための法律改正を行いましたが、今後も引き続き、国と企業の責任で、すべての被害者救済のための基金のあり方を検討します。


176 恩給の適正な水準を確保

国家・国民のために身命を賭して忠誠を尽くされた方及びそのご家族の生活を支えるための恩給は、国家補償として適正な水準を確保します。
併せて、戦没者遺骨収集と慰霊巡拝を推進します。


2.財政健全化

177 次代を見据えた財政構造改革

民主党政権のバラマキ施策で水膨れした歳出について徹底した削減を行うとともに、国・地方の公務員人件費の削減、生活保護の見直し等、さらなる削減を断行します。
また、財政による機動的対応が可能となる中で、成長戦略や事前防災等の分野に資金を重点的に配分することなど、わが国経済の成長に向けた施策を実施することで税収増を目指します。
こうした施策の実行により、まずは平成27年度(2015年度)には国・地方のプライマリー・バランス赤字の対GDP比の半減(平成22年度の水準比)を実現し、平成32年度(2020年度)までを目途に国・地方のプライマリー・バランスを黒字化するとの目標を堅持します。そして、国・地方の債務残高対GDP比を2020年代初めには安定的に引き下げます。
そのため、財政健全化に向けた中長期的な方針の下、5年を一期とする財政健全化中期計画を策定します。また、目標の実現と新たな施策実施の両立を図るため、新たな施策には、将来の成長に与える影響を考慮しつつそのための恒久的な財源を確保する原則を確立します。
上記の方針を明記した「財政健全化責任法」と「財政再建のための公務員人件費等の歳出の削減等に係る緊急措置に関する法律案」(仮称)をともに早期に成立させます。
なお、欧州債務危機問題等、国際経済情勢の動向によっては、国民生活等に重大な影響が及ばないよう、弾力的に対応します。


178 国・地方の公務員総人件費を2兆円削減

わが国の厳しい財政状況に鑑み、5年間の「集中財政再建期間」において、将来の国家像を見据え、計画性を持ちつつ、国・地方を含め幅広に公務員等の給与を削減すること等により、公務員総人件費を国・地方合わせて年間2兆円削減します。


179 国債市場の安定を確保

国債に対する信認を確保していくことは極めて重要であり、財政健全化に向けて節度ある国債発行に努めます。また、適切な国債管理政策を実行するとともに、あらゆるリスクを想定し、国債価格が暴落する「X-day」を防止するための処方箋を用意します。


180 安心社会実現に向けた税制抜本改革

わが党は、消費税の引上げを含む税制抜本改革についての考え方を既に前回の総選挙における政権公約、一昨年7月の参議院選挙公約、累次の「税制改正についての基本的考え方」において、明らかにしてきました。
財政状況の危機的な悪化により、近年、財政はその対応力を著しく欠いており、社会保障、安全保障への対応、国際競争力強化、人材育成、地域格差是正など、必要な分野への資源配分が進まず、日本の現在と将来に支障をきたしています。
一方、急速に進む少子高齢化の中で、持続可能な社会保障制度を確立するには、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担を抑制しつつ必要な社会保障が行える制度を構築しなければなりません。
こうした点を踏まえ、日本の将来、次の世代、現在の国民生活を第一に考え、責任政党としてわが党が主導して、前回総選挙のマニフェストで国民に約束をしていなかった民主党を巻き込みながら、公明党とともに社会保障と税一体改革に関する三党合意を結びました。
その結果、社会保障制度改革国民会議における今後の議論を踏まえ、安定した財源を前提とした、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の成案が消費税率引上げまでに国民にお示しできることとなりました。
また、消費税の引上げにより、財政による機動的対応が可能となる中で、成長戦略や事前防災等の分野に資金を重点的に配分することなどにより、わが国経済の成長等に向けた施策が実施できることとなります。

(税率及び引上げ時期、使途)
消費税については、今回成立した「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、2014年4月に5%から8%、2015年10月に8%から10%へと2回に分けて引上げることが決まっています。
引上げに当たっては実施時期の半年前に、社会保障制度改革国民会議の結論を踏まえつつ、経済状況を確認の上、予定通り実施するかの判断を内閣が行うことになりますので、この総選挙は「約束は守る」わが党内閣を立ち上げるための大切な民意表現の場となります。
特に、2014年以降に財政の機動的対応が可能となる中で、成長戦略や事前防災等の分野に資金を重点的に配分することなどにより、わが国経済の成長を実現します。
なお、消費税の使途については、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引き上げに要する費用を賄うとともに、これからも増加が見込まれる年金、医療及び介護の社会保障給付と少子化対策の費用に全額を充当することは当然のことです。

(低所得者、中小・小規模事業者への配慮)
消費税引上げが低所得者に与える影響を緩和するため、今後、食料品等に対する複数税率の導入を検討し、関係者の理解を得た上で実施します。簡素な給付措置については、低所得者に配慮した所得の再分配に関する総合的な施策の実現までの間の暫定的及び臨時的な措置として実施します。
独占禁止法等の必要な法制上の措置を徹底的に講ずること等により中小・小規模事業者の消費税の円滑かつ適正な転嫁に万全を期します。

(国民生活全般への配慮)
医療については、医療提供者の高額の投資に係る消費税負担について、医療保険制度において他の診療行為と区分して適切な手当を行う具体的な手法について消費税率の8%への引上げ時までに検討し、結論を出します。また、医療行為全般についての税制上の配慮等についても幅広く検討を行います。
住宅の取得については、取引価額が高額であること等から、消費税率の引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいので、平成25年度以降の税制改正及び予算編成の過程で総合的に検討し、消費税率8%への引上げ時及び10%への引上げ時にそれぞれ十分な対策を実施します。
個人所得課税については、各種控除や税率構造を一体として見直すことが必要です。所得税については、今回成立した税法に従い、具体的な措置について検討を加え、その結果に基づき、平成24年度中に必要な法制上の措置を講じます。さらに、社会の基本は「自助」にありますから、家族の助け合いの役割も正しく評価されなければなりません。その観点から、配偶者控除は維持し、児童手当との関係を整理した上で年少扶養控除を復活します。
資源・エネルギーの制約、急速な少子高齢化の進展、激動する国際経済・金融環境の下、特に、長引くデフレと急激な円高の中で、日本経済の成長を促進するため、研究開発税制及び投資促進税制を大幅に拡充します。
資産課税については、今回成立した税法に従い、相続税、贈与税の見直しについて検討を加え、平成24年度中に必要な法制上の措置を講じます。
自動車関係諸税については、国及び地方を通じた関連税制のあり方を総合的に見直します。安定的な財源の確保、地方財政への配慮の上に、簡素化、負担の軽減及びグリーン化の観点から、税制のあり方及び暫定税率を含む税率のあり方を総合的に見直し、自動車取得税及び自動車重量税について廃止を含め、負担軽減の方向で検討し、消費税率の8%への引上げ時までに結論を出します。
地方税制については、地方分権を推進するためにも、税収が景気変動による影響を受けにくく安定的で、かつ、税源の偏在性が小さい仕組みとします。具体的には、消費税を含む税制抜本改革の一環として、地方消費税の充実を検討するとともに、地方法人2税の在り方を見直します。
たばこ税については、たばこと健康に関するあらゆる総合的な検討を行うとともに、葉たばこ農家、たばこ小売店等への影響について検討します。
酒税のあり方については、税制の中立性・公平性・国際性の観点や財政状況等を踏まえ、酒類間の税率格差を縮小する方向で検討します。
低炭素化を促進する観点から、税制全体のグリーン化を推進します。
平成24年度税制改正で導入された地球温暖化対策のための税については、その使途について森林吸収源対策を含めた地球温暖化対策のための諸施策の推進に配慮します。
また、環境税については、税制全体のグリーン化を図る観点から、様々な政策的手法全体の中での位置づけ、課税の効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影響、既存の税制との関係等に考慮を払いながら、納税者の理解と協力を得つつ、総合的に検討します。
納税環境の整備を図るため、国民の理解を得ながら、個人番号法案に基づき、個人番号制度の早期導入を進めます。行政サービスの信頼性、透明性、効率性を高めるとともに、国民の利便、特に年金を始めとする社会保障サービスの向上や所得課税の更なる適正化を図ります。プライバシーに配慮したセキュリティ対策は当然のことですが、費用対効果を十分に検討した上で、徹底した国民視点に立って、国民にとって利便性の高い個人番号制度を構築します。
番号制度に関する情報システムについては、新設する政府CIO(最高情報責任者)など責任の所在を明確にすると同時に、適切な推進体制を整備し、審査のための第三者機関は天下りのない公平な機関とします。また、スマートフォンの利用や生体認証の技術を取り入れるなど、民間事業者にも活用可能な将来性・拡張性に富んだ制度とします。
民間人となった日本年金機構の職員が行っている年金保険料の徴収業務を公務員である国税庁の職員が行う、いわゆる歳入庁構想は反対です。