日本を、取り戻す。J-ファイル2012(Ⅰ) | 宮川典子オフィシャルブログ「きょうの典気」Powered by Ameba

日本を、取り戻す。J-ファイル2012(Ⅰ)

「日本再起動!」宮川典子です。

21日、自由民主党の政権公約「J-ファイル2012」が発表されました。
2009年の政権交代を経て、3年と4か月。
政治の役割は何なのか、そして政策は誰のために、何のためにあるのか。
私たち自由民主党は真摯に皆様の声に耳を傾け、そして反省し、このたびの
公約に日本の「あるべき姿」を掲げました。

「日本を、取り戻す。」

J-ファイル2012には、私たち自由民主党の決意と覚悟が込められています。

山梨県第一選挙区支部長としても皆様と共有したく、全12章を順次転載します。
今回はその1「復興と防災」です。

日本を、取り戻す。


J - ファイル2012
 Ⅰ.復興と防災
 Ⅱ.経済成長
 Ⅲ.教育・人材育成、科学技術、文化・スポーツ
 Ⅳ.外交・安全保障
 Ⅴ.社会保障・財政
 Ⅵ.消費者、生活安全、法務
 Ⅶ.エネルギー
 Ⅷ.環境
 Ⅸ.地方の重視・地域の再生
 Ⅹ.農林水産業
 Ⅺ.政治・行政・党改革
 Ⅻ.憲法・国のかたち




Ⅰ.復興と防災

東日本大震災の被災地の復興の加速を最優先します。
そして、事前防災の考え方に基づいて、近い将来起こることが十分に予想される巨大地震・津波などの大規模災害の被害を想定の半分以下に抑え、復旧・復興に要する経費を最小化するために、民間投資も最大限活用しつつ、ハード・ソフト両面にわたる「国土強靭化」に積極的に取り組みます。

1.復興加速

1 復興事業の適正な執行及び必要な予算の確保

政府は、阪神・淡路大震災の例を参考にして、集中復興期間(5年間)の事業費を19兆円と想定していましたが、平成25年度概算要求ベースで既に2兆円以上想定を上回っているのが現実です。さらに、今後予定されている復旧・復興事業、集団移転とそれに伴うまちづくり、復興住宅の整備などを考えると、復旧・復興事業費の大幅な増加が見込まれています。

そのため、わが党はいわゆる「基本方針」及びそれに基づく復興計画を総点検した上で、必要な事業費を財源の制約の名のもとに抑制することなく国が責任を持って確保します。また、復興予算の使途については被災地の復興に資するものを優先することは当然のことであり、復興予算の適正かつ迅速な執行に努めます。


2 被災地における人的対応力の強化

被災地での復興に向けた取組(特に、高台移転や土地区画整理など)が進展・本格化するのに伴い、土木関係の技術職や用地交渉を担う行政職等の公的部門の人員不足が深刻化するとともに、被災者の心身の健康を守る医療、保健、福祉活動等を担うマンパワーの確保が不可欠となっています。行政経験者を積極的に採用できる仕組みや支援要員等を受け入れる環境の整備、人的支援全体をコーディネートするセクションの設置等について、国が責任を持って各自治体の対応力を強化するとともに、広域連携の機能的な枠組み作りを進めます。
また、災害時に活動する民間の医療関係者の研修・訓練、装置整備を支援し、大災害に対処できる体制づくりを進めます。


3 迅速な復興を担う機能する復興庁へ向けた再検討

わが党の主張により設置された復興庁が、残念ながら能力に欠ける民主党政権の下、機能していません。強力な政治のリーダーシップの下、被災自治体からの要望に迅速に一元的に対応できるよう、復興庁の機能を強化するとともに、迅速な復興の推進に資するように復興局や支所の役割を一層明確化しつつ、被災地に寄り添うかたちに復興庁の体制を抜本的に強化し、迅速な復興の推進に努めます。


4 復興交付金の充実

復興交付金の運用が硬直的で、特に効果促進事業において当初期待されたような「使い勝手の良い交付金」となっていません。事業のスピーディーな進行を図るため復興交付金の柔軟な運用を図るとともに、必要な復興交付金を確保します。
また、埋蔵文化財調査等の規制緩和をはじめとして復興交付金の対象となる集団移転事業の円滑な推進のための環境を整備するとともに、事業が遅れた場合にも財政支援が行われるように基金の設置も検討します。


5 ガレキ処理の早期完了

ガレキ処理の遅れは、まちづくりの遅れに繋がることから、わが党も全国の党組織を通じ、各自治体に対して広域処理の協力を呼び掛けました。国が実効ある調整を行うとともに、これまでの経緯や処理遅滞の要因を検証し、被災自治体における処理施設増設や広域処理のあり方の見直しをはじめ、ガレキ処理の方策を抜本的に強化し、その早期完了を目指します。


6 事業再建への徹底支援

土地利用計画やインフラ整備の遅れ等から中小・小規模事業者や農林・漁業者の事業再建の歩みは遅々としており、地域の復興を担う人々が故郷を離れざるを得ない状況に陥っています。こうした産業復興の阻害要因を早期に解消し、仕事や雇用の場を確保し、人々が故郷で安心して暮らせる環境を整えます。
特に、二重ローン対策や資金繰り対策を強化するとともに、農地・漁港の復旧や陥没地帯の嵩上げを急ぎ、要望が多い企業グループ補助金などの予算の拡充を図ります。また、再生可能エネルギーや医療関係分野などの新産業事業の育成を強力に進めます。


7 被災地の生活インフラ整備の迅速化

被災者の生活再建や就労に役立つ被災地の産業再生には、社会資本の整備・活用が不可欠にもかかわらず、一向に進んでいません。寸断された道路、鉄道、防潮堤、河川堤防、さらには医療関係施設及び社会福祉施設、農地、漁港などの生活インフラ等の整備、下水汚泥の処理の体制の構築等を迅速に行います。
なお、東日本大震災の経験を踏まえ、大規模災害時における生活インフラの機能維持に向けた取り組みを最大限支援します。


8 環境モニタリング・放射線モニタリングの実施

国民の健康不安の一刻も早い解消のため、被災地におけるアスベスト・モニタリング、大気、水域・海洋、土壌等の有害物質の環境モニタリングを実施するとともに、放射性物質による汚染が懸念されていることから放射線モニタリングを実施します。


9 除染の加速化

被災者の故郷への一刻も早い帰還を実現するためにも除染を加速させます。そのため、除染の目標値を明らかにし、1兆円近い予算を計上した除染が着実に実施され得る体制を講じます。併せて、海底土の除染にも万全を期します。


10 原発事故被害に対する万全な対応

原発事故被害の範囲は文字通り未曽有のものとなっていますが、原発事故による災害という特殊な事情及びこれまでの国によるエネルギー政策に対する責任を踏まえ、福島県内外への避難者が、将来への展望を持って生活再建できるよう、賠償や就労、自治体機能のあり方といった諸問題について確実に対処します。
また、農林水産業・商工業・観光業等への風評被害対策と国の食品新基準値への対応などにも万全を期します。


11 健康被害への万全な支援

放射能による健康への不安を多くの住民が抱いています。国が責任を持って健康不安にしっかりと対処するため、健康調査事業の強化と併せ、放射性物質による環境汚染の状況についての監視・測定の実施、食品安全のための放射性物質の基準値の設定や医療費に係る負担の軽減策、特に子供の健康を守るためには万全を期します。


12 原子力災害への対応と原子力専門人材の充実

放射性物質による汚染対策として、詳細な汚染マップの作成や有効適切な除染の実施、放射性廃棄物の適正な処分を国の責任で行うこととします。
また、『原子力規制委員会設置法』の成立に伴い、IAEA(国際原子力機関)の国際基準に則った原子力規制を実現するとともに、原子力・放射能に関する高度の知見を有する人材の採用、養成を図ります。
さらに、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓をもとに、平時から避難等の事故対応に関する訓練を充実させるなどにより、世界最高の危機管理体制を確立します。


13 原子力に関する知見の国際的な共有化

他国の安全性確保に資するため、東京電力福島第一原子力発電所事故の経験から得た知見の国際的な共有化を進めます。
また、原発事故による放射性物質の拡散が人体や生態系に及ぼす影響を長期的に調査・公表することによって、安全な国民生活に寄与するとともに、世界と将来の人類への責任を果たします。


14 原発事故への対応と、安全を最優先とした原子力研究開発の再検証

東京電力福島原子力発電所の事故対策において、環境モニタリングや地元住民の支援などで現行施策を拡充するとともに、新たに研究開発が必要となった原発事故の後処理や廃棄物の処理・処分、効果的な除染の方法などを早急に確立します。
また、福島第1原発の廃炉に向けた取り組みは、単に事業者任せにするのではなく、国が主導的な役割を果たすことによって、より早く、安全・着実に進めます。
核燃料サイクルや高速増殖炉などについては、エネルギー政策の基本的な方向性の議論を踏まえ、今後のあり方について、慎重に見極めます。
なお、研究開発政策について、基盤・基礎研究や量子・放射線利用研究、重粒子線がん治療などの医学的研究などは、その必要性を踏まえつつ、安全性を最優先にして進めます。


15 被災地での国家プロジェクトの推進

わが党が主導して作成した『東日本大震災復興基本法』の理念に基づき、東北全体の復興を目指し、広域防災拠点や先端医療拠点の整備、世界のフロントランナーとなる防災研究、エネルギー研究などを国家プロジェクトとして推進します。


16 G空間による東日本大震災復旧・復興への支援

G空間プロジェクトの活動成果として、正確で効率的な測量や地図作成技術、地震予知技術、早期津波検知技術、衛星利用による避難誘導技術、更にはG空間情報を一括管理運用する事で災害予知、災害対応、復旧・復興に貢献するG空間情報センターと防災センターの設置等があげられます。東日本大震災からの復旧・復興に当たってはこれら先進的技術の活用で将来を見据えた安全・安心なG空間社会の実現を目指して推進します。また、この成果は今後予想される震災対応のため、全国展開、更には海外展開等も図っていきます。


2.国土強靭化

17 国民の生命と財産を守る「国土強靭化」の推進

今後予想される首都直下地震や東海地震と連動性が指摘されている東南海・南海地震等に備えるため、事前防災、減災の考え方に基づく『国土強靭化基本法案』『南海トラフ巨大地震対策特別措置法案』『首都直下地震対策特別措置法案』を速やかに成立させ、早急に(今後10年間)避難路・津波避難施設や救援体制の整備等の減災対策を強力に推進します。特に、今後3年間は集中的な取り組みを展開します。
加えて、首都機能等の維持・強化及び分散を図るとともに、日本海国土軸など多軸型国土の形成と物流ネットワークの複線化を進め、国土全体の強靭化を図ります。さらに、国土強靭化の取り組みを地域経済の中長期的発展の呼び水とするとともに、雇用を創出します。また、今後急速に老朽化する橋梁等の道路施設、港湾、河川管理施設、下水道等を計画的に更新し、安全と安心の確保を促進して国民の生命と財産を守ります。
民主党が進める国の出先機関の特定広域連合への移管は断固反対し、地方出先機関の広域災害対応力の一層の強化を図るとともに、国と地方のあり方と道州制の議論を整理します。


18 災害につよく国民に優しいまちづくり

東日本大震災の教訓を踏まえ、大規模地震災害に備えるため、公共交通インフラ等をはじめ住宅・建築物の耐震化や密集市街地の解消、広域的な基幹ネットワークの整備・複線化、津波・高潮対策のための避難路・津波避難施設の整備を進めます。近年頻発するゲリラ豪雨等の集中豪雨に対応するため、河川堤防の整備やダムを活用した治水機能の強化、下水道による都市の浸水対策を緊急的に推進し、特に事業中のダムやスーパー堤防は地元の意見を踏まえながら建設の促進を図ります。平年を大きく超える豪雪に対しては市町村に除雪費を臨時に補助する制度を創設するとともに、地域の孤立化を防ぐ緊急防災公共事業を推進します。
また、基幹的広域防災拠点の整備及び運用体制の構築や地震監視機能の強化、緊急地震速報や土砂災害警戒情報の提供など、災害につよいまちづくりを推進するため総合的な対策を推進します。さらに、自転車専用道を整備するなど自転車利用者や歩行者の安全な環境を確保し、環境と健康に配慮した、すべての国民に優しいまちづくり、歩いて暮らせるコンパクトシティーづくりを進めます。
事前防災制度の考え方を確立し、地震、津波が来る前にまちぐるみで高台移転等の必要がある地域に対して、移転補償費を含み、段階的なまちづくりが可能となる支援制度、税制を創設します。


19 都市防災の推進

特に人口が密集している三大都市圏を始めとする大都市の機能(政府機能含む)を守るため、通信ネットワークの確保、帰宅困難者対策、木造住宅密集地域における不燃化・耐震化、コンビナート対策、液状化対策、老朽化した上下水道対策を進めるとともに、ゲリラ豪雨に備えて河川を改修し、地下調節池を整備するとともに、排水施設の効果的な整備を進めます。
また、八ッ場ダムを完成させ、沿線地域に洪水被害を防ぐとともに、一都五県の水需要に対応します。


20 国民に約束した国の基幹ネットワークを含む道路網の整備

高速道路のミッシングリンクの解消や4車線化など、国民に約束した国の基幹ネットワークを含む全国の道路網の整備を促進します。高速道路料金については、受益者負担の原則を堅持し、国民の利便性や高速道路の有効活用に資する割引制度を維持・拡充し、分かりやすいものに見直すとともに、道路公団民営化法見直し規定に基づいて民営化された高速道路会社のあり方を見直します。また、その整備手法についても日本のグランドデザインに鑑み国民に分かりやすく明示します。巨大津波時に防潮機能を発揮するとともに緊急避難路や避難所となり、復旧・復興支援物資などを輸送する代替路になる道路など「命の道」や生活道路・通学路の安全対策など、地域生活に不可欠な道路等については、B/C(費用便益比)にとらわれることなく、積極的に整備を進めます。道路は、国民の貴重な資産であり、的確に維持更新します。


21 重要インフラの防御

行政インフラや通信インフラに加えて、医療、道路、航空、港湾、電力、ガス、水道等の社会の重要インフラを防御する事の重要性も東日本大震災や原発事故から得られた教訓です。しかし現在は、各々のインフラが別々の事業者によって運営されており、災害時の対策もバラバラなのが現実です。例えば、被災地における拠点病院では、電力だけが復旧しても機能が完全回復する訳ではなく、通信網、上下水道や交通網、さらには緊急医療の仕組みが復旧しなければなりません。そのためには、日常的に災害時復旧の優先順位や各インフラの相互依存性の分析等を情報共有しておく必要があります。これは医療機関だけでなく、政府・自治体等の行政機関や金融機関についても同様で、特に首都圏直下型震災の脅威がせまる現状では、積極的に予算投入をして社会の重要インフラ防御態勢を整備します。


22 情報インフラ整備の強化と災害時即応能力の促進

携帯電話や無線アクセスなどの新規電波利用ニーズの増大に伴い電波の逼迫は日々深刻化しています。防災の観点からも、最も身近な社会インフラとなった携帯電話網の途絶を最小化すると同時に、大容量の基幹通信網が必要となるデータセンターなどの分散化・地域産業化をはかり、全国的に通信網を強化します。また、首都圏に集中している政府情報システムを分散配置するとともに冗長性のある超高速ネットワークで接続する等、バックアップ体制を緊急に整備します。
東日本大震災では房総半島に集中している海底ケーブルの多くが被害を受けました。現状のままでは海外との通信網が途絶する恐れがあるので、他地域への増設を早急に手当します。また、離島も含め全国では、災害時における住民への情報伝達手段等において都市部との格差が生じており、早急な地方の情報インフラ整備が不可欠です。そのため超高速ブロードバンド整備の促進や自治体システムのバックアップ体制をクラウド技術により充実させ、地方のハンデキャップを逆手に取り、分散型の情報企業・産業シフトを敷き、新規事業者が参入する際の初期投資や運用コストに対する財政支援が充分に行われるよう所要予算を確保します。


23 ICTによる復興と経済成長の両立

今やICTは社会インフラに不可欠な存在となっており、被災地の復旧・復興と被災者への支援にICTの活用は欠かせません。震災や原発事故を教訓とした超広域災害への備えを固め、ICTによる新たな復興・防災の仕組みを経済成長への出発点とします。特に津波で役場が流された自治体や医療機関等の被災状況を見れば、広域の自治体クラウドや医療情報連携システム等各分野に渡る体系的な被災者支援システムの構築は急務です。被災時の住民サービスや医療サービスの継続はもとより、広域の統合防災システムや自治体の事業継続計画を早急に整備します。また、原発事故や被災地での高台移転等を契機としたスマートシティの実現は、環境やエネルギー問題の解決にも資するものです。このように復興のためのICT活用施策は、復興後の成長や社会問題の解決にも大きく貢献するのみならず、従来からの課題である社会問題解決による国民生活の向上、経済成長と雇用創出、官の国民サービス向上のためにもICTを最大限活用します。


24 消防団の充実・強化

首都直下型地震、東海・東南海、南海地震などの大地震への対応が緊急の課題となっています。東日本大震災の苦い教訓を活かし、消防団員の増員確保、消防団の装備の充実、消防団員の処遇の改善、防災拠点となる施設の耐震化などを促進し、消防団を中心とする地域の総合防災力を高めます。