留年の是非を問う前に・・・ | 宮川典子オフィシャルブログ「きょうの典気」Powered by Ameba

留年の是非を問う前に・・・


『みんなで、一緒に、日本再起動。』

おはようございます。宮川典子です。
拙ブログにコメントをお寄せくださる皆様、
いつも本当にありがとうございます。
すべてのコメントに目を通して、ご意見を受け止めております。
皆様からのコメントに励まされ、今日も頑張っていけます。
これからも率直なご意見をよろしくお願いいたします。


「小中学生に留年検討 大阪市市教委に指示」
大阪市の橋下徹市長が、
小中学生であっても目標の学力レベルに達しない場合は
留年させるべきだとして、義務教育課程での
留年を検討するよう市教委に指示していたことが分かった。
法的には可能だが、文部科学省は年齢に応じた
進級を基本としており、実際の例はほとんどないという。
橋下市長は、市教委幹部へのメールで
「義務教育で本当に必要なのは、
きちんと目標レベルに達するまで面倒を見ること」
「留年は子供のため」などと指摘。
留年について弾力的に考えるよう伝えた。
文科省によると、学校教育法施行規則は、
各学年の修了や卒業は児童生徒の平素の成績を評価して
認定するよう定めており、校長の判断次第では留年も可能。
外国籍の生徒で保護者が強く望んだ場合などに
検討されることがあるという。
市教委も「学校長の判断で原級留置(留年)できる」としているが、
実際は病気などで出席日数がゼロでも進級させているという。
担当者は「昔は長期の病気欠席などでごくまれにあったと
聞いているが、子供への精神的影響も大きい」と話している。
橋下市長は22日に予定されている教育委員との懇談で
義務教育課程での留年について提案、意見を求める予定という。
(毎日新聞より引用)

現在、新聞やテレビで盛んにとりあげられているこの問題。
私は、留年制度はあって然るべきだと思っています。
不登校などが原因で出席日数が足りない児童・生徒や
日本語での授業についていけない外国人の子弟には
必要な制度であると考えます。
しかし、留年制度について言及する前に、
日本の教育改革の方向性をもっと深く議論することが
何より大切だと考えます。

留年制度のことも踏まえ、以下の4つの論点について
考えていかないと、非常に拙速な議論になりかねません。
皆様のご意見も、ぜひお聞かせいただきたく思います。

1)現在の教育問題を解決できているかの検討が必要
  留年制度は、あくまでも方法の一つにしかすぎません。
  教育改革を進めるためには、今ある問題に向き合い
  改善する努力をしなければなりません。
  教師の指導力不足、保護者の教育力不足、日教組問題、
  ゆとり世代の学力低下、コロコロ変わる学習指導要領・・・。
  教育において、「△△△をすれば一気に改革できる!」という
  バラ色な方法はないと私は思っています。
  まずは、今ある問題を真剣に解決することから始め、
  次の段階として留年などのシステムを運用すべきと考えます。
2)何を基準として「留年」とするのかを明確にできるか
  全国学力調査も抽出式になっている現状で、
  何を以てして「留年」を決定するのかという基準を
  明確に決定しなければなりません。
  教育の世界では、教師と児童生徒との人間関係もあり
  どうしても客観に徹することが難しくなります。
  主観的な基準が入ってしまうと、留年制度も怖いものです。
  義務教育課程において留年を導入するのであれば、
  極めて客観的基準によって判断ができるようなシステムを
  全国各地で実施しなくてはならないと考えます。
3)「学齢主義」か「修得主義」か、方針を明確にできるか
  現在、日本は「学齢主義」をとった教育制度を布いています。
  どんな子供たちも、基本的には15歳になり
  中学校を卒業したら”義務教育修了”となります。
  しかし、修得主義の義務教育となれば、年齢に関係なく
  定められた基準やレベルを超えない限りには
  次のステージ(高校など)には進めなくなります。
  どちらの主義をとるかによって、日本の教育システムを
  ドラスティックに変革する流れが生まれてきます。
  まずは、この方針の明確化をすることが最優先なのです。
4)”一本道”の教育システムを根本的に見直す必要がある
  今、日本の教育システムは「6・3・3・4制」を基本としています。
  この一本道のシステムでは選択肢が少なすぎて
  児童生徒の個々の能力を最大限に伸ばすことが十分できず、
  多くの才能を埋もれさせてしまっていると私は考えています。
  学齢主義から修得主義にしていくのならば、
  留年と同様に大幅な”飛び級”も認めるべきですし
  システム自体にも大胆な改革が求められます。
  つまり、”一本道”なシステムを細分化し、
  児童生徒の能力を多角的に生かしていく組織に
  変えていく必要があるということです。
  例えば・・・
  ●中学校や高等学校
    <A>平均的なレベルの学校
    <B>小学校レベルを徹底学習する学校
    <C>専門知識(工業、商業、芸術)の基礎を育む学校
    <D>高い学力を育成する学校
  ●大学
    <A>教養(リベラルアーツ)主義の大学
    <B>4年制ではない短期大学や高等専門学校
    <C>専門知識や技術を磨く高等職業大学
    <D>医学・薬学・法律系の資格修得専門大学
    <E>世界をリードするようなエリート校
  以上はあくまでも私案ですが、このように選択肢の多く
  子供たちが目的を明確にして勉学に励めるシステムへ
  変換していくことが教育改革の中心軸になると思っています。


今回の留年の是非、さまざまご意見があると思います。
「yahoo!」でもアンケート調査が行われているようです。
皆様はいかがお考えでしょうか?
ぜひともお聞かせいただきたくお願い申し上げます。