幸せよ、届け!
しばし山梨を離れ、友人の結婚式・披露宴に出席するために東京へ。
朝から他の出席者たちとメールを交換しながら、こう誓い合いました。
「今日は思いっきり盛り上げて、楽しい一日にしてあげたいね」と。
この二人、この状況下で結婚式・披露宴をするかどうか悩んでいました。
実は、新郎の本籍地は宮城県気仙沼市。
10名以上のご親族が被災され、避難生活を余儀なくされています。
結婚式にも来ることは不可能ということもあり、気持ちが揺れていたようです。
しかし、両家のご両親や友人に背中を押され、勇気ある決断をしてくれました。
かくいう私も、結婚式開催を願った一人です。
「こんな時だからこそ、幸せなパワーを被災地に届けてほしい」。
そう心から思っていました。
友人である新婦は、多くの人に希望を与える最高の笑顔を持っている。
だから、この勇気ある決断には頭が下がる思いでした。
披露宴の冒頭、新郎からこんな言葉がありました。
「本日、皆様からいただいたお心遣い(御祝儀)の一部を
義捐金として被災地に送りたいと思います。
どうぞ最後まで、心の底から楽しんでいってください」
きっと、そう考えていると思いました。
そういう二人だから、不安な状況下でもたくさんの方々が駆けつけ、
笑顔でお祝いの気持ちを表してくださったのだと思います。
「被災地に届け!」と言わんばかりに、会場には笑顔と幸せが溢れました。
被災地は、今日も厳しい状況が続いています。
また、被災地外に住む人間たちも、どこか伏し目がちな毎日です。
しかし、こんな時こそ前を向いて、元気を届けたいと心底思います。
被災地外の私たちが沈んでいたら、被災地が立ち上がろうとした時、
その心を強力にサポートする人がいなくなってしまうから。
気仙沼市では市役所が機能を失っているため、
新郎は戸籍謄本を取り寄せることができません。
よって、挙式と披露宴を終えた今も、二人は入籍できずにいます。
でも、今日、私たちの前で胸を張って歩み出した二人は、
誰が見ても、どこから見ても、本当に素敵な「夫婦」でした。
「遠いところ、来てくれて本当にありがとう」と友人は言っていたけれど、
私のほうこそ「ありがとう」と伝えたい気持ちでいっぱいです。
目の前が明るくなった、とてもとても素晴らしい一日でした。
お二人とも、末永くお幸せに!!
【追伸】
被災されたご親族の皆様に深くお見舞い申し上げるとともに、
新郎新婦の想いが皆様のもとに届くことを願ってやみません。
被災地の一日も早い復興を、心よりお祈り申し上げます。