正月3日が終わると、世の中は・・・ | 宮川典子オフィシャルブログ「きょうの典気」Powered by Ameba

正月3日が終わると、世の中は・・・

今日も関係各所にごあいさつに伺いました。新年早々にもかかわらず、長時間にわたりいろいろなお話を聞かせてくださり、私も勉強になりました。中央道も渋滞、新宿までの特急も軒並み満席というUターンラッシュの今日、皆様はいかがお過ごしでしょうか?


3日ともなると徐々にお正月気分も抜け、お正月の特別番組も終わりニュースも多くなってきました。あいさつ回りを終えて自宅に戻ると、「公設派遣村」のニュースが流れていました。インタビューを受けている30代の男性が、「正月3日は安心して過ごせたけれど、明日からが不安で仕方ない」と言っているのを聞いて、「お正月♪」なんて浮かれてはいられない現実があることを痛感しました。


産業・経済の分野でグローバリゼーションが進むにつれ、日本でも人件費や人員を削り、海外の労働力を導入して競争力を高めようという傾向が強くなりました。そのために、新卒者が就職難に悩んだり、若者だけでなく中年層にもニートやフリーターが増加してしまいました。本来ならば”働き盛り”である20代~40代後半までの労働力が発揮されていない―。これが、日本の現状だと言えるでしょう。


今、第一にしなければならないことは、”働き盛り世代”の手に「労働」の場を戻すこと。高齢者雇用安定法などを鑑みながら、「人件費が安く済むから」という合理性だけにとらわれない雇用バランスを考え出す必要があります。現代日本の雇用バランスは、まさに「ひょうたん型」。30代~40代の安定就労者が一番少ないという、いびつな構造になっています。この構造を見直すのが、まず先決でしょう。第二に、「国際競争力に打ち勝っていくために」という短絡的な考え方から出された、外国人の労働力を注入しようとする政策を見直す必要があります。国内に日本人労働力が余っている時に、なぜ海外からの労働力を改めて”輸入”する必要があるのでしょうか?日本の経済を、まずは日本人の労働によって建て直していくことを考えなければ、どんどん失業者が増えていくだけだと思うのです。


そして、もう一つ。

住むところ、食べることに困っている人に戻る場所を取り戻していくこと、つまり家族共同体を取り戻していくことが必要です。昔は、「成功を目指して東京へ」行ったとしても、失敗したら帰ってこられる故郷や生家がありました。それは物理的な話だけではなく、家族同士のつながりがあったからだと思います。今は、親子さえも個別居住することが当たり前、家族共同体にも個別化の波が容赦なく押し寄せています。決して甘えるわけではないけれど、どうしても困った時に戻れる場所があるというのは、逆に人を強くするのではないかと私は思っています。


「公設派遣村」のニュースは、ただ就職が見つかれば解決する・・・といった簡単な問題ではありません。これに関わる問題は、現代社会のかなり深いところまで根を這ってしまっています。今後のグローバリゼーションのあり方、日本と日本人を大切にする政策のあり方、困った時に人と人との結びつきがセイフティネットになる社会のあり方を考えていかなければならない。ちょっとだけ切なく、深く考えに耽ってしまった夕刻でした。


きょうの典気・・・「曇り」

          (今もどこかで不安を抱えている人がいる。私には何ができる?!)