剣の心を極める! | 宮川典子オフィシャルブログ「きょうの典気」Powered by Ameba

剣の心を極める!


きらきらココロ

 松下政経塾では、「日本の伝統精神」を学ぶため、書道・茶道・剣道のカリキュラムがあります。書道では、ただ字を上手く書くのではなく、運筆の強弱や方法についてその人格を表すような書の書き方を教えていただきます。「名は体を表す」とよく言いますが、「字も体を表す」らしく、私は書道の先生に「宮川さんの半紙は、いつも満員電車みたいにぎゅうぎゅう詰めだねぇ」としみじみ評を頂戴したことがあります・・(笑)・・。茶道では、おもてなしの心を通して日本文化の美と奥深さと面白味を感じとります。入塾する前に少しかじった程度でしたが、先生のピリリと辛いご指導とお作法の奥ゆかしさの虜となり、カリキュラム外でもいまだにお稽古やお茶会での勉強に励んでいます。そして、剣道。ここに来るまではまさか竹刀を握ることなどないと思い、夢にも見ていませんでした。


 剣道の指導は、全国大会も制したことのある幸野大先生と、我が塾の古山塾頭。水の中のスポーツ以外はめっきり苦手の私ですが、剣道はなんともおもしろい!「メーン!」「コテ~!」と大きな声を出すと自然と身も心も引き締まり、練習を積めば積むほど「体が練られる」という感覚を味わうことができます。単に瞬発力や力強さがあればいいというものではなく、相手との間合いと眼を見て攻撃の機会を狙う、勝負感覚の強い武道だと感じています。竹刀をやわらかく握り、丹田に力を入れ、相手の眼を見る。体を練る。昨年の春、同期とともに初段に昇段することができ、満足していたのも束の間・・・私の野心が「二段を受けろ!二段を受けろ!」と何度も囁くので、今春は二段に挑戦することにしました。


 しかし、何分、剣道だけが私の研修ではないので、全然稽古ができない!時間がない!私以外は男性ばかりになってしまった塾内では、男性のスピードに負かされっぱなし!幸野先生や古山塾頭には「このままでは受からない!」とプレッシャーをかけられっぱなし!・・・そんな稽古模様だったため、私は次第に昇段試験への自信を失っていました。稽古をすればするほど、昨年の二段の昇段試験の様子を思い出せば思い出すほど、「安易な気持ちで、不十分な体で試験を受けてはいけないのではないか・・・」と思って意気消沈していました。しかし、同期の宇都塾生が剣道形の稽古を一緒に付き合ってくれたり、朝稽古をする私を塾頭や29期生が励ましてくれ、何とか気持ちを保って当日を迎えることができました。


 当日は、あれだけ騒いでいたのに不安がまったくなく、気合いがウナギ登りに上昇(私は政経塾で”気合いの宮川”と呼ばれています・・・)。競泳をしていた頃から研ぎ澄まされた勝負への執念と集中力はいまだ衰えず、何かが降臨したように気勢が充実していました。塾頭から励ましの言葉をもらい、いざ戦場へ!今思い出しても不思議になるくらい、自分の狙った技がズバッ!ズバッ!と決まり、会心の試合をすることができました(写真右の白い道着が私です^^)。


 結果は、幸野先生と古山塾頭、そして昇段試験に臨んだ仲間たちの応援により、見事合格!!

 思いがけず「剣道二段」となり、さらに「道」の奥の深さを感じている次第です。


 後日、政経塾のスタッフ連絡会で、昇段試験に臨んだ者全員が二段や初段に合格したことが報告されると、「宮川は塾生っていうより、女剣士やな~」と皆さんで笑ってくださったとか。応援してくださっていたことを知っているだけに、ありがたい気持ちでいっぱいです。


 三段を受けるには、あと2年鍛錬を積まなければなりません。三段を目指すかどうかは別としても、剣道がもつ精神性の高さを体現できるよう、また自己研鑽のためにも稽古を重ねていきたいと思っています。