読んでいて恥ずかしいほど甘酸っぱくてもどかしいです。

お互いにどうしようもなく惹かれ合っていることが分かります。日常の何気ないやりとりの描き方に心が焦げつくのです。

 

 

そして訪れるいかにもキスしかないでしょうと言う場面。しかし、ここで主人公はキスをしてもらえませんでした。

蝉がミンミン鳴くのをBGMに主人公は、

 

あれ………

「…………キス…?」

しないの?

 

となりました。

 

次の話(わ)で、主人公の女の子の方から

 

「………キ、

 キス

 しないの?」

 

畳、扇風機、熱、戸惑い、沈黙。

10ページくらい、ノンストップで息が止まる時間がやってまいります。

 

女の子は

 

「あたしがするから。」

 

南波あつこ先生だ! この場面、この盛り上がり方、南波あつこ先生ビックリマーク

女の子がただ受け身じゃないのです。 

 

 

最終ページのぎゅまで、畳の部屋で繰り広げられる二人の場面もステキです。

 

普段お洒落な背景を求める当方ですが、「青夏」の畳に心を揺さぶられます。少し汗ばんだ肌や腕に畳の痕がつく感じや日本家屋の匂いに包まれます。

 

座ったまま抱きしめる様、なんだかいいです。男の子は酒屋のエプロンをしたまま。

 

 

 

先日、横浜駅西口の有隣堂書店さんの前を通りました。いろいろな漫画の原画の複製が展示されていました。原画ってすっごく綺麗です。ほんと、あれをスマホの小さな画面でさくさくと読むなんてもったいないです。

 

当方、初めて知ったのですが、有隣堂書横浜駅西口店さんの漫画コーナーはスペースがどーんと広いのですね。最初、「少年漫画専門なのかー。時代は電子書籍なのね」などと悲しく思っておりました。ら、なんと、少女漫画コーナーは別にありました。

感激です。

 

しかも、無数の漫画家さんのサイン&絵の入った色紙が展示されているではありませんか。

 

クラウス様!

 

クラウス様がいらっしゃったのです。「エロイカより愛をこめて」の鉄のクラウスの絵が描かれた青池保子先生のサイン入り色紙。嗚呼。なんという幸せ。

メンタルがやられているときにクラウス様に出会うと運命を感じてしまいます。あなたはいつも私を見守っていてくださるのですね。思えば十数年ぶりに再会したあの時も……などと勝手に胸熱。

 

 

日本のサグラダファミリアと言われた常に工事中だった横浜駅、綺麗になっておりました。