No.14 皇帝円舞曲 Part..2

 

 

12巻の1話目で、女スパイ、マリー・アントワネットの話が終わります。

マリー・アントワネットが、実はただの良家の令嬢ではなくオーストリアのスパイだったと分かるのはこの話(わ)。コードネームが問題のマリア・テレジアではなく、マリー・アントワネットだったと分かるのもこの話(わ)。

 

47ページの最後のコマには、マリア・テレジアが登場。雑誌連載の時は、恐らくここで「次号に続く」という状態。この先を読まないわけにはいきません。

 

読者はKGBにマリア・テレジアという女スパイがいることを「皇帝円舞曲」の第2話から知っています。

読み返すと、マリー・アントワネットをマリア・テレジアだと勘違いしていたのはKGB(と読者)だけだったのです。CIAは普通の良家の令嬢だと思っていました。少佐はKGBの女スパイだと思っていました。

そして、読者がマリア・テレジアの正体を知っても、NATO側では「シュミット夫人」と呼ばれました。シュルツ夫人のコードネームがマリア・テレジアであると少佐が知るのは、最後の話。愛蔵版の13巻なのです。

 

長い。

とても長い円舞曲です。

 

 

11巻でうっかり者のおっとりしたおば様が一変。

年齢のせいか、マリア・テレジアをめっちゃ応援したくなりました。

 

↑11巻でのシュルツ夫人 まだ読者にもマリア・テレジアと分かっていません。

 

↓12巻でのシュルツ夫人

 

12巻でシュルツ夫人がマリア・テレジアだと分かってから11巻を思い出すと、マリア・テレジアの凄さが分かります。11巻の慌てぶりは演技。実は手紙はすり替え済みなのです。恐ろしい。

マリア・テレジアの最も恐ろしいところは、CIAのスパイのご主人と暮らしながら、自分がKGBのスパイだとバレていないところです。2番目に恐ろしいところは、KGBからの指令を待って32年間来る日も来る日もラジオ番組を聞き続けたところ。

 

 

小ネタ(?)もあります。

 

白クマとの会話に少佐がSISのロレンス氏の名を出します。白クマは不機嫌に。

 

 

白クマとロレンス氏は面識があるのです。それはずーっと前の「グラス・ターゲット」で。

この繋がりを知っていること、白クマが不機嫌になったことにエロイカファンは密かに喜ぶのです。