紙面が美しいです。溜息モノ。
全てのページがハイクオリティ。
遊び心もあるのです。ハプニングが起こった駅は「持田駅」。
ずん子さんが勤務する予備校の最寄り駅は「多森駅」。
大森駅に酷似しております。
「初めて恋をした日に読む話」のストーカーファンとしまして、グーグルマップで大森駅辺りをウロウロ。
ずん子さんとユリユリが追いかけっこをしたのはどこだったのか。一生懸命探しました。こういったことが楽しいのです。
結果、
「バカにすんな」
の横断歩道は分かりました。
ココカラファイン、GAMEセンターはしっかりと実在していました。
ですが、駐車場は見つけられませんでした。
ずん子さんは駅方面へ横断歩道を渡り、駐車場へ向かいました。そうすると、大森駅を越えた場所にあるタイムズということになります。その前に、ずん子さんが逃げている背景に歩道橋があります。歩道橋は大森駅から少し離れた場所にあるのです。多森駅周辺は大森駅周辺とは違うのですね。
ずん子さんの家の近くにあるオブジェ、いつかどこかで見つけられたら嬉しいなと思いました。
ストーリーの方では、ステキな言葉が紡ぎ出されております。
「今日の俺みたいな 詰んだ日 現役の時何してたの」
詰んだ日ってありますよね。人生辛口。時に激辛。
『大人になると人を好きになることがノルマに感じる時があるよ』
キました。涙が出そうです。
「東大行って仕事も家も車も
この先もっとでかくする自信ある
(略)
俺の今までクソみてーだ」
↑ハイスペック従兄の言葉です。刺さりました。
『頭の中で あの日のあの子の指を思い出してた』
”指”というチョイスが色っぽいです。
myfvrt はずん子さんの家が大好きです。
とても現実的なのです。
都内一戸建て。築年数が経っている感じ。年齢を重ねたお母様によるインテリア。
誠実で勤勉そうなお父様とお母様の内面が滲み出たような、華美でない、すっきりとした、暖かい雰囲気の家なのです。持田あき先生、槙ようこ先生のご実家がモデルなのかなと想像が止まりません。
郊外の最近のオシャレな建売でなく、都内に以前からある戸建てという設定にとても好感をもっております。