主人公が高校生だったころ父親からこう言われました。
「おまえは地元の大学に行って
小学校の教員をして教員と結婚して
中崎で暮らすっとが一番幸せになるっとじゃ」
(中崎は恐らく長崎県のこと)
言われた主人公は
「…私の幸せをどうしてお父さんが決めるの?」
と。そして上京しました。
『ここではないところへ行きたかった』
と心の声があります。
何だかティーンエイジャーのころを思い出してしまいました。
親からそう言われたわけではありません。
具体的な職業は違えど、きっとそういう風に願っていたのだろうなと伝わってきました。安定。
親ですもの。
「姉の結婚」を読んでいると、部分部分で心が動いたり、心に沁みてきたりするのです。
読んでよかったなと思いました。
ぞくっとした場面があります。
女の子を見送る登場人物の心の声が
『―――死んでしまえばいいのに』
だったのです。脈絡なく、いきなり。
頭の中が?????となりました。そして訳の分からない怖さに襲われました。
そこから4ページ後に種明かしがされていました。
女の子は不倫相手の娘だったのです。
心がずたぼろです。
女性は恋愛に対する心の比重が大きい人が多い気がします。若いと特に。
男の人って、どうなのでしょう。
それほど恋愛に重きを置いていないと想像しております。
なので、例えば政治家のような立場にある人が、スキャンダルを起したりすると、物凄く幻滅します。スキャンダルやアンモラルにアレルギーがあるのではなく、職業的な生命を色事に賭ける程度の人間なのかと。
当方、現実ではそういった頭がカッチカチの人間です。
なので。「姉の結婚」は、厨二男子が異世界ものにハマるかのように読んでしまいます。異世界なのです。