偽りの暮らしは年老いさせる世界
『人に必要とされること』を求められる世界
人々は人に感謝されるために働きます
自分のあるがままに生きて、他人に感謝される
それにはどうしたらよいのか・・・
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幼いころに両親を亡くし、引き取られた叔母の家でも身の置きどころのない少女ありすは、遠く離れた京都で舞妓修業を決意する。彼女のもとにやってきた老紳士に連れられて訪れた京都は不思議な世界だった―。ともに人間の言葉を話す、カエルのハチスとウサギのナツメと、ありすは京洛の森の謎に触れていく。
***************************************************** 文庫カバー裏書 ****
親を亡くして世話になっていた叔父さんから辛くあたられ、逃避するのは物語の世界でした
そしていつしか中学生になり「進学はさせられない」と言われたアリスが
15歳で生まれ故郷の京都で自活するために選んだ職業が舞妓さん
ところが迎えの紳士に連れてこられたのはもう一つの京都、京洛の森
そこはお金のいらない世界。
みんなが『自分を偽らない仕事』をしている世界・・・
舞妓になる修行は大変だったが
自分なりに一生懸命仕事をし、芸を磨こうと努力してきた。
何より置屋での生活は、心より楽しかったのだ。
【青字は本文より引用、以下同】
それでもアリスは次第に年老いていきました
師匠であり置屋の女主人である紅葉はいいます
「そうやね。あんたは、舞妓になりたないのに、なろうとしてるやろ」
・・・・
「そないな顔せんでええよ。
仕方ないことや、舞妓はあんたにとって『天職』やないっちゅうだけや。
ただそれだけのことやで。そやけど、このままここにいたら老いが進んで、
ほんで、いつの間にかこの世界から追い出される。そやけど、今なら間に合う」
そしてアリスは『自分のやるべき事を探す』ために置屋を出ます。
そして辿り着いた地図屋の亮平とのやり取りでアリスは気づきます
この世界の基本は、
「---功徳功徳なんだね」
・・・・
この世界の者は、自らが本当にやりたい仕事を行い、ヒトに善行を施すことで
徳を貯め、天から幸運を受けとり、自らの望みを叶える。
他人のために仕事をするわけではない。
他人のために、善行を施すわけではない。
すべては自分のために。だけど、それが結果的に人をも幸せにしていることなのだ。
・・・・
この世界は自分の心を優先させてこそ、生きられる世界なんだ。
そしてありすはほんとうにやりたかったお仕事に気が付きます
それはアリスのすきだった・・・
自分に偽らないお仕事についたアリスは元の姿に戻ります
そしてこの京洛の森で生きていくことをえらびます
わたしは当然のこと、現実世界に生きていますが
今のお仕事を天職と公言してはばからない生き方をしています
そしてがんばって掴み取った天職が、わたしのトランスを助けてくれています
立場の論理は認めるし
他人が建前と本音を使い分けるのは認めます
でもわたし自身は、出来るだけ本音で生きて行こうと努めています
自分を偽らず
わたしがわたしであるように!
一無為真人
あるがまま(^o^)/