あの書類が
返還されてこなければ
このタイミングで
あの店に行くことはなかった
あの曲が
ずっと耳に残っていて
また
会いたいな
って
さがしていたもの
ようつべにも
いなかったことは
今思えば
ラッキーだったと
返還されてきた書類の
2度目の配送手続きを済ませ
そのまま帰ろうか
きもちのいいお天気だし
寄ってみようか
陳列棚から
ひとつを手に取り
タイトルを確認する
ない
2個目
ここにもない
次・・・
アーティストの名前が
大きくデザインされたパッケージ
ふと
視界に
シンクロして浮き上がってきたもの
はぁっ!
なんでここに来るまで
これを見るまで
気付かなかったの
呆れてしまった
なんでもっと早く
ここに来なかったんだろう・・・
いえ、
昨日の今日でなければ
気づくことはなかったかも知れない
しゃがみこんだまま
時間を忘れ
いくつもの扉を開けた
ディスプレイに置き去りされた花が
舞台のどこかの城が
忘れ去られた物語の時が
落ち込んでいたタイトルが
ブックに埋葬された姫が・・・
雪崩のように
一気に押し寄せてきた
そうだ
そうなのだ
「愛」をもって
作り上げるということなのだ
すべては
愛
なのだ
