2026年あけましておめでとうございます。
今日は、
「シンガポールは移民に厳しい国だった。
でも、野蛮ではなかった。」
という話をしたいと思います。
本年もよろしくお願い致します。
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最近、日本では
シンガポールは移民政策に成功した国だ
という言い方を耳にするようになりました。
同時に、「あの国は
移民に対してとても厳しく
差別的なのではないか」
という印象を持つ人も
増えているように感じます。
確かに、制度だけを見れば、
そのとおりです。
シンガポールは経済のために
移民を受け入れ、
その条件から外れた人には
例外なく厳しい判断を下す国です。
人間的な事情(恋愛・妊娠)でも
例外はありません。
なお、ここで時々話題にされる、
シンガポールの外国人メイドの
妊娠に関する事例については、
私はすでに 2022年10月23日 に、
このブログで取り上げています。
↓2022年10月23日公開
メイドさんの恋愛と妊娠
シンガポール人の雇い主と恋愛して、
たとえ子どもができたとしても、
そのまま結婚できません。
ビザは即時にキャンセルされ、
本人は母国へ帰国しなければならない
というケースです。
この事例は、
シンガポールの制度が、いかに
経済合理性を最優先し、
個人の事情を考慮しないかを
端的に示しています。
ただ、私が12年間、
シンガポールで暮らしてきた中で
感じていた空気は、
いま日本で語られているイメージとは、
少し違うものでした。
私がシンガポールで学んだことは、
制度の厳しさと日常の態度は、
完全に切り分けられている事実です。
結論から言うと、
「制度としては外国人に
容赦なく厳しいが、
他民族を侮辱することは
タブー中のタブー」
という空気でした。
シンガポールで印象的だったのは、
リー・クアン・ユーが
一貫して進めてきた
「民族の融合」の考え方でした。
それは、異なる民族同士が
無理に理解し合うことを
求めるものではありませんでした。
理解できない部分があっても構わない。
ただお互いを、けなしあわないこと。
逆に、無理に変に擁護したり
持ち上げることもしないです。
ただ、
そこに存在すること自体を認める。
そのようなスタンスが、
日常の空気としても、
はっきりと示されていました。
それは、多様性万歳や、
多様性が素晴らしいという
左寄り思想とは違いました。
いろいろな人々が違う文化で
狭いところで生活しているから
しょうがないよね、
でもお互い生活の為だよね、
だから
誰にでもわかる公平なルールを
シンガポール人の為に作っておこう、
ということでした。
シンガポールの社会では
FAIR(公平)
という言葉が
とてもよく出てきます。
頑張ったら頑張った分だけ
得をするのがフェア、
誰かが他の理由で守られて
得したらアンフェア。
決まったルール内で、
努力して優れていたら得する。
負けても、頑張った分量の
ある程度のリターンはある。
それがフェアという社会でした。
日常の会話の中で、
もし少しでも他の民族について
否定的なことを
公の場所で口にすれば、
周囲の人たちも
「そんなことを言うなんて信じられない」
という反応をする。
その感覚は、私が暮らしていた
当時のシンガポールでは、
ごく当たり前のものでした。
相手の国や民族に対して
しっかり距離や警戒心を持つことと、
言葉で貶めることは、
本来は同じではないはずです。
その二つが混ざってしまったとき、
議論はいつの間にか
感情の発散に近いものになってしまう。
政府もそうした懸念を明確に示していました
- 公の場で他民族を貶めることは「最悪の行為」
- 野蛮で、恥ずべきことだと教えられてきた
- 冗談でもアウト、という空気
がありました。
シンガポールでは「言論の自由がなくて
民主主義的ではない」との反発もあり、
公園で国民がスピーチできるように
制度が変わったことがありましたが、
スピーチ内容は事前報告し、
監視の下での発言でした。
それじゃあ「非民主的だ」という
批判があるのも理解できますが、
その国の成り立ちを見れば、
「民族・宗教の話題が暴発した時の破壊力」
を、
シンガポールは誰よりも知っていたのです。
リー・クアン・ユーの
民族統合への強烈な意志と
それによって
国益を守る意思がありました。
経済で負けない制度を引いて
でも「悪口を言うこと=愛国」
ではないという
「線引き」が極端に明確な国でした。
経済政策と人間の尊厳を混同しない。
制度は冷酷なほど合理的。
しかし日常生活では、
人種・民族への敬意が絶対ルール
そんな国でした。
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※本記事の内容を引用・ご紹介いただく際は、
出典として下記リンクを
ご明記いただけると幸いです。
https://bit.ly/4qwwiCn
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ぜひ引用元として、
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