羽生結弦が切り開く新しい世界〜「ブラック・マジック」を添えて | MYの薔薇散歩

羽生結弦が切り開く新しい世界〜「ブラック・マジック」を添えて

「羽生結弦 notte stellata 2024」が、宮城セキスイハイムスーパーアリーナで3日間の公演を終えました。

 

今回も、交通の便の悪い利府の地に、しかも、初日は雪その他のために、交通機関の欠航、遅延などがあったにもかかわらず、万難を排して集まったファンで、会場は埋まりました。

 

「ブラック・マジック」

 

そして、その苦労をねぎらうような優しい「ノッテ・ステラータ」。第一部最後の、大地真央さんとのコラボ・プロ「カルミナ・ブラーナ」は、観客を驚愕と感動の渦に巻き込みました。

 

去年の内村航平さんとのコラボでも、あまりの素晴らしさ、凄さで、観客を驚かせた羽生さんでしたが、今年もまた、まるでオペラを見ているような臨場感で観客を別世界に連れて行くことで、フィギュアスケートの新たな可能性を見せてくれました。

 

 

そうかと思えば、第二部の最初の曲「Permission to Dance」では、映像出演ながら、ティーンのアイドルのような無邪気さ、可愛さで踊りまくり、観客をワクワクドキドキさせてくれました。

 

大トリを務めた最後のプログラム「ダニー・ボーイ」は、星野源さんの番組で源さんが大好きとおっしゃっていた曲で、こんなにも早くプログラムにしていただけるなんて、源さんもさぞお喜びなのではないでしょうか。

 

愛する息子を戦地に送り出す母親の悲しみを訴えかけるこの曲に、羽生さんは愛する人を失う全ての人々の悲しみを込めて演じ切り、彼の想いは見る者全ての心にしみ渡り、涙を流していた方も大勢いらっしゃいました。

 

 

感動のフィナーレでショーは終了し、翌3月11日は東日本大震災の記念日。羽生さんは、地震発生の午後2時46分に黙祷を捧げ、インタビューでは新旧の災害被害者支援への変わらぬ決意を語ります。

 

11月、1月、2月と続いていた「RE_PRAY」の公演。なぜ12月がないのだろうと、ファンはいろいろ想像、妄想していましたが、わかってみれば、「notte stellata 2024」の準備期間だったのですね。

 

 

考えてみれば、(「Permission to Dance」も含めて)三つの新たなプログラムの振り付けを覚えなければならず、中でもカルミナは、大地真央さんとの打ち合わせもあるわけで、「RE_PRAY」が終わってからの1ヶ月足らずの間にすべての準備を済ませることは不可能だったでしょう。

 

「カルミナ・ブラーナ」も「ダニー・ボーイ」も、これまで見たことのないようなジャンプやスピンを取り入れていて、フィギュアスケートの限界をどんどん広げている感がします。

 

 

「羽生結弦 notte stellata 2024」は、3月28日にBS日テレで放送されるということで、CS契約をしていない方も見られます。

 

4月7日、9日には、宮城セキスイハイムスーパーアリーナで、「RE_PRAY」の追加公演もあります。5月にはFaOIも始まりますし、羽生ファンは、お楽しみがいっぱいです。

 

今回は、「運命の黒い女神」を演じられた大地真央さんに「ブラック・マジック」を捧げます。