翌日、みっちゃんからメールが入りました。


とおるが、『チームの中にスパイがいる』と言って来たらしい…


『メンバーしかしらんことを知ってた』


『誰が通じとるんか、調べないけん』


『みっちゃん、誰か知らんよね?』


『あたしよ!』


そう言いたいのを、必死で抑えたそうです。


話すことは簡単だけど、今はまだ時期じゃない…


そう、話すのはチームを辞めるとき!


『別にそんなんいいやん!』


『いんや!チームの中に裏切り者がおるんやけ!』


なぜ、とおるはチームのメンバーがみんな自分の味方だと思ってるんだろう?


離婚して、わたしが練習に行かなくなっただけで、それまではみんなひとつのチームで家族のように付き合って来たのです。


わたしととおるの関係が崩れただけで、メンバーとの関係が崩れたわけではありません。


しかし、とおるは『(離婚後わたしが参加しなくなっても)みんながチームに残ったのは、オレを信頼してついてきてくれると言うこと』


『みんなとうまく行ってるのに、かきまわされた』


とおるが一番恐れていたのは、わたしがメンバーに『借金』の話をするのではないかと言うことだったのではないかと思います。


それを隠すために、さんざんわたしを悪者にしてきたのですから…


もちろん、彼女にも知られたくはないでしょう。


そして、なんととおるは、メンバーひとりひとりに電話をかけ、
『自分と彼女のことをミキ(わたし)話したか?』


『いまだにミキと通じてるのは誰か知ってるか?』


を聞いてまわったのです。