これは嵐君の名前を借りた妄想物語です。腐要素有。嵐君好き、BoysLoveにご理解のある雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ
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【始】
#2
西麻布署の鑑識を辞したにのあいコンビが、次に向かったのは被害者の懐深壮亮(なつみそうすけ)殺害現場のカラオケスナック『タイムカプセル』である。店の前にはイエローテープが張り巡らされ、1人の制服警官が見張りに立っていた。
黒のキャップを後ろに被り、英語のロゴが入ったややオーバーサイズ目のTシャツにカーゴパンツを穿いた二宮と、格安スーツをこれでもかとばかりにスタイリッシュに着こなした相葉のコンビは余程怪しく見えたのだろう。若い制服警官は訝しげに2人を睨みつけ、警察手帳を見て漸く慌てて敬礼した。
「し、失礼しました!♭どうぞ!♭」イエローテープを潜り現場に入った2人は、直ぐに警官用の白手袋を着用し、改めて犯行現場を検分する。被害者が倒れていたと思われるカラオケマシンの前には白いテープで人型が囲われており、頭部の位置には黒ずんだ血溜まりがグレーの絨毯に染み込んでいた。
「それにしてもさっきは凄かったねぇ~ニノちゃんっ!♪現場写真を見て直ぐに傘立ての傘に気がついたんだねっ!♪俺なんかお腹いっぱいで捜査会議の間うっかりウトウトしそうになっちゃったのにっ!♪」
「あーいいのいいの、ヨシギュウの話なんて聞くだけ無駄よ。まぁ、相葉君の場合は捜査会議の内容なんていつもよく分かってないだろうけど」「たまには分かるわいっ♭」「たまじゃ駄目でしょ~に♭」この店にあるカラオケマシンは演奏した曲の略歴が見られる様になっている。最後に歌われたのは午前0時10分のビリーバンバン『白いブランコ』だった。
「やっぱりね~。聞き込みの記録によると、最後の来店客が店を出たのが午前0時20分頃。被害者にタクシーを呼んで貰ったから良く覚えてるって証言してる。この来店客がカウンターで寝込むゆっちーを見てるんだから、『白いブランコ』を歌ったのはこの最後の客って事だよね?
ヨシギュウはゆっちーとのイベント練習中に、賞金の分け前で揉めたとか力説してたけどさ、その割にゃ曲を練習した形跡が何にもないじゃん。確かイベントではゆっちーのボイパと合わせてここのマスターが熱唱する予定だった訳でしょ?
そもそもボイパと合わせるのにスローなフォークソング曲の『白いブランコ』ってのもちょっと変だし、第一ここのマスターは永ちゃんのファンみたいだよ。略歴を見ればほら、『時間よ止まれ』『止まらないHA~HA』『SOMBODY’S NIGHT』『ファンキーモンキーベイビー』って割とロック寄りの、永ちゃんの曲ばっか歌ってるじゃん。
だとすると多分被害者は永ちゃんの曲でイベントに参加するつもりだったんだろうし、もしもゆっちーが爆睡してなきゃ店を閉めた後で練習してたと思うんだよね。それをしていないって事はよ、ゆっちーが爆睡している間に被害者を誰か別の第三者が殺害して、その罪をゆっちーにおっかぶせた可能性があんのよ」
「ホントだぁ~♪やっぱニノちゃんって目の付け所が天才的にひねくれてるよねっ!♪」何の悪気も感じさせず元気に悪態を付く相葉に、二宮は「全力で褒めてくれてありがとう♭」と顔をひきつらせた。
「ゆっちーの衣服には飛沫血痕が付着していなかったんだよねぇ~。でも雨に濡れた形跡も無かった。ここに来るまでの間に天気予報を調べてみたけど、この辺りに雨が降ったのは事件当日の午前0時40分から2時40分までの約2時間だけ。
詰まり最後の客が帰ってから20分後に降り始めた。なら雨に濡れた形跡の無かったゆっちーは少なくとも雨が止んだ2時40分より後に店を出てなきゃなんない。すると被害者の死亡推定時刻には確実にゆっちーは店内に居た事になる…。
でも被害者の血痕が付着していたのは取ってつけたみたいなシャツの裾だけで飛沫血痕は無かった…。それにゆっちーは雨に濡れていなかったのにゆっちーの傘は雨に濡れていた…。普通に考えたらゆっちーが寝てる間に被害者が何らかの事情で借りたって事になるけど…。
それなら被害者の指紋が傘に残ってなきゃ変なんだよねぇ~…。でも指紋は拭き取られてた…。それじゃ犯人が使って傘立てに戻した?何の為に…?」二宮はブツブツと独り言を言いながら店内をうろついている。
こんな時は二宮の脳細胞がフル回転している最中なので、相葉は邪魔をしない様黙って店内を見回していたが、ふとカウンター席に並べてあるコースターに視線を止め、思わず「へぇ~♪ゆっちーの傘とおんなじだねっ♪」と声を上げた。二宮が振り返る。
「何が同じだって?」「ほら、このコースターも時計模様じゃんっ♪きっとお店の名前が『タイムカプセル』だから時計模様なんだねっ♪」そんな相葉の言葉に二宮がハッとしてコースターを凝視した。「確かに同じだ…♭さすがは相葉君♭いつもながら野性的なミラクルを起こしてくれるなぁ…♭」
二宮はおもむろにスマホを取り出すと、「確か捜査資料の中にあった筈…」と、もの凄い速さでスクショ画面をスライドさせている。そして1つの資料に目を止め、「相葉君、次の目的地が決まったよ♪」と、満足そうに微笑った。
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『タイムカプセル』の次に2人が向かったのは小さなデザイン工房である。『ふぁんしぃ~♡ふぁくとりぃ~』と言う名のその工房は、注文に応じてオリジナルグッズなどを製作してくれる工房で『タイムカプセル』の御用達だった。
「ああ、あの傘ね。去年の今頃ウチで作った物ですよ。マスターの懐深さんが店の5周年記念で常連客に配るんだって言ってね。限定で10本。みんな喜んでくれたってそりゃあ嬉しそうでしたよ。気のいい明るい人でしたけどねぇ。まさか亡くなるなんて…」
『ふぁんしぃ~♡ふぁくとりぃ~』の店長はそう言って残念そうに顔を曇らせた。この聞き込みが今回の殺人事件の様相を大きく変動させるきっかけとなったのである。文字盤柄の傘は10本存在しているのだ。
これで殺人現場に残っていた傘が本当に中丸容疑者の物だったのかどうかが分からなくなった。否、中丸容疑者の物では無かったとする方が諸々の疑問に筋が通るのである。
「要するに犯人は間違えたんだよ。同じデザインの傘が傘立てに2本。犯人は自分の傘じゃなくて中丸容疑者の傘を持って帰ったんだ。だから中丸容疑者の着衣は雨に濡れていなかったのに、傘は濡れていた。犯人が店に来た時は大雨だったっつ~事。詰まり、真犯人は傘が配られた容疑者の中にいる。
勿論だからと言って中丸容疑者の容疑が完全に晴れた訳じゃないけどさ、犯人が別に居て、始めから被害者を殺害するつもりで閉店後に店を訪ねたとしたら、自分の指紋が残らない様に手袋を着用していた筈だよね?
傘に指紋が残っていなかったのもそれで説明がつくじゃん。自分の傘なら丁寧に指紋も拭き取るだろうしね。店に残っていたのは中丸容疑者の傘じゃなくて犯人の傘だったんじゃないの?」
二宮の説明に吉塩牛刑事は「単なる推測だ!」と文句を言ったが、第三者が存在した可能性がこの事実で今までよりもずっと濃厚になったのは確実である。少なくとも中丸容疑者の他に、9人もの容疑者が居る訳だ。
二宮は他にも中丸容疑者の着衣に飛沫血痕が見つからなかった事にも触れ、雨が降る夜は気温が下がるので、店で眠り込んでしまった中丸容疑者を心配し、被害者自身が何か掛けてやったんじゃないかと示唆した。
中丸容疑者がどのタイミングで睡眠導入剤を飲まされたのかは未だ不明だが、仲のいい常連客が泥酔した状態で熟睡していたら、カウンターではなくテーブル席のソファーにでも寝かせて何か掛けてやるだろうと言う、被害者の立場に立った二宮の意見にはかなりの説得力があった。
もしテーブル席のソファーでブランケットの様な物を掛けられていたとすれば、中丸容疑者の着衣に飛沫血痕が付着していなかった事への説明もつくのだ。だが犯人にしてみたら中丸容疑者はおあつらえ向きのスケープゴートである。
掛物を現場に残し、それが被害者の死亡推定時刻に中丸容疑者が眠っていた証明になってしまうと都合が悪いのだ。だから犯人は掛物を現場から持ち去り、代わりに中丸容疑者のシャツに被害者の血痕を付着させた。
勿論吉塩牛が指摘した通り、全ては二宮の推測である。だが、中丸容疑者は犯人ではなく、犯人に仕立てあげられたかも知れないと言う疑惑が浮上した以上、ずっと拘留する訳にも行かないであろう。
吉塩牛は苦虫を噛み潰したような渋面を浮かべながらもその日の内に中丸容疑者を証拠不十分で釈放したのだった。
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「二宮刑事、相葉刑事、本当にありがとうございました」その夜、現在は営業停止中になっている『クッキング野郎』の座敷席では、にのあいコンビに特製の親子丼を振る舞う中丸店長の姿があった。
「未だ事件は終わった訳じゃないからね~。あなたはあくまでも容疑者の1人なんだから我々が奢って貰う訳には行かないのよ」料金は払うと二宮が説明するよりも前に親子丼を食べ始めた相葉は「うんめぇ~♪ゆっちーありがとう♪♪」と座布団の上で喜んでいる。
「相葉君それ、ちゃんとお金払うんだよ♭」奢って貰う気満々の相葉に一応釘を刺してから、二宮は「所でさ、ゆっちー。あの日『タイムカプセル』に行った時、常連客の誰かと店で会わなかった?」と中丸に確認した。
「それなんですけどねぇ…。逮捕されてから俺もずっとその事を考えていたんですけど…。あの日はやけに酒の回りが早かったし、特に気になる素振りをした人もいなかった様に思うんですよねぇ…」頼りなさげに首を傾げる中丸に相葉が「ゆっちービール!♪」と陽気に注文する。
「相葉君さぁ♭ゆっちーは休業中なんだから、お仕事させるんじゃないよ♭」「えぇ~?!♭いいじゃん!♭どうせお金払うんだし、ゆっちーだってお店が休みじゃ儲かんなくて可哀想でしょ?!♭」
今は勤務時間外なのでビールを飲む事に異論は無いが、事件としては始まったばかりである。「相葉君はいつも呑気でいいねぇ~♭これからが大変なのに♭」二宮は呆れた顔で親子丼をせっせと掻き込む相葉を眺め、中丸は「いいよいいよ。ビールなら冷蔵庫に瓶のが沢山あるから」と、ニコニコして腰を上げた。
「あっ、そう言えばラストオーダーギリギリにウチに駆け込んで来たお客さんがいたなぁ~。ほら、ウチってラストオーダーが夜の10時だから、そんな時間にロースカツを注文するお客さんがいたんで結構印象に残ってんだよ。
歳は20歳そこそこ位の学生みたいな子でね、 “この時間にロースカツなんて若いね” って声を掛けたら、ニッとして “今から大勝負するんで気合い入れる” っつってたよ。 “大将も一杯どう?” なんて言うもんだから彼の飲んでた瓶ビールを一杯…」
「そいつだ!!♭♭」二宮と相葉は同時に叫んで厨房に行きかける中丸を慌てて引き止めると、その学生風の若い来客の事を詳しく尋ねた。「確かゆっちー絵が上手かったでしょ?!♭ちょっと犯人の似顔絵描いてみて!♭ほら相葉君!3軒先のコンビニでノートとペン買って来んの!♭大急ぎ!♭」
財布から500円玉を出した二宮はそれを相葉に握らせ、急げ急げと急き立てる。「いや、ノートとペンなら店にあるから♭」靴を履こうとする相葉の背に中丸が声を掛け、そそくさと厨房に赴いた。
やがて中丸は瓶ビールと一緒にノートとペンをトレイに乗せて持って来ると、その時の客の顔を思い出しながら似顔絵を描いて行く。単純な線でスラスラと描いていたが、特徴を良く捉えた上手い絵だ。そして出来上がったのは、おとなしそうな顔立ちの、眼鏡を掛けた細面の青年だった。
「相葉君、明日からこいつ追うよ」「OKニノちゃん!♪」前哨戦とばかりにささやかな飲み会を始めるにのあいコンビを、中丸は穏やかな笑顔で見つめている。外では雨が降り始め、梅雨時の夜を湿った空気で包んでいた。だが、そんな時にも犯罪者は次の獲物を屠るべく、悪魔の爪を研ぎ澄ませていたのである。
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「もう堪えられない!♭俺、自首するよ!♭お前の事は絶対に言わないから…!♭♭」渋谷区某自然公園。そぼ降る雨が初夏の若葉を濡らし、公園の街灯に光の線を映している。怯え切った表情で懇願するのは見るからにチャラチャラとした、未だ年若い青年だった。
いつもはカッコ良くセットしているであろう脱色した立ち髪も、今は雨に濡れてペタリと若者の額に張り付き、そこはかとない不憫さを誘っている。そんな哀れな若者に、相手は大振りのサバイバルナイフで容赦無く凶刃を振るったのだ。
恐怖の叫びを上げ、逃げ惑う若者に幾度となくサバイバルナイフの刃先が突き立てられる。やがて公園の花壇の傍らで力尽きた若者の身体を、相手は時計の文字盤が描かれたビニール傘でそっと覆い隠したのであった。
To Be Continued
『時計じかけのアンブレラ』【始】(終)
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どうにか間に合いました~
今回は一気に更新でっす🤗頭脳派ニノみぃ~の名推理で、ゆっちーは無事に釈放されました
ですが事件は更なる凶悪犯罪を産み出します
次のメインはお山の日特別企画の翔君です(`・3・´)❤️
このシリーズの翔君は大学教授でしたね~♪そろそろあのドS探偵&ドM弁護士のカップルも登場するかも…💜💙少し間が開きますが、次回は8月11日のお山の日特別企画『時計じかけのアンブレラ』【連鎖】でお会い致しましょう


改めまして二宮和也君(.゚ー゚)
💛ᕼᗩᑭᑭY ᗷIᖇTᕼᗞᗩY💛
『マイファミリー』とても楽しく観ておりましたd(≧▽≦*)ジャにのちゃんねるも大きな記録を打ち出し、遂に24時間テレビのMCにまで抜擢される大快挙でしたね~

ニノみぃ~が番宣で出演した『A-studio』も色んな意見がありましたけど、私には嵐君達、特に大ちゃんに対する大好きモードが溢れていた様に感じましたよ~💙(大´・∀・`人 .゜-゜宮 )💛
いつも大ちゃんを心配してくれてありがとう
ニノみぃ~の更なる活躍と幸せを祈ってます