これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し


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『ラピット』のプレゼンからそろそろ1ヶ月。6月も後数日で終わり、真夏の暑さが始まりそうな気配も漂い始める頃。潤と智は社長室に呼び出され、出張の命令を受けた。いつもならマーケティング部長の二宮から発令される事柄だが、今回の出張に関しては社長の松本暉雄も合流するらしく、社長直々の命令となった。


「出張先は石川県金沢市だ。2人に同行して貰いたいのは取り引き先からのたっての頼みだったからだ。もう湯涌温泉の宿も抑えてある。実はな、『ラピット』に続くペットロボットの開発と生産を任せたい企業が金沢にあるんだよ。


おかげで『ラピット』の売り上げが好調でな、次に予定しているショウガラゴ型ペットロボット、『ガラット』の発注が間に合いそうにないんで、新しい企業と契約する事にした。元々小物や雑貨の生産を扱っていた企業だったから小物雑貨制作のノウハウは持っているし、技術的には問題無いと判断した。


ただ例のストーカー事件の煽りをモロに食らって親会社から契約を打ち切られてしまってな、いわゆる風評被害ってやつだ。あの須賀谷の父親の会社だよ。


まあ、須賀谷自身は上京してから一度も帰っていなかったらしいし、父子としては完全な絶縁状態だったそうだが、とっくに縁の切れた父子とは言え、世間はそう見ないだろう?影響は大きかったらしい。


あのストーカー事件はお前達始め、我が社の社員に重要な関わりがあったから、取り引き先からあの事件に纏わる色んな話が耳に入って来る。そこで須賀谷の父親の企業が倒産の危機だと聞いてな、これはいかんと我が社で引き受ける事にした。


言うなれば被害者が加害者を救助する格好になる訳だから、世間は売名だとか、何だとか色々口さがない事を言うかも知れん。だが、例えどんな形であれ、我が社の社員が関係している以上、見て見ぬふりは出来ん。ましてや確かな技術を持っている企業なら尚更だ。


社長の須賀谷豪史(すがやごうし)さんと何度かリモートで会話をしたが、職人気質の立派な人だったよ。取り引きの話を持ち掛けたら馬鹿息子の不祥事なんだから自分は親として責任を取らなくてはいけない、甘える訳には行かないと、初めは断られてな。説得するのに苦労したよ」


暉雄社長はハハハハと明るく笑い、「それでも首を縦に振ってくれたのはぶっちゃけ『ガラット』の受注生産で生じるであろう収益の概算が須賀谷社長の企業を確実に救えるからだ。私の誠意も多少は通じたのかも知れんがね」と胸を叩いた。


「何か聞きようによっちゃ弱みにつけ込んでるみたいな話なんだけど…♭親父…いや社長に言われたら断れないでしょうに♭」潤の意見に暉雄社長は頷き、「だからお前達の出番なんだ」と、潤と智へ順繰りに視線を向けた。


「須賀谷社長は「せめて息子が拉致監禁したと言う被害者の2人に会わせて下さい」と私に頼んで来た。1人が私の息子である潤、お前だったのも大いに関係しているだろう。お前達に直接会って謝罪させて欲しいと言うのが須賀谷社長のたっての願いだ。当然受けてくれるだろう?まさか大切な取り引きを潰したりしないよな?」


ほぼほぼ脅しの様な暉雄社長の言い分だったが、それが風評被害から須賀谷の父親の企業を救う1番いい方法だと判断したからであろう事は明白である。ストーカー須賀谷をあんな男にしたのは親の責任だと世間が叩く中で、ストーカー被害者側がその親の企業に助け舟を出せば、恐らく風評被害は最小限に抑えられるだろう。


企業に取って何よりダメージが大きいのは風評被害なのだ。暉雄社長の言うように売名だと『株式会社EARTH LIFE』を揶揄する連中も一定数は居るだろうが、それとは逆に潰れ掛けた加害者側の企業に手を差し伸べた事を賞賛する声も多い筈である。


『株式会社EARTH LIFE』に取っても、須賀谷の父親に取っても損より得が多くなる事は明らかだった。「相変わらず狸だな~♭」呆れる潤に暉雄社長は「言って置くが予算の関係で宿は2部屋しか取ってないからな。お前らは一緒の部屋だぞ。私は一番いい部屋で1人ゆっくりと過ごす」と偉そうに告げて豪快に笑った。


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石川県金沢市湯涌温泉。金沢の奥座敷と呼ばれるこの温泉街に、ストーカー須賀谷渉の父親が運営する企業があった。金沢の初夏は気候がよく、もし仕事でなければのんびり観光でもしたいと思える程気持ちのいい時節である。


須賀谷の父、須賀谷豪史は50絡みの厳格そうな男で、背の高い痩せぎすの風貌は息子の渉と良く似ていたが、死んだ獣の様な目をした無表情の息子に比べ、この父親の目は真摯で誠実な輝きを秘めていた。


須賀谷社長の『百万石商会』は社員50人程の中小企業で、土産物や便利グッズ等の小物雑貨の企画製造を請け負っており、この観光地で商売をするには、ストーカー事件の風評被害はいかにも厳しいのではないかと思われた。


「この度は息子の渉がとんだご迷惑をお掛け致しまして、本当に申し訳ごさいませんでした!」暉雄社長始め、潤と智が会社を訪ねた時、須賀谷豪史は開口一番そう叫んで地べたに額を擦り付けて土下座した。社長に並び他の社員達も頭を下げ、潤と智は慌てて須賀谷社長を立たさなくてはならなかった。


そんな須賀谷社長と社員達の様子を見ると、この企業がこれまで誠意を持って仕事を行って来た事が良く理解出来る。社員達との絆も深いに違いない。須賀谷社長は、取り分け息子の渉が執着していたと言う智の手を取り、「すみません、すみません」と、涙を流して何度も頭を下げた。


「そんなに謝らないで♭もう全然大丈夫ですから♭」困った様に眉尻を下げ、頭を垂れる須賀谷社長の背中を労る様に撫でながら、智も一緒になってペコペコ頭を下げている。その様子が何とも微笑ましく、緊迫した空気が一気に和らいだものになった。


それからの取り引きはかなりの大成功だったと言えるだろう。暉雄社長と須賀谷社長が応接室で契約を交わしている間、潤と智は社員の人達と様々な意見交換をして交流を深めて行った。


技術的な事は潤が、プライベートな世間話は智が、そんな絶妙な役割分担で、社員達とすっかり打ち解けた潤と智は、契約が終わる頃には事務所のテーブルを囲んで社員のみんなと金沢の初夏の名物『氷室饅頭』を食べながらコーヒーを飲むまでに親しくなった。


「今度は観光でおいで下さいね〜♪」『百万石商会』のみんなから笑顔で見送られた暉雄社長と潤智コンビは、暉雄社長イチオシの宿『百楽荘』へと赴いた。ここは別邸のある高級旅館で、暉雄社長は別邸の部屋へ、潤と智は本館の部屋へと宿泊の手続きが成されている。


何でも本館の宿泊客は別邸の設備が使えないとかで、暉雄社長は「私は今から贅沢な時間を1人優雅に楽しむんだから絶対に邪魔はするな。2泊3日にしてあるから後はお前らで勝手にしろ」と、すっかり観光気分でとっとと自分の宿泊する別邸へと行ってしまった。


恐らく潤を後押ししたつもりなのだろう。立ち去る父親の背中を見送りつつ、潤は暉雄社長から「この出張期間で決めないといよいよ終わりだぞ」と発破をかけられている様な気がして思わず苦笑した。


暉雄社長の宿泊する別邸は未確認だが、2人の為に予約されていた本館の部屋もかなり贅沢な物である。初夏の美しい山間の風景が一望出来る純和風の広いモダンな部屋で、温泉も併設されていた。


「いい部屋だなぁ〜♪普通の客室でこんなすげぇんなら暉雄社長の別邸ってのはどんだけすげぇのかなぁ〜?♪」嬉しそうにはしゃぐ智の肩を抱き、一緒に外の風景を眺めながら、潤はここに来る前に2人で決めた約束の事を思い出していた。


それは始めてキスをしたあの雨の日の翌日。潤の作ったエッグベネディクトとコーンポタージュの朝食を食べながら始めた会話である。ここよりも、もっと広いマンションで同居しないかと潤が提案した事で、話の内容はおかしな方向へと向かって行った。


もし今後恋人同士として付き合うのなら、彼氏と彼女の立ち位置はどっちがどっちなんだと言うありがちの会話である。お互いに同性と付き合うのは初めての事なのでその辺が良く分からなかったのだ。


潤としては智の彼氏候補のつもりなので、彼女ポジションは智の方だとの認識があったのだが、智にも自分の方が歳上で上司だからとの言い分があり、それなら互いの立ち位置をちゃんと決めておこうと言う事になった。


勝敗の決定はじゃんけんの3本勝負である。結果潤が勝利し、彼女ポジションは無事に智だと決まったのだが、そうなると今度はセ ッ クスはどうするんだと言う話になり、いずれ事に至る時の為に、前もってちゃんと準備しておく必要があるんじゃないかと言う結論に達した。


そこで2人は引っ越し先を探すのと同時に、快適な 性 生活を営める為の準備方法を模索し始めたのである。いささか大袈裟に過ぎるかも知れないが、潤も智もかなり本気で恋人として付き合って行くつもりになっていたので、性 欲 処 理の問題は避けては通れない最大の課題だった。


そんなさなかの出張命令である。潤にとっては勿論、智にもまたこの旅は2人の関係をより親密にする為の絶好のチャンスだと言う気持があった。いつもと違うこの心躍る様な環境でなら、きっと素敵な初体験になるに違いない。2人はどうせならこの出張で初夜にチャレンジしてみようと約束していたのである。


「どう?智…♪出来そうか?♪」潤がさり気なく尋ねてみると、智は「そうだなぁ〜…♪」と呟いて傍らの潤を見上げた。「あんま痛くすんなよ?♭ヤられんの俺なんだかんな♭」「分かった…♪最大限の努力をしてみる…♪例のやつ一応持って来たけど…♪試してみよっか…?♪」「うん…♪やってみる…♪」


少し恥ずかしそうに頷く智を優しく抱き締め、潤は山肌を赤く照らす夕陽を何処か擽ったい様な気持ちで見つめていた。


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暉雄パパの粋な計らいで温泉旅館にお泊まりの潤智ですウインク因みに金沢湯涌温泉の『百楽荘』は実在する高級旅館でございます♨️ホームページを観ましたが、とっても素敵な場所でございましたおねがい


それにつけてもカレカノポジションをじゃんけんで決めるとは何ともテキトーな2人爆笑ま、どう転んでも智君右側固定は揺るぎませんけどね〜てへぺろ


次回限定行けるかな?18禁唇いずれにせよこのお話もいよいよラストスパートグッド!ウインク潤君の言う例のやつとは一体何なんでしょ〜?何やら艶めいた匂いが致しますのぅ〜💜💙