これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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ヨットハーバーに繋がれた立派なクルーザーを見上げ、大野は嬉しそうに目を輝かせた。松本がマーケティング部に異動になってから初めての休日である。松本は約束通り、父親からクルーザーを借りて大野と早朝から釣りに出掛けたのだった。

色違いのウインドブレーカーにキャップ。2人共防水仕様のいかにもな服装にも関わらず、松本はサングラスも良く似合っており、やけにスタイリッシュに見える。天気は快晴で恰好の釣り日和だ。「何でも良く似合うなぁ〜♪」感心する大野に松本は「何を仰いますやら♪正真正銘の海の男には敵いませんよ♪」と、微笑った。

「出発進行!♪」大野の見事な舵さばきで大海原に出航したクルーザーは、初夏の気持ち良い潮風と共に松本の気分を高揚させた。真鯛の釣れるポイントに到着し、釣り糸を垂らす。凪いだ波に朝の陽が反射して美しく輝いていた。

「いい天気で良かったっすねぇ〜、課長♪船を操縦する姿すげ〜イケてましたよ♪」松本が褒めると大野は満更でもなさそうに「おっそうか?」と照れ笑い、操縦席を振り返った。

「しっかしいい船だよなぁ〜♪維持費高ぇけど自分のクルーザー持つってやっぱカッケェ〜わ♪いっぱい釣って社長にお礼しなきゃだな♪」「あ、それ親父も言ってましたよ♪沢山釣れたらウチに持って来いって♪なので釣果があったら課長にも僕ん家来て貰わないと♪家族総出で待ってますよ♪」「マジか?♭緊張するわ〜♭♭」

そうは言いながらも大野はとても楽しそうだ。セットしていない髪がナチュラルに額を覆い、いつもの童顔が1層際立っている。「松潤の家族構成ってどうなってんだ?ウチは両親と姉ちゃんだけど…」「松潤?初めてニックネーム呼びしましたね?♪偶然にも我が家も両親と姉1人です♪」

松本の素早い反応に大野もつい笑ってしまう。「あっホントだww相葉ちゃんが松潤って呼んでたからつい…っつ〜か、会社以外で “課長” だの “松本君” だのも何か他人行儀だし、プライベートではニックネームで行くか?」

この申し出は願ったり叶ったりだ。「じゃあいっその事、下の名前で呼んで下さいよ♪」「“潤” か?それもいいな♪じゃあ俺はどうする?『釣りバカ日誌』とかだと “スーさん” だから “オーさん” か?何か変だよなぁ〜💦 “サトさん” もしっくりしねぇし、“オーちゃん”  “サトちゃん”  …何かダメだ♭俺のが歳下に聞こえる💦」

「何すか?♪その歳上主張♪普通に “サトシ” で良くないっすか?♪3歳しか違わないんですよ♪」「お、おぉそうだな♭潤と智のが未だ対等な気がする♪それで行こう♪でも会社では課長だぞ♭」「了解しました♪」

おどけて敬礼する松本に大野も敬礼で返し、「潤♪」「智♪」と呼び合ってひとしきり大笑いしていると、仕掛けた竿がやにわにグインとしなる。「おわっ!潤!掛かってるぞ!」「智のも!」慌てて釣竿を持ち、獲物との格闘が始まった。かなりの大物だ。「こりゃ大物だぜ!いきなり全部巻くな潤!巻いて、緩めてを繰り返して少し疲れされてから上げろよ!」「OK智!少しづつだな?!」

智のやり方を参考に、潤も真似してリールを調整する。暫くすると薄紅色の魚影が見えた。紛れもなく真鯛だ。それも40センチは下らない大きな真鯛である。「うぉぉ!♪でけぇぞ〜!♪」「すげぇ!♪やった!♪」

それからは入れ食い状態でデカいのがバンバン釣れる。ビギナーズラックとでも言うのだろうか?潤にしてみれば初めての経験で、釣りがこんなにも楽しい物だと改めて気付かされる思いがした。

真鯛の他にもメバルやシマアジまで釣れて釣果は絶好調である。クルーザーのキッチンで智が鯛を捌き、2人で美味しく刺身を食べたが、あまりにも大漁過ぎて、2人は早々に釣りを引き上げなくてはならなくなった。

近隣の漁港でトロ箱を貰い、2人は釣った魚を小分けにして、3分の1を智の実家にクール便で送り、3分の1を『相葉ランド』へ、残りを潤の実家に持ち帰る事にした。

「先に『相葉ランド』に寄ってから潤の家に行こうか?潤の家族に喜んで貰えるといいんだけどな〜♪」「喜ぶに決まってる♪ウチの親父なんて智の事滅茶苦茶買ってるからね♪」ちっとも知らなかった。どうやら文具屋でアルバイトしていた時の、潤に対する智の塩対応が社長のお眼鏡にかなったらしい。

「僕が割引して貰ってた事で親父に激怒された時、1人だけ絶対に割引してくんなかった智の話をしたら、そのバイトはなかなか見所があるって名前聞かれたんっすよ♪だから親父は結構早い段階で智の事は知ってたんじゃないかなぁ〜♪」「へぇ〜♪何か嬉しいな♪」

道理でパソコンもろくに使えない智が、例え途中入社とは言え、こんな大手企業の正社員として採用された筈である。恐らくその時の潤の推薦も多少なりとも関係したのであろうが、当の智は「それじゃああん時の俺の対応は社長的には正解だったんだな♪」などと未だ潤の想いに気付いた様子は無い。

愛車の運転席に乗り込みながら、潤は助手席で楽しげに今日の釣果を話す智の、ふにゃけた笑顔を見て、『マジで手強いなぁ〜♪』と心密かに感じていた。時刻は未だ昼下がりである。もっと智と釣りデートを楽しみたかったが、折角の新鮮な旬の味を無駄にしたくなかったので、今日は家族を優先にする事に決めた。

だが、こんなもどかしい潤の想いがたった1日で劇的な展開を迎えようとは、この時は未だ想像すらしていなかったのである。

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『相葉ランド』に魚を持って行き、大いに喜ばれた潤と智はその足で潤の実家に赴いた。「家族総出で…」の言葉通り、智は大歓迎されて、社長の松本暉雄氏と初めて親しく言葉を交わし、趣味の釣りの話ですっかり意気投合している。

互いに何かシンパシーを感じる物でもあったのか、暉雄氏はすっかり智が気に入った様子で、潤でも未だちゃんと見せて貰った事の無い様な暉雄氏秘蔵のルアーのコレクションを見たり、ハワイでカジキを釣った時の話をしたり、しまいには2人してキッチンに入り、母親をそっちのけで魚を捌き始めたりもした。

「あらあら?お父さんったら♪あれじゃどっちが息子だか分からないわね潤♪」潤の母芙美代(ふみよ)は嬉しそうな暉雄の姿を見て微笑ったが、こんな父親の反応は潤の想定内である。石神警備員がそうだった様に、智にはおじさんを転がす天性の才能があるのだ。

ダイニングの椅子に腰掛け、何処かしら得意げに父親と智の様子を眺める潤に、姉の皐月がこっそりと「してやったりじゃない?」とウインクした。人類行動学を学び、名門女子大の准教授をしている皐月には潤の心理などお見通しらしい。

潤が親父の会社に就職したいと言い出した時、暉雄は頑として首を縦には振らなかった。親の会社で手っ取り早く出世しようと言う甘い考えがあるからそんな発想になるのだと、暉雄はそう思っていたからだ。

だから思い切って告白した。片想いの相手が居るのだと。その人と同じ職場で働きたいと。その相手がまさかの同性だと聞いた時は流石に暉雄も驚愕を隠せなかったが、それが学生時代に1度も割引してくれなかったアルバイトの智だと聞いて、息子は本気なのだと分かったらしい。

そこで暉雄は潤に2つの条件を出した。平社員から始め、他の社員達と同じ段階を経て実力を発揮する事と、智に対して決して独りよがりにならない事。男女の仲とは違うので双方の気持ちが合わない限り一生一緒にはなれない。

もし智が普通に女性と恋をして結婚するならお前は必ず諦めろとそれはそれは厳しく命じられたのだ。だから智にこっそりとメールやプレゼントを送った事は父親には言っていない。言えば特大の雷が落ちて即クビになる事決定だからだ。

そんな父親と智が今親しげにしている様子は潤に取ってはまさに皐月の言う『してやったり』なのである。父が智を気に入れば必ず潤の片想いの後押しをしてくれる筈だと思っていたのだ。最も、姉の皐月には潤がせっせと文具屋に通っている時代からすっかり見抜かれていた様だが…。

母親の芙美代には少しショックが大きいかも知れないので、なかなか告白には至れないが、いずれにせよ智をどうにかしない事には何にも始まらないのである。その第一歩として下の名前で呼び合える様になった事、父の暉雄に智を気に入って貰った事は大きな進展だと潤には思えた。焦らずゆっくり…。それでいい…♪

だが、そんなゆっくりテンポで恋を育んで行こうとしている潤の思惑とは別に、その時は思いがけない形で唐突に2人の元に訪れたのである。

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「何だ潤。折角久々に帰って来たんだから大野君と一緒に泊まって行けばいいのに」そう残念がる父親に「何言ってんの♭週明け早々社長が遅刻なんてシャレにならないよ〜♭どうせ僕をダシにして大野さんと夜通しサシ飲みしたいだけでしょ〜に♭」と釘を刺した潤は、そうは問屋が卸さないとばかりに智を連れて同居中の智のマンションに戻る事にした。

都内一等地の高級住宅街の屋敷である。当然智の部屋とは雲泥の差がある大御殿だが、今の潤にはふかふかのベッドよりも持参したマットレスの上で、智の側で眠る方が嬉しいのだ。智は「折角の家族水入らずなんだから」と1人で帰ろうとしたのだが、ストーカーの存在がある以上、智を1人にするなんて選択肢は潤の中に存在しないのである。

タクシーを呼び、智のマンションへと帰宅する。「社長いい人だったなぁ〜♪お母さんも
お姉さんも、潤の家族とメシ食ってすげぇ〜楽しかった♪俺も久々に母ちゃんに会いたくなったぞ♪」「じゃあ今度は智の家族と食事会だ♪僕も智のご両親やお姉さんに会いたいなぁ♪」「普通の家族だぜ?母ちゃんビビるぞ〜♪」

そんな事を言いながらエレベーターに乗り込もうとする2人の足元に、いきなり叩きつけられたのは小型の発煙筒だ。「嘘だろ?!♭智!♭」「潤!♭大丈夫か?!♭」

ゴホゴホゴホ…むせながら慌ててエレベーターを飛び出した2人に突然の衝撃が襲う。スタンガンだ。始めは潤が、続いて智がエレベーター前の通路にくず折れた。「だ、だから言ったんだ…♭僕を裏切るなんて絶対に許さないぞ…♭智.........♭」

そう低く呟き、倒れる2人を見下ろしていたのは、黒い長袖シャツに黒いパンツ。黒い目出し帽の、見るからに怪しい黒尽くめの姿をしたストーカー、須賀谷渉であった。人影の無い小さなワンルームマンションを、夜のしじまがゆっくりと包み込んで行った。

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潤智仲良し釣りデートから一転!MARKIE久々に危機感半端なく責めておりますアセアセ(大丈夫かしら?滝汗ドキドキガーンタラー)

ストーカーの行動については様々なパターンを模索していて、(智君拉致パターンだったり、潤君拉致パターンだったり、若しくは潤君、あるいは智君が相手を庇って刺されるパターンだったりアセアセアセアセ)

どうしたもんかと考えていたんですが、潤君や智君が拉致されるのは以前にも書きましたし、だからと言って刺されるのも何だか痛々しいとおーっ!アセアセあれこれ悩んだ結果2人共拉致されるパターンに落ち着きましたタラー

前回に続き今回も怖い感じで終わってしまいましたが、ガーン潤智をくっつけるにはこのくだりが必須ですのでどうぞお許しくださいませ〜アセアセ

そして恐らく皆様もお気付きかとは思いますが、今回から潤智の呼び名表記が、『松本』『大野』から『潤』と『智』に変化しております💜💙次回、ちょっとドキドキな萌え場面もご用意しておりますので暫しお待ちあれ〜ウインク