これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ下差し

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シュッ!シュッ!虚しく空を切る拳の音と、上がる息が黒人男を無駄に疲労させる。ただでさえ分厚めの唇が、ゴミムシボンバーのせいで真っ赤に腫れて、まるでデフォルメされたユニーク画の様な有様である。「Fuck!♭ナゼ当たらナインダ!!♭」英語ではなく日本語で苛立ちを表す辺り、この黒人男の日本での滞在期間の長さを物語っていた。

「俺に当てられるパンチが打てねぇからだろ?ウチの近所の野良猫のがもっとマシな猫パンチ打てるっつ〜の」黒人男の繰り出す攻撃を最小限の動きで簡単に避けながらMJが挑発する。いつも数人の敵を一度に相手にしている為か、黒人男の攻撃が生温くてしょうがないのだ。

そんなだから遠くでデカい図体をした白人男と闘うオーチャンの様子をよそ見する余裕もある。「あいつ元軍人だよなぁ〜。やっぱアッチのが面白そうじゃね〜か。お前さぁ、弱過ぎてあんま面白くねぇ〜んだわ」

そんなMJの言い草に、黒人男はプライドが傷ついたのか「Fuck-You!!」と叫び、迷彩パンツのポケットからバタフライナイフを取り出すと、それをクルリと返し、遮二無二襲いかかって来た。「お?やっとやる気になったか」

ナイフの刃先がMJの首元を狙って水平に切り付けられる。背中を反らしてそれを軽くかわしたMJは、ナイフを持つ黒人男の肘を手刀でなぎ払うと、その横腹に軽く拳を叩き込みつつ瞬時に上体を屈め、敵のベルトを一瞬で抜き取りながら素早く背後に回り込んだ。

黒人男が脇腹を抑えて苦しげに呻く。力を加減したのはパワー増強手袋を装着した状態だからだ。MJは敵から抜き取ったベルトを使い、それを鞭の様に自在にビュンビュンと振り回した。

「ファーック!!♭」振り向いて悔しげに地団駄を踏み、再び振り上げられた黒人男の手首をベルトで絡め、バタフライナイフを弾き飛ばす。MJはその勢いでつんのめる黒人男の尻に1発、続けて2発と素早い回し蹴りを食らわせた。

「ウオォォォ!!♭♭」野太い悲鳴をあげて前のめりに倒れる黒人男のズボンがずり落ち、派手なパンツが丸見えになる。足元にたぐまるズボンに足を取られ、両膝から地面にコケた黒人男の顎につま先蹴りを決めたMJは、大の字で昏倒する黒人男の 股 間 に『Fuck You』と書いてあったのを見て「パンツまでファックかよ?♭」と、嫌そうに眉を寄せた。

そこに田張を倒したアイバチャンが駆け寄って来て、白人男と闘うオーチャンを心配そうに眺める。「MJ、オーチャン助けなくていいの?あいつデカいし、手強そうだよ」「大丈夫だろ?智なら脚だけで倒せるさ。ありゃなるだけ敵に触らないでぶちのめせる方法を考えてるんだよ。俺とおんなじ」「どゆこと?」

首を傾げるアイバチャンにMJが一言「ゴミムシボンバーがクセぇのよ♭」と言った。「アヒャヒャヒャ♪ごめんごめん俺のせいだ♪」笑って誤魔化すアイバチャンに、MJは「まぁ見てなって♪すげぇから♪」と、少し自慢げにオーチャンへと視線を向けた。「なぁんか踊ってるみたいだねぇ〜♪」アイバチャンがぼんやりと呟く。

その言葉の通り、白人男と闘っているオーチャンの様子は、その動きの全てがまるで技巧を極めたダンサーみたいに、手足の動きやコートの裾の翻り、果ては敵の白人男までも見事なまでに一体化している様に見えた。とは言え、敵の白人男は顔面が真っ赤に腫れて、とてもダンスの相手をしている様には思えないのだが…。

「Shit!♭」悔しげに吐き捨てる白人男の、両手に握ったハンティングナイフが何もない虚空で煌めく。確かに刺したと思ったのに突き出した手には何の手応えも無く、あらぬ方向に刃先が向いているのだ。しかも相手は明らかに全力ではない様子である。

友人のダニーボーイの話では彼は映画俳優だと聞いていた。小柄で華奢な、少年と言うよりも少女みたいに可憐な彼の外見に騙され、大した事はないだろうと、初めは「お嬢ちゃん」などと呼び、何処か小馬鹿にしていた白人男だった。

だが、両手のハンティングナイフを使ってあらゆる方向から縦横無尽に攻撃を仕掛けても、フワリフワリと踊るような動きであっさりとかわされてしまう。傭兵としての訓練を積み、ある程度戦闘に長けていると自負していた白人男だけに、オーチャンの戦闘能力の高さは全くの想定外であった。

白人男は息を整えて両手のハンティングナイフを構え直し、静かに佇むオーチャンに向かって突進する。それをヒラリとかわすオーチャンのコートが優雅な円を描いて広がり、次の瞬間には蹴り上げたつま先で左手のハンティングナイフが宙に飛んだ。

ハッとする白人男が右手のナイフを素早く逆手に握り、オーチャンの胸を目掛けて振り下ろす。クルリとターンしてそれもかわしたオーチャンは、返す身体と同時に片脚を水平に回し、白人男の膝裏をなぎ払った。

「Woh!♭♭」思わぬ攻撃に膝カックンとなり、転ばぬ様どうにか踏みとどまった白人男のへっぴり腰に、オーチャンの飛び蹴りがヒットする。悲鳴を上げながら2、3歩よろめく白人男の残ったハンティングナイフを、高く振り上げた踵で叩き落としたオーチャンは、その脚を軸にビュンと回転し、白人男の横っ面を勢い良く蹴り飛ばした。

「Ohhhhhhhhhhh!!♭♭」前歯を吹っ飛ばしながら横倒しになる白人男の右広背部に、オーチャンの回転ハイキックが炸裂する。骨の砕ける鈍い音を立て、白人男はそのままコンクリートの地面に沈んだ。

「ほら♪脚だけで倒したろ?♪」オーチャンの華麗なファイトに胸を張ってウインクをするMJにアイバチャンが感心して「すげ〜♪」と手を叩いた。

腕組みをして『サイクロンマークIII』の車体にもたれ、そんなメンバー達の様子を見守っていたチーフもにこやかに頷きながら「さすがはオーチャン♪今日も素晴らしい闘いっぷりだなぁ♪」と絶賛している。「大野さんと闘う相手って負傷具合がハンパねぇんだよな〜♭」車内からひょっこりと顔を覗かせたニノが「あ”〜怖い♭」と肩をすくめた。

オーチャンがMJに向かって嬉しそうに駆け寄って来る。そのふにゃりとした笑顔は天使みたいにあどけなく、さっきまで鬼の様な強さで白人男と格闘していた人物とはまるで別人であった。ハイタッチしてムギュっと抱き合うMJとオーチャンに、アイバチャンが「ラブラブだねぇ〜♪」と笑う。

『サイクロンマークIII』に合流したメンバー達を「ご苦労さま」と労ったチーフはいつもの様に回収班をスマホで呼び出しながら、「さて、そろそろあの極悪お坊ちゃんを仕留めに行きますか?」と言った。

**

百目鬼の助け舟で、命からがら駐車場を逃げ出した羽山ダニエル剣吾は、先にある高速バスの乗り場までハイウェイを必死で駆けていた。「まさかあんな都市伝説みたいな秘密組織が本当に存在していたなんて…♭♭」

しかもそのメンバーの中にあの格闘天使サトシ・オーノが居る。コンテナに撃ち込まれた黒い玉からは変な粉が飛び散り、クサイし顔がかぶれてヒリヒリするし、さしもの知に長けた羽山ダニエル剣吾にも、あまりに変革的な彼らの攻撃スタイルは、何が何だか訳が分からなかった。

仲間は全員戦いになれたプロフェッショナル達の筈だったが、百目鬼がたった1発のパンチであっさりとやられてしまったのを目の当たりにし、羽山はすっかりJMIなる秘密組織のメンバーに恐れをなしてしまったのである。

「まさか他の奴らは百目鬼程容易くやられたりはしないと思うが…♭」彼等が時間稼ぎをしている間にどうにか高速バスの乗り場まで走り切り、そこに停車した高速バスに飛び乗ってしまえばいい。羽山ダニエル剣吾は迷彩パンツのポケットを探り、そこにスマホが入っている事を確認した。

スマホにはかなりの額の電子マネーが入っている。行先など何処でも良かった。バスに乗ってなるだけ遠くに行き、そこで次のプランを考えよう…。羽山ダニエル剣吾はそんな風に思っていた。

暫く駆けていると、ハイウェイの数10メートル程先に高速バスのバス停だと思われる明かりが見えて来る。「しめたぞ…。未だ運はありそうだぜ…」羽山ダニエル剣吾はニヤリと笑って駆け足のスピードを上げ、バス停に向かって行った。

息を切らし、やっとの思いでバス停に到着する。屋根付きのちょっとした待合所の様なバス停で、羽山以外に人の姿は見えなかった。時刻表を確認すると、丁度15分後に西行きの高速バスが停車する予定になっている。羽山は思わずガッツポーズを作り、己の強運を喜んだ。

だが、そんな羽山の歓喜も束の間、バス停のベンチに落ち着いた時には、いきなり飛び込んで来た黒い影に突き刺さる様な飛び蹴りを食らっていた。ベンチから1m程吹っ飛び、壁にぶつかった羽山の眼に黒とブルーのコントラストが映る。

「仲間を見捨てて逃げるつもり…?お前、マジでクズだな…」「サトシ?!♭まさか…♭♭」バス停の出入口にはあの厳つい装甲車が停車しており、彼等JMIがものの数分で羽山の仲間達を全て倒した事を物語っていた。

「クソ!!♭」ベルトに挟んだ35口径を構え、眼前のオーチャンに狙いを定める。百目鬼の弾をあのコートが弾き飛ばしたのを見ていた羽山は、身体ではなくオーチャンの頭部に銃口を向けていた。

「悪いなサトシ!♭消えてくれ!♭♭」だが羽山が発砲するより先に、バス停の壁をステップに舞い上がったオーチャンの空中回し蹴りが羽山の顔面にぶち当たった。「ゴフッ!♭♭」拳銃を取り落とし、鼻血を噴いてバス停の床に倒れる羽山の胸をオーチャンの靴底が勢い良く踏みつける。

「ウグッ!♭」あばらが軋み、苦しむ羽山ダニエル剣吾の顔を上から覗き込んだオーチャンが冷酷に言い放った。「弱すぎ…。頭良くても武道の腕前はからっきしだな…。お前なんかよりバイオアバターのがよっぽど手強かったよ…」「嘘だろ…?♭あの化け物共を倒したのかよ…?♭♭」

羽山の顔がこれ以上ない程の恐怖にひきつる。目の周りは真っ赤に腫れ、鼻血を垂らして口をパクパクさせるその様子に、テレビで人気のインテリイケメンの面影はまるで無かった。「ゆ、許してくれサトシ…♭♭もう二度と悪事はしない♭♭ほ、本当だ…♭♭」

懸命に命乞いをする羽山ダニエル剣吾に、オーチャンがにっこりと微笑って踏みつけた脚をどける。「そう、反省するならいいよ」「あ、ありがとう」ホッとして起き上がろうとした羽山の後頭部に叩きつけられたのはオーチャンの肘だ。再び床に崩れた羽山の、遠のいて行く意識の端で「んな訳ないだろ、馬鹿」と言うオーチャンの冷たい声が響いていた。

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ラスボス羽山、いともあっさりとオーチャンにやられましたグッグラサン次回は悪人達の悲惨な末路と、その後の成り行きをお伝え致しますニコニコ